『若草の頃』『イースター・パレード』『巴里のアメリカ人』etc.上演 テアトル・クラシックス ACT.1「愛しのミュージカル映画たち」2月25日より!

『若草の頃』、『イースター・パレード』、『巴里のアメリカ人』、『紳士は金髪がお好き』、『上流社会』そして『ビクタ ー/ビクトリア』を一挙上演。2 月 25 日(金)より、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開となる。

ジュディ・ガーランド、ジーン・ケリー、レスリー・キャロン、マリリン・モンロー、グレース・ケリー、ジュリー・アンドリュースなど往年の名優をスクリーンで堪能できる。

<作品解説>
『若草の頃』

[1944 年|113 分|アメリカ|原題:Meet Me in St. Louis]
★第17回 アカデミー賞(1945年) 脚色賞/撮影賞(カラー)/
作曲賞(ミュージカル)/歌曲賞ノミネート
20世紀初頭のセントルイスを舞台にした、心温まるファミリー・ミュージカル。「若草物語」にも似てジュディ・ガーランド扮する次女が 原作者のモデル。名子役マーガレットとジュディが歌うシーンが愛らしい家族パーティーをはじめ、ジュディが初恋のときめきを、ある時 は悩み(「ボーイ・ネクスト・ドア」)、時には歓び歌い上げる(「トロリー・ソング」)、ヒュー・マーティンとラルフ・ブレインの歌曲が、 美しい美術や衣装と共に映画を彩る。中でも泣きじゃくる妹を慰めつつジュディが唄う「メリー・リトル・クリスマス」はクリスマスソングの 定番に、ジュディの魅力を引き出すために特に作られた「トロリー・ソング」は、後年の彼女のコンサートには欠かせないスタンダードに なった。 監督のヴィンセント・ミネリはこの作品が縁でジュディと結婚し、のちに自身も大エンターテイナーとなる娘ライザ・ミネリが生まれた。作 品自体も、単なる楽しいミュージカルとしてではなく、古き良きアメリカの家庭の様子や市井の人々の温かさが、時代背景と共に生 き生きと描かれて、今も変わらず観る者を魅了する。

『イースター・パレード』

[1948年|103分|アメリカ|原題:Easter Parade]
★第21回 アカデミー賞(1949 年) 作曲賞(ミュージカル) 受賞
1910 年代のニューヨーク。フレッド・アステア扮するドンは人気ダンスコンビを組んでいた。が、突如相方に去られてしまい、戸惑い ながらも新たなパートナーを見つけ再出発を目指すことになる。相手役に抜擢されたジュディ・ガーランド演じるハンナは、前任者と は 180 度違った個性だったために互いに四苦八苦する。やがて、これまでを踏襲せず、新たな個性を生み出せば良いと気づき…。 共にハリウッドの名門スタジオ MGM に長く在籍しながらも、主役の二人は実はこれが初共演。彼らの持ち味と芸が見事に呼応し あい、愉しく生き生きとしたバックステージものに仕上がった。 音楽は‟アメリカ・ポピュラーソングそのもの“と言われるアーヴィング・バーリン。実際に 1910 年代に彼がヒットさせた曲をはじめ、本 作の為に作られた新曲を共に(「カップル・オヴ・スウェルズ」の楽しさ!)、或いは個々に(アステアの「ステッピングアウト・ウィズ・マ イ・ベイビー」は必見)歌い踊る。加えて名手アン・ミラーのタップが冴える「シェイキング・ザ・ブルース・アウェイ」、ジュディと P・ローフォードの愛らしいデュエット「フェラ・ウィズ・アンブレラ」等が並ぶ。

『巴里のアメリカ人』

[1951 年|113 分|アメリカ|原題:An American in Paris]
★第24回 アカデミー賞(1952年) 作品賞/脚本賞/撮影賞/作曲賞/美術賞/
衣裳デザイン賞受賞
第二次大戦直後のパリ。米国人ジェリー(ジーン・ケリー)は退役後も祖国へ帰らずに、画家としての夢を実現させようとして、仲間 たちとボヘミアンな暮らしをしている。そんな中、彼は巴里娘リーズ(レスリー・キャロン)に恋をするが、彼女は仲間の一人の許嫁 だった…。 既に若くして世を去っていたジョージ・ガーシュウィンの交響詩「パリのアメリカ人」を中心に、全編にガーシュウィン兄弟の「ス・ワンダフ ル」「我が恋はここに」「エンブレイサブル・ユー」「アイ・ガット・リズム」といった名曲が溢れる。作詞家である兄アイラは、作品に見合う よう新たに歌詞を書き直しもした。脚本を担当したのは『マイ・フェア・レディ』のアラン・ジェイ・ラーナー。 念願の映画化にジーン・ケリーは自ら振り付けも担当。終幕では、ローラン・プティの下で踊り、本作が映画デビューとなったレスリ ー・キャロンと、圧巻のバレエシーンを生み出した。舞台の美術装置家から出発したヴィンセント・ミネリを監督に得られたことも成功 の一つだろう。夢を追う仲間たちにはシャンソン歌手としても知られるジョルジュ・ゲタリーや、ピアニスト・作曲家でもある才人オスカ ー・レヴァントが好助演している。

