2026年2月・3月に「市川團十郎特別公演」が上演されることが明らかになった。
石川県小松市團十郎芸術劇場うらら 大ホールを始め、文京シビックホール、カルッツかわさき ホール、高崎芸術劇場 大劇場、仙台銀行ホール イズミティ 21 大ホール、ぎふしんフォーラム(岐阜市民会館)大ホール他、全国21会場・26公演にて開催。
平安絵巻から舞い降りたような気品と華やぎのある姿で魅了する「源氏物語」と、成田屋の代名詞として期待する荒事の素晴らしさ、江戸歌舞伎の力強い舞台を一日で同時に上演。襲名披露公演も終え、深みが増した十三代目市川團十郎白猿の舞台に期待が高まる。
都内で製作発表会が行われた。
登壇したのは十三代目市川團十郎白猿。
「2月、3月は皆様のところにお邪魔して歌舞伎を見ていただこうと。南座でやった『荒事絵姿化粧鑑(はなのえすがたけわいかがみ)』を『景清』の拵えにしてみていただく趣向です」と演目について簡単に説明。見どころについては「『源氏物語～夕顔～』は久しぶりに務めさせていただきます。最近はこういうお役をしておりませんでしたので、その姿を見ていただくという趣向、『素戔嗚大蛇退治』はこの前も京都でやらせていただいて、メインテーマが”群舞”…素戔嗚が剣を手に入れて蛇を退治する。物語を舞踊化したものです。見やすい演劇に仕上がっていると思います。『荒事絵姿化粧鑑』は10月の『暫』の衣装を…歌舞伎の衣装とはどんなものなのか、お客様に見ていただき、着ていただき、私が再現してやったところ、多くの方々に楽しんでいただけたので、今度は『暫』ではなく、景清、こちらも重たい衣装ではございますが、それをご覧にいれようと。初めて歌舞伎を見るかたに優しい演目となっています」そして意気込み、お客さまへのメッセージ「今、歌舞伎が注目されていますので、普段見ていただいてるお客様へのアプローチ、そして初めての方へのアプローチを共有している公演です。各都市、様々なところへお伺いし、最後のあわぎんホール、徳島県まで一生懸命に務めたいと思います」と締め括った。また、地方では「歌舞伎を見たい」という声が多いそうで、こういった各地を回る公演は「地域密着」と市川團十郎。また、コロナ禍を振り返って「（観客を）半分しか入れられない、とか間を開けるとか…今はまだ立て直しの時期」と語る。
また地方公演の良いところとして「距離が近い喜び、反応がいいから芸が荒れる、気をつけるようにと言われたこともあった」と振り返る。また、公演地の小松市について「父（先代）が50半ばぐらいで『勧進帳』を演じたのでご縁がある、いつか小松市で務めたいと思っていました」とコメント。その夢が叶う形、そして劇場を作るにあたっては團十郎の名前を入れたらどうか、と言われたそう。劇場名は『團十郎芸術劇場うらら』ここで初日、2月28日に公演。「石川県の方々に團十郎の芸を見ていただきたい」とコメント。
フォトセションの後、改めて囲み取材が行われた。再び、各地を回る公演について市川團十郎は「（各地を回るのは）住んでいるところから離れられない方々のために。そういう方に見ていただけることが文化として大事。懸命に舞台に向き合いたい」と各地を回る意義を強調。また12月なので、今年1年を振り返って、という質問が出た。「新橋演舞場からあっという間に12月」と時間があっという間にすぎたことについての率直な感想を。「今年は自分のペースで歌舞伎に向き合えた、充実した1年。映画『国宝』が日本映画の記録を塗り替えた、うれしいこと」と語る。
また、「温泉文化アンバサダー」を務めているが、今年は「温泉に詳しくなった1年」と振り返る。1日4～8カ所訪れたこともあったそう。今年を表す漢字を問われると「泉」と回答。また、来年の抱負を聞かれて「歌舞伎と向き合う」とコメント。特別公演は石川県小松市の「團十郎芸術劇場うらら」から始まり、福井県、宮城県など次々と公演。東京は文京シビックホール大ホール、こちらは3月18日、千秋楽は徳島のあわぎんホール3月26日、21箇所となる。
市川團十郎特別公演概要
演目
一、『源氏物語～夕顔～』
二、『素戔嗚大蛇退治(すさのおおろちたいじ)』
三、『荒事絵姿化粧鑑(はなのえすがたけわいかがみ)』 市川團十郎『景清』の拵えを舞台にて相勤め申し候
出演
市川團十郎／大谷廣松 市川九團次 片岡市蔵 他
日程：2026年2月28日(土)～3 月 26 日(木)
公式ホームページ：https://zen-a.co.jp/danjurotokubetsu2026/
総合問合せ：Zen-A(ゼンエイ) TEL：03-3538-2300[平日 11:00～19:00]
企画：市川團十郎
制作：株式会社 3Top
制作協力：全栄企画株式会社／株式会社ちあふる
協力：松竹株式会社
