ドビュッシーの傑作『ペレアス とメリザンド』7月上演@新国立劇場

大野和士芸術監督 4 年目の 2021/2022 シーズンの締めくくりに、大野の注力するフランス・オペラからドビュッシーの傑作『ペレアス とメリザンド』が登場。ドビュッシー唯一のオペラ『ペレアスとメリザンド』は、閉鎖的な城の愛憎の日々の物語が、神秘的、象徴 的に、緊張感のうちに綴られるフランス印象主義の傑作。エクサンプロヴァンス音楽祭で初演され、極めて今日的な演出と世界的話 題となった、英国の鬼才ケイティ・ミッチェルの演出が登場するのも舞台芸術ファン注目の的。
大野和士のもと、リヒター、ヴルシュ、ナウリら話題の歌手が集結
モネ劇場やリヨン歌劇場でフランス・オペラを数多く手がけてきた大野和士芸術監督自らが指揮する『ペレアスとメリザンド』には、こ の作品の世界随一の歌い手であるリヒター、ヴルシュ、ナウリと、大野と共演経験を重ねる信頼厚い歌手を招聘。浜田理恵、妻屋秀 和らの日本人歌手も揃い、現在望みうる最高の布陣となりました。フランス・オペラの神髄を伝える、音楽ファン必聴の公演て。

フランス印象主義の作曲家ドビュッシーの唯一のオペラ『ペレアスとメリザンド』。フランス独自のオペラを目指したドビュッシーは、独 特の語法を用いて、メーテルリンクの戯曲に描かれた光や水、霧や風といった自然の息吹を色彩感と陰影に富んだ音楽で表現し、フランス語の韻律と音楽を融合させて、登場人物の苦悩や感情の起伏を抑制したタッチで濃密に描く。閉鎖的な城の愛憎の 日々の物語が神秘的、象徴的に緊張感のうちに綴られ、幕切れでは後奏がもたらす静けさがドラマを浄化。 ブリュッセル・モネ劇場やリヨン歌劇場でフランス・オペラを数多く手がけてきた大野和士芸術監督は、新国立劇場でも着任以来、年 1 本のフランス・オペラを欠かさず企画し、その魅力を伝えることに注力。4 年目のシーズン締めくくりの新制作に、フランス 音楽の代名詞ドビュッシーが書いた傑作『ペレアスとメリザンド』がついに登場。フランス・オペラの神髄を伝えるまたとない機会。

演出のケイティ・ミッチェルは演劇大国イギリスで演劇、オペラの演出で活躍し、独自の感性と 論理がもたらすリアリティが高く評価される演出家。ミッチェルの『ペレアスとメリザンド』は、近 年最も尖ったオペラが上演されることで注目されるエクサンプロヴァンス音楽祭で 2016 年に 初演されました。このプロダクションでは、中世の架空の城を舞台とした象徴的な物語が、ある 一家へやって来た女性の密室の夢想となって、現代的なドラマに。ミッチェルは原作 の象徴的なイメージを活かした神秘的な空気を基調としながら、現代的な女性観とリアリズム に基づく鮮やかな解釈を提示し、今日の名演出と絶賛。イギリスきっての先鋭的 な活動で知られるケイティ・ミッチェルの秀逸な舞台は、すべての舞台芸術ファン必見。

大野和士芸術監督自らが指揮する『ペレアスとメリザンド』には、新世代を代表するテノール、ベルナール・リヒター、フランス音楽の 旗手として活躍し、世界中でメリザンドを歌っているカレン・ヴルシュ、パリ・オペラ座やメトロポリタン歌劇場、英国ロイヤルオペラで活 躍するバリトン、ロラン・ナウリら、『ペレアスとメリザンド』の世界随一の歌い手であり、大野と共演を重ねる信頼厚い歌手たちが世界 から集結します。浜田理恵、妻屋秀和らの日本人歌手も大野和士自信のキャスティング。今望みうる世界最高の布陣による『ペレア スとメリザンド』は、音楽ファン必聴の公演。
<「ペレアスとメリザンド」あらすじ>
【第1幕】狩の途中で道に迷ったゴローは、水辺で泣く女性メリザンドを見つけ連れて帰る。半年後、ゴローは異父弟ペレアスへ、祖父 の老王アルケルから結婚の許しを得て欲しいという手紙を送る。王はゴローの新しい妻を迎え入れることとする。城にやって来たメリザンドとペレアスが出会い、二人は彼女の乗ってきた船が去る光景を見つめ言葉を交わす。 ペレアスは庭園の「盲人の泉」にメリザンドを誘い、その力について語る。メリザンドはゴローからの結婚指輪を泉 に落としてしまう。その瞬間、ゴローは森で落馬し深手を負っていた。居室で夫を介抱するうち、メリザンドはこの 城では心が休まらないと訴える。その時妻の手に指輪がないと気付いたゴローに激しく追及され、メリザンドはゴ ローの息子イニョルドに貝を拾っているうち失くしたと嘘をつく。ゴローの命令で、メリザンドはペレアスを伴い、恐 怖に震えながら海辺の洞窟へ赴く。 月光の晩、寝室でメリザンドが髪を梳くと、通りかかったペレアスはその長い髪に陶然となる。そこへゴローが来 て、二人の振る舞いを責める。翌日、ゴローはペレアスを地下に連れて行き、身重のメリザンドを刺激しないよう 言い渡す。ゴローはイニョルドに、ペレアスとメリザンドの様子について詰問し、母の寝室を覗くよう強要する。

【第2幕】アルケルとメリザンドが語る部屋へ、嫉妬心に駆られたゴローが来て、妻の髪を 掴んで引き倒す。夜、いよいよ旅立つというペレアスに請われ、メリザンドは泉に赴く。月 光の下で二人はついに愛を告白し、口づけを交わす。そこへゴローが現れ、ペレアスは 殺される。 逃げ延びたメリザンドは女の子を産み落とし、死の床にあった。ゴローは妻に許しを請い ながらも、弟との関係を執拗に問い始める。メリザンドから真実が語られることはない。ア ルケルがゴローを制し、赤子をメリザンドに抱かせようと渡す。メリザンドが息を引き取り、 皆取り残される。

概要
【公演日程】 2022年7月2日(土)14:00/6日(水)18:30/9日(土)14:00/13日(水)14:00/17日(日)14:00
【会場】新国立劇場 オペラパレス
指揮:大野和士
演出:ケイティ・ミッチェル
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
芸術監督:大野和士
共同制作:エクサンプロヴァンス音楽祭、ポーランド国立歌劇場
公演情報WEBサイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/pelleas-melisande/
2016 年エクサンプロヴァンス音楽祭公演より ©Patrick Berger/ArtComPress