ホテル『メズム東京、オートグラフ コレクション』では、イングランドの劇作家 ウィリアム・シェイクスピアによる傑作戯曲『Romeo and Juliet(邦題:ロミオとジュリエット)』のストーリーを表現したランチおよびディナープログラムを、ホテル16階のフレンチレストラン「シェフズ・シアター(Chef’s Theatre)」にて、2022年10月17日~2023年2月28日の期間限定にて提供、先駆けてランチ試食会が行われた(選べるメインは魚料理)。
今回のランチ&ディナープログラムでは、物語の前半をランチで、後半をディナーで表現、ランチとディナーを合わせると一つの物語が完成する構成。旬の食材とフランス料理の繊細な技で、作中のロミオとジュリエットの揺れ動く心情や象徴的な台詞、二人を取り巻く情景を再現したお料理の数々、そして物語をテーマにした音楽と共に、永遠の愛の物語を堪能できるここだけのプログラム。また、アカデミー賞7部門を受賞した映画『恋に落ちたシェイクスピア』の劇中劇は『ロミオとジュリエット』。
<ランチプログラム>
≪アミューズブッシュ: SadHours.≫
イタリアの都市ヴェローナの街で力を持つ名家、キャピュレット家とモンタギュー家は、代々対立。見かねたヴェローナの太守が「今後このような街の平和を乱す騒ぎを起こしたら死罪を申し渡す」と宣言するほどに。
そんなモンタギュー家の一人 息子ロミオは、両家の対立ではなく、なかなか振り向いてくれないロザラインへの熱い片想いで頭がいっぱい。
ロミオの甘酸っぱい初恋を表現した一皿。甘みのあるピンク色のビーツムースと、周囲に添えられた酸味のきいたトマトのクーリ、中に隠れた鶏のゼリー寄せを一度に味わうことで、まさになかなか 成熟しない初恋の甘酸っぱさを口いっぱいに感じることができる。川俣シャモは福島県伊達郡川俣町の特産品、脂っぽくないのに深いコク、地鶏ならではの弾力、噛めば噛むほどしみ出す旨味、鶏本来の旨味とトマトの品の良い酸味、ビーツ本来の甘味が楽しめるムースを混ぜて食べると、鶏の旨味がクーリとムースでバランスよく引き立つ。
ここで合わせるモクテルはピエール・ゼロのブラン・ド・ブランにピンクグレープフルーツのシロップを少々混ぜたもの。ピエール・ゼロのブラン・ド・ブランはシャルドネ100%、穏やかなスパークリングで、そこにピンクグレープフルーツのシロップを少し混ぜる、グラスの色合いも美しく、グレープフルーツの風味がシャルドネと絡み合い、穏やかな酸とフルーティーなアロマが食前の乾杯にふさわしい。
ワインなら、 コンタディ カスタル ディ フランチャコルタ ブリュット。フランチャコルタの名門ベラヴィスタが“よりカジュアルに楽しんでほしい”という想いで設立した「コンタディ カスタルディ」のスタンダードキュヴェ。精緻で洗練されたブレンド技術と26ヶ月以上瓶内熟成させる。品種はシャルドネ80%、ピノ・ビアンコ10%、 ピノ・ネロ10%。柑橘系果実、白桃のフレッシュなアロマにグリーンのニュアンス。滑らかでバランスも良い。
≪前菜: OnlyLove,OnlyHate.≫
苦しい片想いにやつれ果てていたロミオは、従兄弟のベンヴォーリオに誘われ、親友のマキューシオらとともにキャピュレット家で開かれる仮面舞踏会に忍び込み、そこで一際目立つ、宝石のように美しい少女と出逢う、ただその少女への恋心がロミオの心を占めたのでした。
ロミオとジュリエットが仮面舞踏会で出逢い、まだお互いの素性がヴェールに包まれたような状況をイメージした一品。新鮮な真鯛のマリネと鮮やかな季節の野菜で華やかな仮面舞踏会の様子を表現。上にかぶさっている”ヴェール”は春巻きの皮、下が見えないので、どうなっているのか興味深々、これがパリッとしており、割ると中から真鯛のマリネと野菜、蛸が。野菜は季節によって変わるが、歯ごたえや野菜の風味、そして真鯛、玉ねぎのムースを絡めて食べると食感が複雑に。マリネのソースはマスカットを使用。皮のパリッと感に野菜の歯ごたえ、真鯛、蛸のやさしくマリネされた風味のハーモニーが品よくまとまっている。
合わせるのはカモミールティーを漬け込んだ白ぶどうジュース、桃ジュースのモクテル。ワインはカンティーナ・マリリーナ キュエ・モスカート、少し濃い黄金色のオレンジワイン。黄桃やジャスミン、緑茶のアロマティックで複雑な風味、モスカート100%。シチリアの自然派ワイン。
