調布国際音楽祭:バッハ・コレギウム・ジャパン 華麗なる協奏曲の夕べ 調布でしか聴けない珠玉のラインアップ 音楽が躍動し、心踊り、癒される2時間

調布国際音楽祭の最後はこのプログラム、バッハ・コレギウム・ジャパンによる演奏会。バロック音楽を専門とする日本のオーケストラおよび合唱団、1990年に鈴木雅明により設立され、J.S.バッハの宗教作品を中心としたバロック音楽の理想的上演を目指し国内外で活発な演奏活動を展開。
今回のプログラムはヘンデルやヴィバルディの曲をプログラムに取り入れて派手めなラインアップ。
場所は調布グリーンホール、1977年にこけら落とし公演を行い、長きに渡って様々なプログラムが組まれ、市民に親しまれているホールだ。大勢のオーディエンス、ロビーでは地元のレストランがクロワッサンやコーヒー、グラスワイン、ケーキ、ラスクなどを販売。アットホームな雰囲気、よくあるクラシックのコンサートと比較すると親しみやすさは抜群、記念撮影コーナーも設置、可愛らしいバッジやTシャツも販売されており、売れ行きも上々の様子。

演奏はもちろん超一流、ピンと張り詰めた静寂の中、きっと当時はこんな音色だったのだろうかと思わせる音楽、気持ちはしばし異次元に。曲順も緩急つけて、飽きない構成。また短調の作品が意外と多いのだが、明るく、新しい発見もできる。最後の曲はメンバー全員が揃っての演奏。J. S. バッハ:管弦楽組曲第4番 ニ長調 BWV 1069(初期稿)ちょっと珍しい演奏で、なかなかレア。

17時から始まり、途中20分の休憩を挟んで19時すぎに終了。
来年は2020年のオリンピックイヤーとなる調布国際音楽祭、6月に開催予定。きっと、さらにパワーアップ!

<曲目>
・ヘンデル:合奏協奏曲第6番 ト短調 作品6-6 HWV 324
George Frideric Handel: Concerto Grosso in G minor, Op. 6, No. 6, HWV 324
ソロ・ヴァイオリン:寺神戸 亮、山口幸恵

・ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンとチェロのための合奏協奏曲 ニ短調 RV 565(「調和の霊感」作品3より)
Antonio Vivaldi: Concerto for Two Violins and Cello in D minor, RV 565 from “L’estro armonico”, Op. 3
ソロ・ヴァイオリン:山口幸恵、木村理恵 チェロ:懸田貴嗣

・ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲「夏」ト短調 RV 315(「四季」より
Antonio Vivaldi: Violin Concerto in G minor “L’estate”, RV 315 from “Le quattro stagioni”
ソロ・ヴァイオリン:寺神戸 亮

・J. S. バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060
Johann Sebastian Bach: Concerto for Violin and Oboe in C minor, BWV 1060
ソロ・オーボエ:三宮正満 ソロ・ヴァイオリン:寺神戸 亮

・ヘンデル:オルガン協奏曲第5番 ヘ長調 作品4-5 HWV 293
George Frideric Handel: Organ Concerto in F major, Op. 4, No.5, HWV 293
ソロ・オルガン:鈴木優人

・J. S. バッハ:管弦楽組曲第4番 ニ長調 BWV 1069(初期稿)
Johann Sebastian Bach: Orchestral Suite No. 4 in D major, BWV 1069 (First Version)

【公演概要】
日程・場所:2019年6月30日 調布グリーンホール 大ホール
公式HP:http://chofumusicfestival.com/cmf2019/
文:Hiromi Koh

撮影: Hikaru Hoshi