調布国際音楽祭 2021 バッハ・コレギウム・ジャパン ~ブランデンブルク協奏曲 300 年記念~

昨年はコロナ禍でリアルでの音楽祭にはならなかったが、今年、2021年は感染症対策を十分にしながらの開催。7月4日はバッハ・コレギウム・ジャパンによる『ブランデンブルク協奏曲』。この作品が発表されて、実に300年!その記念ということで調布国際音楽祭2021のプログラムの最終日に大トリを飾った。

『ブランデンブルク協奏曲』は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した6曲からなる合奏協奏曲集。1721年3月24日にブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒ(1677〜1737年)に献呈された。御前で演奏後、幾つかの作品を献呈してほしいと言われ、ケーテンの宮廷楽団のために作曲した作品のなかから6つの協奏曲を選び、浄書して伯に送ったとのこと。ただ、献呈した総譜は、明らかに既存の楽譜から機械的に写譜されたと思われる痕跡があり、6曲の様式が異なることから、別々の時期に作曲された作品と考えられている。いずれにしても1番から6番まですべて長調で作曲されており、今回の演奏では、第1番、第4番、第6番が演奏された。
グリーンホールの舞台にはひまわりの花、初夏にふさわしく、明るい雰囲気、中央にチェンバロ。鈴木雅明始め、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーが登場し、大きな拍手が起こった。演奏の前にプロデューサーである鈴木優人から簡単な挨拶の後、始まった。

『ブランデンブルグ協奏曲』第1番の楽器編成は、コルノ・ダ・カッチャI & II,オーボエ I-III,ファゴット,ヴィオリーノ・ピッコロ ,ヴァイオリン I & II,ヴィオラ,チェロ,ヴィオローネ,チェンバロ。 このコルノ・ダ・カッチャは現在のフレンチ・ホルンの先祖。「狩のホルン」というようにもともと狩猟の時に合図を送るのに使われたもので、バロック時代後期にオーケストラに取り入れられたもの。
『ブランデンブルク協奏曲』第4番の楽器編成は、ヴァイオリン・ソロ,リコーダーI&II,ヴァイオリンI & II,ヴィオラ,チェロ,ヴィオローネ,ヴェンバロ。
休憩を挟んで、『ブランデンブルク協奏曲』第6番、楽器編成は、ヴィオラ・ダ・ブラッチョI & II,ヴィオラ・ダ・ヴィオラ・ダ・ガンバI & II,チェロ,ヴィオローネ,チェンバロ。そして『管弦楽組曲』第3番。ブランデンブルク協奏曲と並ぶその代表的管弦楽作品の一つで説明不要なくらい有名。楽器編成は、トランペットI-III,ティンパニ,オーボエI & II,ファゴット,ヴァイオリンI & II,ヴィオラ,チェロ,ヴィオローネ,チェンバロ。
総じて、華やかで音色も柔らかく、聴いていて心地よい。古楽器を用いており、バッハが活躍していた時代の演奏に近いのだろうか、音楽祭の締めくくりにはふさわしいラインアップ、客席は感染症対策のため、およそ半分に減らしているようだが、拍手の大きさは”満席”。時節柄、「ブラボー!」の声はかからないが、盛況に幕を閉じた調布国際音楽祭2021、来年の2022年も、もちろん!

<概要>
調布国際音楽祭2021
バッハ・コレギウム・ジャパン ~ブランデンブルク協奏曲300年記念~
[出演]
鈴木雅明 (指揮)
バッハ・コレギウム・ジャパン (管弦楽)
[曲目]
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番、第4番、第6番
J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番

公式HP:thttps://www.chofumusicfestival.com