≪選べるメイン(魚料理): O…Romeo,Romeo!≫
仮面舞踏会にて運命的な出逢いをし、瞬く間に恋に落ちたロミオとジュリエットは、乳母を通して、 お互いが仇敵同士の両家のたった一人の跡取りであることを知ります。ジュリエットはそんな自身 の運命を憂いながら、バルコニーで一人、月あかりの下でロミオへの愛を語り始めました。「おお、 ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?その家名を捨てて、私を愛すると宣言して」。
季節の野菜とズッキーニのピューレでバルコニーに絡まるツタを、ふっくらと焼き上げたホウボウに季節のフルーツやヘーゼルナッツを添えてジュリエットが佇むバルコニーを、ニンジンと黄ピーマンをベースとし優しい味わいに仕上げたソースで月あかりを表現し、「おお、ロミオ」の名台詞で知られる、ジュリエットがロミオへの愛を語るシーンを再現。ホウボウは、これからが旬、淡泊ほどよく歯ごたえがあり、噛めば噛むほどうまみのある魚。バルコニーに絡まるツタを表現した野菜とズッキーニのピューレ、これが視覚的に「なるほど」と思わせる。バルコニーが魚、このトッピング、季節によって変わるが、供されたのはブドウ(仕入れによってブドウの種類は変わる)、秋らしさ、そして控えめな甘さ、ヘーゼルナッツの食感と魚の弾力と旨味、月に見立てたムースがほんのり甘く、魚と塩味とムースの自然な甘さが口の中で調和する。魚の上にトッピングされた海藻は、バルコニーにもツタが絡まってる?と想像力を膨らませてくれる。
合わせるモクテルは、レモンウォーター、ミントティーを漬け込んだ白ぶどうジュースを合わせたもの。ワインはファルネーゼ ファンティーニ カラレンタ ロザート 2021。「ルカマローニ ベストワイン年鑑 2023 」で99点(満点)。品種はメルロー、イチゴやピンクグレープフルーツのフレッシュでやわらかなアロマとバラのアロマが広がる。
≪デザート: Love-DevouringDeath.≫
翌朝ロミオは修道士ロレンスを訪ね、ジュリエットと真の愛を誓うため、神様の前で結婚式を挙げ ることを望みました。修道士ロレンスは、二人の結婚が長く対立していた両家が和解するきっかけになるかもしれないと思い、二人に協力することにしました。ロミオからの伝言を聞いてジュリエットも駆けつけ、その日のうちに教会で結婚の誓いを交わし、晴れて二人は結ばれるのでした。
ローズマリー香る純白のメレンゲや可愛らしい装飾で表現された教会の可憐な見た目からは想像しがたい、白胡麻のパルフェや、ヨーグルトとローズマリーのムース、毒々とした色味のカシスマーマレードなど意外な味の組み合わせが堪能できる一皿。結ばれた二人を思わせる幸せな雰囲気の中でも、彼らを待ち受ける運命を予感させるような複雑な味わいに。パルフェ(parfait)は「完全な」という意味で英語ではパーフェクト(perfect)。メレンゲは口に入れるとフワッと溶ける、この食感が、2人の淡く儚い恋を連想させる。白胡麻のパルフェはこれだけ食べるとかなり濃厚な味。ヨーグルトとローズマリーのムースは穏やかな酸味、カシスのコンフィはインパクトのある色合いと味、この3つとメレンゲと一緒に食べると、食感の変化や味の複雑さに驚く。白胡麻とヨーグルトが意外なほど相性がいい。また、台になっているのは白ごまサブレ、キャラメル風味、お皿に描かれている十字架はかなりビター、絶対に甘くない結末を予感させてくれる。
概要
期間:2022年10月17日(月)~2023年2月28日(火)
営業時間:ランチ 11:30~15:00 (L.O. 14:00) / ディナー 17:00~23:00 (L.O. 22:00)
場所:16階レストラン「シェフズ・シアター(Chef’s Theatre)」
料金:ランチ:6,400円 / ディナー:12,800円
※消費税・15%のサービス料込み
予約・問い合わせURL:https://www.mesm.jp/restaurant/chefs_theatre.html
電話:03-5777-1111(代表) / メール: reservation@mesm.jp