ロシアとウクライナの音楽家が来日。平和を求めるすべての人々へ贈る演奏会 ウクライナの作曲家シルヴェストロフ作品_

”祈りが音楽になったのではない 音楽こそ祈りだったのだ”
ロシアとウクライナの音楽家が来日し共演するコンサートが開催。
ウクライナの現代音楽の作曲家であるシルヴェストロフの楽曲が演奏される。

ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、平和への道筋が見えない今、 ウクライナ・キーウ出身の作曲家シルヴェストロフが全世界で脚光を浴びている。現代音楽の作曲家シルヴェストロフを 一躍「時の人」にしたのは、2014年にキーウでの親ロシア派政権を失脚させた「マイダン革命」へ抵抗の意志と追悼を込めて作曲された合唱曲《ウクライナへの祈り》。美しい響きで 「主よ、ウクライナを守りたまえ/われらに力と信仰と希望を与えたまえ/われらの父よ」と歌われ、今回のウクライナ危機を受けて、新たに管弦楽曲などに編曲され、原曲の合唱曲と共に世界中で演奏されている。
NHK Eテレ「クラシック音楽館」(`22年5月OA)では、「今こそ平和の響きを〜ウクライナ侵攻 芸術家たちの闘い〜」と題して、シルヴェストロフのインタビューでコメント放送されました。

シルヴェストロフ コメント
「大砲が鳴るとき、芸術の女神は沈黙する」 ということわざがあります。
大砲の無情な音を強調するのではありません。
芸術の女神は沈黙しつつも 別の“音域”に存在し続けます。
音楽は、“怒り”の領域にいながらも 戦争中は自らの怒りを抑えているのです。
私は一人の人間として怒りを感じていますが、 音楽で怒りを表すことはしません。
怒りの表現は味方だけでなく、敵をあおり、 敵にも力を与えます。
だから芸術の女神は沈黙するのです。
音楽は平和の価値を教えてくれます。
地球上の、一人ひとりの命の価値を。

このコンサートのためにロシアとウクライナの音楽家が来日し共演。
出演はアンドレイ ググニン(ピアノ)、アレクセイ セメネンコ(ヴァイオリン)、日本からは弓 新(ヴァイオリン)。

プロフィール

アンドレイ ググニン Andrei Gugnin (piano)
2016年シドニー国際コンクールで優勝。
2013年ウィーンにて開催されたベートーヴェン国際コンクール第2位に輝き、2014年にはジーナ・バッカウアー国際コンクールで優勝。協奏曲賞、19世紀20世紀協奏曲賞など多数の賞も受賞している。
2018年にハイペリオンレーベルのピアノ・クラシックスシリーズのために録音を果たしたほか、デロスレーベルにショスタコーヴィチのピアノ協奏曲集、およびワディム・ホロデンコとのデュオなどを録音してきている。ショスタコーヴィチの録音はスティーヴン・スピルバーグの映画「ブリッジ・オブ・スパイ」にて用いられた。そのほかロシア、オランダ、クロアチア、オーストリア、スイス、アメリカにおいてテレビやラジオのために演奏している。
リサイタル、室内楽、オーケストラとの共演でウィーン楽友協会、ニューヨーク・カーネギーホール、シドニー・オペラハウス、モスクワ音楽院大ホール、マリインスキー劇場、パリ・ルーブル美術館などで演奏。またロシア、アメリカ、フィンランド、オーストラリア、クロアチアそして日本でマスタークラスを開催してきた。

アレクセイ セメネンコ Aleksey Semenenko (violin)
1988年ウクライナ オデーサ生まれ。6歳からヴァイオリンをはじめ、2年後にはウクライナのコンクールを制覇、8歳でオデッサフィルとの共演でデビューを果たし天才少年として注目を浴びた。
17歳からはケルン(ドイツ)でザハール ブロン教授に師事。室内楽をハラルド・ショーネベーク教授に師事し、最優秀で卒業。
2012年、アメリカでの「Young Concert Artists Auditions」の優勝によってソリストとしての道が開かれた。2015年、ベルギーの「エリザベート王妃国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で第 2 位。ヨーロッパでのヴァイオリニストとしての地位を確立した。2021 年秋より、ドイツ・エッセンの国立フォルクヴァング芸術大学ヴァイオリン科の教授に就任。ドイツで最年少の専科教授として注目を浴びている。
2022年2月24日、キーウでの演奏旅行中にロシアがウクライナを侵攻。空襲警報鳴り響く街で仲間と共に「平和・反戦・祈り」のコンサートを続けた。そして6月、戦火を逃れドイツへ帰国。その後コンサート等を通してウクライナ支援の活動を精力的に行っている。

 

弓 新  Yumi Arata (violin)
東京出身。4歳でヴァイオリンを始め、2002年より桐朋学園「子供のための音楽教室」で学び、07年に桐朋女子高等学校音楽科に入学。
2008年よりチューリッヒ芸術大学に留学し、ザハール・ブロンとイリア・グリンゴルツに師事。ベルギーのエリザベート王妃音楽院にてオーギュスタン・デュメイに師事した後、ライプツィヒのフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学にてエーリッヒ・ヘーバルトのもと研鑽を積む。また、クリスティアン・テツラフ、レオニダス・カヴァコス、五嶋みどり、ジャン=ジャック・カントロフ、アナ・チュマチェンコ、パメラ・フランク、エンリコ・オノフリから薫陶を受ける。2004年、第4回ノヴォシビルスク国際ヴァイオリン・コンクール、ジュニア部門(11~16歳)第1位、2011年の第4回ヴィエニャフスキ国際コンクールにて最年少ファイナリストに贈られる特別賞を受賞、2018年にはロン=ティボー国際音楽コンクールで第5位入賞。これまでに、ミシェル・ダルベルト、ゲイリー・ホフマン、バルトゥオミ・ニジョウ、クラウディス・ヘルマン、マリン・ハルテリウス、アラスデア・ビートソン、リリー・フランシス等と共演。2014年にNHK-FM「リサイタル・ノヴァ」、2017年にNHK Eテレ「ららら クラシック」へ出演している。

概要
”祈りが音楽になったのではない 音楽こそ祈りだったのだ” シリーズ第2弾
日程・会場:2023年2月10日(金)  東京オペラシティ コンサートホール
出演:
アンドレイ ググニン(ピアノ)
アレクセイ セメネンコ(ヴァイオリン)
弓 新(ヴァイオリン)

プログラム:
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ BWV147、
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004 より《シャコンヌ》
ペルト:フラトレス
メシアン: 世の終わりのための四重奏曲 から終曲
V.シルヴェストロフ:ピアノとヴァイオリンのための3つの小品、
V.シルヴェストロフ:バガテル
V.シルヴェストロフ:ポストスクリプトゥム
V.シルヴェストロフ:J.S.B.へのオマージュ     その他
*開演時間・出演者・プログラムは予告なく大幅に変更になる場合あり。

アレクセイ セメネンコ、アンドレイ ググニン 出演のコンサート(別プログラム)
2月14日(火)  東京・五反田文化センター 音楽ホール
2月17日(金)  京都・福知山サンホテル 音楽ホール
2月19日(金)  広島・広島市南区民文化センター ホール

公式サイト:https://mcsya.org/