NY・ブロードウェイ(BW)のリバイバル版初演から25年を迎え、アメリカ作品として歴代1位のロングラン、世界36か国・500都市以上で上演されているメガヒット・ミュージカル『シカゴ』。12月14日、東京国際フォーラム ホールCにて開幕。
1920年代のシカゴを舞台に、実話に基づいた二人の悪女によるスキャンダラスなシンデレラ・ストーリー、「オール・ザット・ジャズ」など、名曲揃いのミュージカル・ナンバーと、鬼才ボブ・フォッシーの振付を体現するセクシーでスタイリッシュな衣装に身を包んだ超一流のダンサーたちは、世界中の観客を魅了。
禁酒法時代のイリノイ州シカゴを舞台に、記者のモウリン・ダラス・ワトキンスが調査した実際の犯罪および犯罪者を題材にした演劇『シカゴ』が基。物語は刑事司法陣営の政治腐敗の風刺および著名な犯罪者の概念について描かれている、センセーショナルな内容。
1975年にオリジナルのブロードウエイ公演が46番通り劇場にて初演され、1977年までに936公演上演。オリジナルではボブ・フォッシーが振付も手掛け、彼のスタイルがこの作品に如実に表現。1979年、ウェスト・エンドに進出して600公演上演、1996年ブロードウエイで再演、その1年後にウェスト・エンドでも再演。ブロードウエイ再演では7,300回以上を上演し、再演ミュージカル作品では最長、ブロードウエイ史上アメリカのミュージカルで最長、ブロードウエイ史上海外作品も合わせると『オペラ座の怪人』に続き第2位のロングラン公演の記録を持っている。ウェスト・エンドでの再演は15年近く続き、ウェスト・エンド史上アメリカのミュージカル作品で最長の記録、他に国内外のツアー公演も行っている。
アカデミー賞を受賞した映画版『シカゴ』はロブ・マーシャル監督、レネー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア、ジョン・C・ライリー、クイーン・ラティファ主演で製作された。
ロキシー・ハートのモデルとなったアナンは1924年4月3日、ハリー・カルステットを殺害した当時23歳。ヴェルマ・ケリーのモデルとなったガートナーはキャバレーの歌手で離婚経験あり、1924年5月12日、ガートナーが遺棄した車の中で亡くなっているウォルター・ロウが発見された。弁護士のウイリアム・スコット・スチュワートとW・W・オブライアンがビリー・フリンのモデル。
のっけから見どころ、「Overture」の後、名曲「All That Jazz」ヴェルマ・ケリー、カンパニーが歌い、踊る。キャッチーなメロディーに一度見たら忘れられないフォッシーの振り付け、独特のスタイル。
彼の振り付けは、その後、多大な影響を与える。天才、といわざるを得ない。一流のカンパニー、奇想天外な物語だが、実際の事件がもと、まさに小説より奇なり。全てが見どころ、ヒロイン2人はもちろん、悪徳弁護士にママ・モートン、自分はセロファンみたいに存在感なし、と嘆くエイモス、みなでコミカルでどこか物悲しいさを漂わせる。あっけらかんとしたヒロイン2名でさえも、だ。さまざまな風刺、皮肉、これでもか、と策を練る2人、あくどい弁護士、自信満々。そして、最後は前向きに生きる決意をする、大団円。
目一杯スキャンダラスな物語だが、なぜか共感さえしてしまうマジック、それは登場人物が人間臭く、絵に描いたような正義もなく、ある意味リアリティー。出演者はもちろん、芸達者揃いで、これぞブロードウエイ。東京に居ながらにしてブロードウエイ、贅沢な空間。また、舞台に訳が電光掲示板で映し出されるのだが、今風の翻訳になっており、ここは「Up To Date」。本物を観たいなら、外せない演目、公演は31日まで。
公演概要
ブロードウェイミュージカル『シカゴ』
日程:2022年12月14日(水)~31日(土)
会場:東京国際フォーラム ホールC
出演:サラ・ソータート、ソフィー・カルメン=ジョーンズ、キャヴィン・コーンウォール 他CHICAGO オールスターズカンパニー
オリジナルNYプロダクション演出:ウォルター・ボビー
オリジナルNYプロダクション振付:アン・ラインキング
作詞:フレッド・エッブ
作曲:ジョン・カンダー
脚本:フレッド・エッブ & ボブ・フォッシー
初演版演出・振付:ボブ・フォッシー
主催:TBS/キョードー東京
後援:BS-TBS / J-WAVE
企画制作:TBS/キョードー東京
招聘:キョードー東京
協賛:三菱地所
公式サイト:https://chicagothemusical.jp/blog/
オフィシャル舞台写真:Tomoko Hidaki
トップ画像舞台写真:編集部