世界初の「担ぎ桶」スタイルの電子和太鼓 ~電子ドラムの独自技術を応用。伝統的な和太鼓のさまざまな音色で演奏可能に~ ローランドが『鼓童』と協力、実現!

ローランドが2017年より太鼓芸能集団『鼓童』と協力し研究開発に取り組んできた電子和太鼓。ローランドの技術やノウハウを注ぎ込み、さらなる構造の改良や軽量化をはかり、この度ついに世界初の担ぎ桶スタイルの電子和太鼓『TAIKO-1』が完成し、『鼓童』メンバーによる演奏にて披露された。

撮影:西槇太一
撮影:西槇太一

和太鼓は、日本各地の伝統的な祭りや寺社祭礼、学校教育などで用いられ、多くの方に親しまれている楽器でありながら、演奏時の音量が大きく、本体のサイズや重さによって持ち運びに苦労しがちな和太鼓を個人で所有することが難しく、練習する場所も限られていた。また、演奏会場の環境によっては、大きな太鼓を持ち込めないことがプロの演奏者にとって悩みのひとつでもあった。『TAIKO-1』は、打面を叩く位置や強さに応じて多彩な音を奏でる和太鼓特有の音色変化を、ローランドの技術によって忠実に再現。桶胴太鼓はもちろん、異なる種類の和太鼓や拍子木、さらには太鼓以外の打楽器の音色まで内蔵し、1台でさまざまな音色を使って演奏が可能。
打面には、静粛性に優れたローランド独自のメッシュ素材を採用し、音の大きさを気にせず練習することができる。また、本体を分解してコンパクトに収納でき、持ち運びもスムーズ。充電式ニッケル水素電池(単3形x8本)での駆動にも対応し、自由に動きながら演奏ができる。また、好きな曲と合わせて演奏できるBluetooth 機能も備えている。

『TAIKO-1』は2020年夏にローランドより販売。

◆コメント
●太鼓芸能集団『鼓童』 北林玲央
和太鼓というのはとても大きい音がなります。しかしこちらの『TAIKO-1』であれば、場所、時間気にせず、太鼓の練習をすることができる、というのがまず一つ。Bluetooth機能で自分の好きな曲に合わせて練習できるというのも魅力です。さらに、この中に入っている太鼓の種類、音色も幅広いですし、叩く場所によっても音がしっかり分けられていて、太鼓に近い感覚で練習ができると思います。
そして何より叩いていて気持ちいい。外に出ている音はパタパタなのに耳の中はすごい爆音みたいな。叩いていて楽しいです。
もう一つはレコーディングですね。普段作曲したものをとりあえず形にするとなると、実際に太鼓を叩いてマイクを向けたり、キーボードなどでタップをして録音をしたりしていますが、『TAIKO-1』であれば実際にバチで叩いてそれをそのまま電気信号で送ってくれると言うことなので、太鼓奏者にはとてもありがたいなと思います。
やはり一つ一つの音をこだわって作られているので音が良く、そのまま使えるので作曲などもしやすくなったのではないかと思います。

●太鼓芸能集団『鼓童』 渡辺ちひろ
初めてこの楽器に触った時、この一台から色々な太鼓の音、色々なニュアンスの音が出せることにとても驚きました。
そして、本物の和太鼓にあるはずの無いヘッドホンジャックがあり、打った音がヘッドホンから聞こえてくる事にとても魅力を感じました。
どれだけ大きく打っても、周りに聞こえているのは、パッドを打ったパタパタという小さな音のみ。
これは大きな音を出せない環境でも、気軽に練習ができ、楽しめる、電子和太鼓の大きな魅力だなと感じました。

●ローランド株式会社 製品リーダー 野村晃太郎
長い間電子和太鼓の研究は続けていたのですが、形にならずにいました。鼓童さんとのご縁があり、お互いに打楽器文化を発展させたいという思いが合致し、2017年から本格的に試作品を作っていきました。初めはあるもので作りましたので重さもかなりありましたが、実際に叩いてもらい前向きな意見をいただきました。多くの改良を重ねて二人三脚で作った製品です。みなさんの貴重な意見がなければ完成が難しかったかもしれません。
「こう使ったら面白いのではないか」と色々と想像して作り上げましたが、実際にステージで使っていただいた演奏が想像を超える面白さがあり、可能性を感じます。
楽器は人が演奏して初めて完成します。世界中の方に『TAIKO-1』で楽しんでもらいたいです。