ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』が2023年2月5日より東京・東京国際フォーラムホール Cにて開幕、その後は大阪・梅田芸術劇場メインホールをはじめ、福岡・博多座、愛知・御園座にて上演される。
本作は、脚本・作詞トム・アイン、音楽ヘンリー・クリーガー、『コーラスライン』で知られるマイケル・ベネットが生前最後に演出と振付を手掛け、1981 年にブロードウェイで初演、翌年のトニー賞では、ミュージカル脚本賞や振付賞を始めとする 6 部門受賞 の快挙を成し遂げた、大ヒットブロードウェイ・ミュージカル。
2006年(日本公開2007年)には、ビヨンセ主演で映画化、世界的に大きな話題に。
1960年代のアメリカを舞台に、スターを夢見る女性ボーカルグループが歩んだ栄光と挫折、煌びやかなショービズ界の裏に描かれる確執や葛藤、友情、愛…様々な思いが交錯する人間ドラマを珠玉の名曲と共に綴っていく。
演出は、ストレートプレイ、音楽劇、オペラと幅広く手掛ける注目の演出家・眞鍋卓嗣。主演には、元宝塚歌劇トップスターで 圧倒的な歌唱力を誇る望海風斗がディーナ役を務める。 ディーナと共に結成したボーカルトリオ「ザ・ドリーメッツ」メンバーの一人、ソウルフルな歌声を持つエフィ役には福原みほ/村川絵梨(Wキャスト)、控えめで朗らかな性格であるローレル役にはsara、ザ・ドリーメッツのマネージャーでエフィと恋人関係になるカーティス役にspi、ザ・ドリーメッツの作曲を担当する C.C.ホワイト役に内海啓貴、エフィのグループ脱退後メンバーとして加わる新人歌手ミシェル役になかねかな。そして、人気ソウルシンガーのジェームズ役に岡田浩暉。更に、ジェームズのマネージャーマーティ役に駒田一が出演。
初の日本オリジナルキャスト版となる。
雑踏の音から始まり、ノリの良い楽曲へ、中央のDreamの文字が浮かび上がる。四人の女性が歌っている、中央には「APOLLO」の文字、時は1962年。ここはニューヨーク州ハーレムにあるアポロ・シアター。「アマチュア・ナイト」のシーン。ここで良い結果が出れば、『夢』に近づける、皆、120%の力を発揮してのパフォーマンス。そしてザ・ドリーメッツ、シカゴの有望なガールズ。ユニット。エフィの兄弟C.C.ホワイト（内海啓貴）作曲の”Move (You’re Steppin’ on My Heart)” エフィ（福原みほ/村川絵梨(Wキャスト)）、ディーナ（望海風斗）、ロレル（sara）のパワー溢れる歌、だが、残念な結果に終わる。だが、これが彼女たちの『夢』の始まりだった。舞台裏でザ・ドリーメッツとC.C.は中古車販売員のカーティス・テイラー・ジュニアと出会い、カーティスはザ・ドリーメッツのマネージャーに。
人気R&Bスターのジェイムズ（岡田浩暉）と彼のマネージャーのマーティ（駒田一）を説得してザ・ドリーメッツをバックアップ・シンガーとして雇わせる。ジェイムズとザ・ドリーメッツの初めての演奏は成功。だが、ジェイムズは新曲のことでいっぱいいっぱい。カーティスはジェイムズとマーティに、伝統的なR&Bとソウルの枠を越えてポップ市場を狙うべきだと説得。
そこでC.C.はジェイムズとザ・ドリーメッツのために作曲、これがヒットし始めるも白人のポップシンガーがこれをカバー、ヒットを奪われてしまう。人種問題もさりげなく盛り込まれる。そしてザ・ドリーメッツは「ザ・ドリームズ」に改名、数年でヒットし続け、有名になっていく…。
全編、歌、それも難易度が高く、ノリの良い楽曲が目白押し、劇中のショーのシーンのみならず、ミュージカルらしく心情を歌い上げる場面での楽曲もキャッチーで熱い。望海風斗始め、歌唱力の高いキャストが揃い、圧巻な歌声で歌い上げるが、パワーだけでなく、ソウルフルに歌い上げなければならない楽曲ばかり、ここは稽古の成果だろう。
物語は単なる「夢を掴む」ものではない。愛情、嫉妬、疑惑…etc.スターになる階段を駆け上がる、１幕は時代は1960年代、この１幕で一気にスターダムにのし上がっていく。多くのフラッシュが焚かれる、3人で手を取り合って、のはずだったのが、カーティスはディーナに「史上最も有名な女性にしてみせる」と宣言、これを知ってしまったエフィ、早くも不協和音。1967年には「ディーナ・ジョーンズ・アンド・ザ・ドリームズ」となり、ラスベガスに初登場、エフィなしでどんどんヒットしていく。壊れていく関係、強引とも思えるカーティス、彼の基準はズバリ、”金”。２幕は1970年代、ディーナ・ジョーンズ・アンド・ザ・ドリームズは全米で最も成功したガール・グループとなるも、一方のジェイムズはヒットがない状態に。また、エフィはショー・ビジネスにカムバック、ディーナは転身を考えて…そしてラストへと向かう。
メインキャラクターはディーナだが、群像劇の要素があり、キャラクター全てにドラマがある。さらに時代背景、70年代はディスコが大流行り、カーティスが「踊れる」楽曲にしようとするくだりは時代の空気を感じる。大ヒット曲「One Night Only」は２幕で登場、特にディスコバージョンは聞き覚えがある人も多いだろう（歌える人もいるのでは？）。
舞台セットはシンプルだが、舞台裏になったり、華やかなステージになったり、転換はスムーズ、シリアスな内容だが、湿っぽくなく、暗くなく、ソウルフルな楽曲や踊れる楽曲がほぼほぼ途切れることはない。60年代、70年代の音楽シーンを知らなくても十分楽しめるが、知っていれば、興味深く観ることができる。また、振付が時代を表し、衣装も60年代、70年代を象徴している。公演は東京は14日まで。その後は大阪公演となる。
概要
ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』
スタッフ
脚本・作詞：TOM EYEN
音楽： HENRY KRIEGER
オリジナル・ブロードウェイ版演出・振付： MICHAEL BENNET
翻訳：徐賀世子
訳詞： 福田響志
演出：眞鍋卓嗣
出演
望海風斗
福原みほ・村川絵梨(W キャスト)
sara / spi 内海啓貴 なかねかな 岡田浩暉 駒田一
石井千賀 ICHI 伊藤広祥 岡本華奈 Sarry 仙名立宗 高橋祥太 高橋卓士 茶谷健太 遠山裕介 菜々香 西岡寛修 原田真絢 丸山泰右 森山大輔 吉井乃歌 (50音順) 髙橋莉瑚(スウィング)
日程会場:
東京：2023年2月5日(日)~2月14日(火) 東京国際フォーラム ホールC
大阪：2023年2月20日(月)~3月5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
一般発売日:2022年11月19日(土)AM10:00~
チケット料金: S席14,500円 A席9,500円 B席5,500円(東京・大阪)
問合:(東京) 0570-077-039 ／ (大阪) 06-6377-3800 (10:00~18:00)
企画・制作・主催:梅田芸術劇場
オフィシャルエアライン:ユナイテッド航空
協力(大阪公演):ABC ラジオ FM COCOLO FM802
ツアー情報：2023年3月 博多座 御園座
公式WEB:https://www.umegei.com/dreamgirls2023/
舞台写真提供：梅田芸術劇場