『紳士は金髪がお好き』

[1953 年|91 分|アメリカ|原題:Gentleman Prefer Blondes]
“ローリング・トゥエンティーズ(狂騒の20年代)”と言われた大恐慌前の 1920 年代。ニューヨークからパリへと向かう船上が主 な舞台。お金持ちと結婚してゴージャスな生活を送ることを夢見る、二人のショーガールが巻き起こす恋愛喜劇。男性映画の名 匠と言われながら、実は粋な女性映画も撮れるホークスがすっきりと楽しくまとめ上げた。アニタ・ルースの原作は、これまでにもコメ ディとして 1928 年にも映画化されているが、本作は原作を基に 1949 年に舞台ミュージカルとして発表されたものを脚色・映画 化している。 スターへの階段を昇り始めたモンローが、生き生きと愛嬌たっぷりにショーダンサーを演じてその魅力を開花。公私ともにモンローと仲 が良かった相棒(お目付け役?)的存在のジェーン・ラッセルをはじめ、この手の作品に欠かせない名優チャールズ・コバーンがコミ カルに楽しませてくれる。また無名時代のジョージ・チャキリスも端役で出演。 レオ・ロビン(作詞)とジュール・スタイン(作曲)の歌曲もスタンダード・ナンバーとして残っており、特に「ダイヤモンドは女の子の一番の友だち」は舞台当時からヒットしていたが、モンローが歌い踊る場面によってさらに多くの人に印象付けられ、マドンナのミュージック・ ビデオでオマージュされるなど、後世にも様々な影響を与えた。

『上流社会』

[1956 年|111 分|アメリカ|原題:High Society]
★第29回 アカデミー賞(1957年) 作曲賞(ミュージカル)/歌曲賞ノミネート
1950 年代半ばのロング・アイランドの大邸宅を舞台に、再婚しようとするセレブなお嬢様、まだ前妻に未練がありそれを阻止しよう とする元夫、式を取材しに来た記者たちが入り乱れる。キャサリン・ヘプバーンが舞台・映画共に主演し大好評だった『フィラデルフィ ア物語』を基に、コール・ポーターの歌曲を用いてミュージカル化した。 お嬢様役グレース・ケリーにとっては、モナコ大公との結婚前最後の映画出演作品となり、彼女を取り巻く男性陣に、演技も歌も 達者なビング・クロスビー(元夫)とフランク・シナトラ(記者)を配したことで、ポーターの新曲が一層引き立った。名曲として残る ビングとグレースのデュエット「トゥルー・ラブ」の調べに乗せて、幸せだった頃をうっとりと思いだすグレース・ケリーが美しい。サッチモこと 愛すべきジャズの大御所ルイ・アームストロングが本人役で登場し、仲間たちとの唄と演奏で映画の幕が開くのもご機嫌。監督は 『イースター・パレード』と同じくウォルターズが務めた。

『ビクター/ビクトリア』

[1982 年製作|133 分|アメリカ|原題:VICTOR VICTORIA]
★第55回 アカデミー賞(1983年) 歌曲・編曲賞 受賞 主演女優賞/助演男優賞/助演女優賞/脚色賞/衣裳デザイン賞ノミネート
1930 年代のパリ。失業して無一文となったソプラノ歌手ビクトリア(ジュリー・アンドリュース)は、窮地を助けてくれたナイトクラブ 芸人トディの案じた一計で、女装の男性歌手として売り出す事に。「女装する美しい男性歌手」として一夜にして人気を得る。し かし、やっかみ怪しむ者、女だと思い彼(実は彼女)に惚れてしまうシカゴのギャング、それを妬む情婦ノーマ(レスリー・アン・ウォーレ ン)らが入り乱れての錯綜喜劇に発展していく。 劇中のショーとして魅せる「ル・ジャズ・ホット」、トディと小粋にステップを踏む「君と僕」、しみじみと心情を歌う「クレイジー・ワールド」 をはじめ、ジュリーが粋な男装や女装(?)で華麗に歌い踊る。この他にも、レスリーの持ち歌「シカゴ・イリノイ」や、劇中半ばでジ ュリーが(後には別ヴァージョンで)観る者を釘付けにする「セビリアの毒婦」などの魅力的な歌曲は、H・マンシーニ作曲/L・ブリッ カス作詞。 戦前ドイツの映画会社ウーファのコメディを、ブレイク・エドワーズが妻アンドリュースにぴったりな題材と考え、脚色・監督。ロバート・ プレストン、ジェームズ・ガーナー、レスリー・アン・ウォーレンといった芸達者たちが脇を固めた。当時のパリを再現したセットや衣装も 見どころのひとつ。

東京テアトルHP:https://www.theatres.co.jp/index.html