市川中車&市川團子 親子共演 『獨道中五十三驛』製作発表会レポ

市川中車&市川團子親子共演、東京・THEATER MILANO-Za にて、歌舞伎町大歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内『獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)』が上演される。この作品は、文政十年(1827)に江戸河原崎座で初演。作者は『東海道四谷怪談』や『桜姫東文章』などを手掛けた四世鶴屋南北。当時、江戸で人気を博していた十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に着想を得て、それとは逆に京都を起点に江戸を目指し、五十三次の宿場で物語が展開。永らく上演が途絶えていましたが、昭和五十六年(1981)に三代目市川猿之助(二世市川猿翁)が歌舞伎座にて復活上演。澤瀉屋の中でも特に人気が高く、これまで12回再演され、「三代猿之助四十八撰」のひとつに数えられている、まさに十八番(おはこ)。


今回の上演は「こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎」とのコラボレーション。「こえかぶ」は、古典歌舞伎を人気声優陣が語り演じる松竹のオリジナル朗読劇。人気声優が複数役演じ分ける「声の歌舞伎」となる。本作において屈指の人気を誇る「岡崎無量寺の場」では、十二単をまとって宙を飛ぶ猫の怪を、数多くの話題作にも出演、映像でも活躍を続ける市川中車が初役で勤める。THEATER MILANO-Za で宙乗りを行うのは初の試み。大詰は、常磐津を用いた舞踊『写書東驛路』をお届け。スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』にてヤマトタケルを演じ、家の芸である『義経千本桜やにも挑戦し喝采を浴びた歌舞伎界のホープ市川團子が十三役を早替りにて勤める。


寒さが少し緩んだ午後、製作発表会が行われた。
登壇したのは、市川中車、市川團子、嶋田創(株式会社東急文化村代表取締役社長)、山根成之(松竹株式会社副社長)。
まずは挨拶。

嶋田創「Bunkamuraの取り組みといたしまして、1994年にオープンし、コクーン歌舞伎を始動しました。以来、古典の枠組みを超えた演出で、Bunkamuraを代表する作品となりました。歌舞伎町タワーで『歌舞伎町大歌舞伎』、『コクーン歌舞伎』のように劇場の代表になるような作品にしたいと願っています。澤瀉屋の人気演目『獨道中五十三驛』をやる、大変嬉しい。本公演は『こえかぶ』として人気声優さんとのコラボレーション、『獨道中五十三驛』と『こえかぶ』が掛け合わさることで、新しい歌舞伎エンターテイメントをお届けできると確信しています、”伝統と革新”、存分にお楽しみください」

山根成之「澤瀉屋の中でも特に人気の高い演目である『獨道中五十三驛』新宿・THEATER MILANO-Za にて上演させていただくことになりました。感謝申し上げます。『岡崎無量寺』では、中車さんが初役として重厚な十二単を纏い、ミラノ座初の宙乗りに挑みます。團子さんは『十三役早替り』を勤めますが、これぞ澤瀉屋というべき早替りの醍醐味を皆様にお見せしたい。また松竹が手がける『こえかぶ』、”歌舞伎初めまして”の皆様にわかりやすく好評で。この『こえかぶ』を通して声優さんと歌舞伎のコラボレーションをお楽しみいただきたい。皆様が挑むこの情熱にご期待いただければ」

市川中車「父・二世市川猿翁が 1980年代、江戸時代から百年以上も埋もれていた作品を復活させたいと心血を注いだ演目の一つが、この『獨道中五十三驛』です。この大切な演目を、私と息子の團子で勤めさせていただきますこと、この上ない光栄に存じます。父もずっと見守ってくれてると思います。澤瀉屋一丸となってこれからも多くの方々に観てもらいたい。私は今回、物語が急転し、奇怪かつ不思議な魅力に満ちた化け猫騒動の『岡崎無量寺』の場を担当いたします。父は老婆や鬼女を得意としておりましたので、父のスピリットを一人でも多くのお客様にお見せできるよう、研鑽を積んでまいる所存です。新宿は初めてなので楽しみにしております。また、東急文化村様とは深いご縁がございまして。歌舞伎の世界に入る前の2002年、シアターコクーンでの蜷川幸雄さん演出『桜の園』のロパーヒン役を演じさせていただきました。毎日を命懸けで過ごし、思い出に残る、悔しさも喜びも血肉とどったあの忘れ得ぬ日々から24年。2026年の今、父が愛した演目に化け猫として十二単で宙乗りをする姿を、蜷川さんはどうご覧になるでしょうか。初めての地・新宿にて澤瀉屋一門が一丸とどって舞台に打ち込みます。『澤瀉屋ここにあり』という気概を込め、歌舞伎の新たなページを刻みます」

市川團子「上演が途絶えていた『獨道中五十三驛』を祖父が復活、この作品は京都から日本橋、逆の趣向です。THEATER MILANO-Zaで上演、緊張もあります。これまで歌舞伎を見たことがない方にも歌舞伎に触れていただけるとてもよい機会になると思います。祖父の誠実さと情熱といったスピリットを伝えていきたい。『こえかぶ』での声優さんとのコラボレーションは歌舞伎初心者の方にもわかりやすく楽しんでいただける画期的な公演になると思います」また、早替わりは見どころですが、スタッフさんにたくさん支えられているので、今回も息を合わせて、一緒に作り上げたいと思います。3月に大学卒業予定で、社会人として初めて挑む公演になるので自分がしっかりしいとという意識を強く持ちつつも、一番大事なことは舞台のクオリティを上げること…集中して取り組みたいです」

また質疑応答の中で、
劇場についての質問、「いろんな分野に対応できる作りになっています」と嶋田創。歌舞伎もミュージカルもなんでも!また市川中車は「父が言ってた『夢見る力』、思いが遠くまで届く」と語る。

また「役者の欲望の距離」というフレーズが、迸るもの、観客の喜び、また市川團子は「役としてどういう景色を見るのか」とコメント。市川中車は市川猿翁の理念を「ストーリー、スピード、スペクタクル」と語る。見どころでもある『こえかぶ』については「一人の声優さんが男性になったり女性になったり、声の”早替わり”がテーマ」と市川中車。また親子共演については「二人で歩んできたからできる」と市川中車。


親子共演、そして澤瀉屋のの人気演目『獨道中五十三驛』の上演、歌舞伎町で大歌舞伎と話題が尽きないこの公演、初日は5月3日、新宿のど真ん中、歌舞伎町のTHEATER MILANO-Zaにて。

※「澤瀉屋」の「瀉」のつくりは、正しくは“わかんむり”
概要
歌舞伎町大歌舞伎
三代猿之助四十八撰の内『獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)』
作:四世鶴屋南北
出演:市川中車、市川團子
日程:2026年5月3日〜26日
会場:THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6F)
一般販売:2026年2月下旬予定
問合せ:Bunkamura 03-3477-3244 (10:00~18:00) www.bunkamura.co.jp
※ほか詳細は後日発表。
主催:Bunkamura、TST エンタテイメント
企画・制作:松竹株式会社
製作:Bunkamura

公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/26_kabuki.html