南果歩, 栗原英雄, 山下リオ, 市川知宏, 入江甚儀, 山口まゆ 出演&荒井遼 演出『これだけはわかっている ~ Things I know to be true~』上演

tsp NextStage は実力派俳優・首藤康之、山下リオ、小日向星一、演出には次世代を担うと期待される演出家・荒井遼を擁し、優れた翻訳戯曲『ダブリンキャロル』を2021年12月に東演パラータにて日本初上演。その第二弾、東京芸術劇場シアターウエストにて、アンドリュー・ボヴェルの傑作戯曲『これだけはわかっている ~ Things I know to be true~』を上演。

本作は、家族同士のコミュニケーションの難しさ、それぞれの思い、両親の理解の範囲と、それを超える子供たちの考え、そして父親や母親の考え。皆が交差しぶつかり合いながら互いに成長してゆく家族の姿を1年を通して描く。
なにげない日常の繰り返しのような日々の中でも、様々な出 来事をきっかけに少しずつ変化していく自分、そして家族。日頃伝えられていないこと、伝えなくてはならなかったことはなんだったのかを考えさせられる名戯曲。
家族の母親役には海外へも活動の場を拡げる南果歩、父親役には栗原英雄、『ダブリンキャロル』に続いて荒井演出2作目となる山下リオが長女役として出演。南果歩との親子役は本作で2度目となる彼女が、母親との難しい間柄をどう見せるかは注目。また、本作の公演初日が俳優デビュー15年目の記念日となる市川知宏、そしてデビュー15周年の入江甚儀が、同じ事務所の先輩・後輩という間柄で兄弟役を演じる。
演出の荒井遼は2017年に同作品の朗読劇を演出している(出演:大森博史 山本道子 内田亜希子)。

南果歩 コメント
素晴らしい戯曲に出会いました。家族それぞれの葛藤や苦しみ、そして人生が、日常を通して鮮やかに描かれています。どうしようもない思いを抱えて人は生きている。正攻法の会話劇、可笑しみや行き違いが溢れています。この物語の要となる、母フラン役を演じられることにワクワクしています。演出の荒井遼さんをはじめ、素晴らしいスタッフキャストと共に、心に残る舞台を作り上げていきたいと思っています。劇場でお持ちしています。

栗原英雄 コメント
戯曲を読ませて頂いて、素晴らしさを感じながら……演るのは大変だ!と正直思いました。六人家族のプライス一家の物語。側から見ると一見幸せそうな家族だが、それぞれが問題を抱えてる現実。社会と家族、夫と妻、親と子供、家族と個人。些細な綻びから家族の調和は崩れていく。演出の荒井遼さんがどう捌いて行くか皆さんご期待ください。素敵な共演者の皆様とプライス家に起きている物語を紡いでいけたらと思っております。これは再生への物語。私は、これだけはわかってる。

山下リオ コメント
私にとって「家族」という塊は、時に優しく、時に鋭く、様々な形に変化しながら、私の人生に大きな影響を及ぼしてきた。そうして当たり前のようにいる家族が、他人(人間同士)の集まりでもあることに気づいた瞬間、なぜか永遠に愛してしまう不可解な存在のようにも感じてしまう。この作品の読んでいると、そんな不可解の氷が溶けていくような気がしました。これまで家族に思ってきたこと、これから家族に思うことが怒涛のように私に流れ込み、最後は涙が止まりませんでした。是非、たくさんの方に観ていただきたいです。

市川知宏 コメント
一家の長男マークを演じます。長男として、一人の人間として家族とどう向き合っていくべきなのか。稽古を重ねながら模索したいと思います。今回の作品を通して皆様に「家族」という普遍的な存在を改めて再考する機会にして頂きたいです。そして、公演初日の6月30日は自分がデビューしてからちょうど15年目に入ります。一つの節目としてここからまた良いスタートに出来るよう真摯に臨みたいと思います。是非劇場にお越し下さい

入江甚儀 コメント
家族は運命共同体、良い方にも悪い方にも共に影響し合うのが必然的。ここ数年30代を目前にしてより思うようになりました。台本を読んでみて、率直にこの作品に参加出来て嬉しいと思いました。なぜなら僕自身の物語でもあり、救いがあったからです。きっと皆さんの物語でもあると思います。ぜひ劇場へ観に来てください!

山口まゆ コメント
舞台のお話をいただいた時、嬉しさと同時に自分に対しての試練を感じました。舞台は緊張感と生の感情が揺れ動く感覚が映像とはまた異なり、新たな努力と度胸を身に付けなくてはと稽古前からとても緊張しています。台本はとても面白く、一気に読んでしまいました。家族とはいえ生き方や価値観が違う人同士がぶつかり合いながら、心を打ち解けていく姿がとても魅力的な作品です。先輩方の背中を追いかけながら、全力で頑張っていきたいです! ぜひご来場下さい!

イントロダクション
物語はオーストラリアの地方都市アデレードの郊外。いわゆる地方都市。そこにプライス家の日々がある。
母親のフラン(南果歩)は看護師、父親のボブ(栗原英雄)は元自動車工。今は長女ピップ(山下リオ)の子供の迎えや庭の手入れ、特にそこに植えられたバラの手入れが主な彼の仕事だ。
そこにヨーロッパへ一人旅にでていたはずの末娘のロージー(山口まゆ)が帰ってきた。どうやら旅先で出会った男性との恋に やぶれ、心の傷を癒すために家族の元へ戻ってきたようだ。
プライス家は六人家族。長女のピップは教育局で働くキャリアウーマン、長男のマーク(市川知宏)は IT 系のエンジニアで 次男のベン(入江甚儀)は金融関係で働いている。どこにでもある家族の会話と風景がそこにある。一家を切り盛りする母親 を中心に皆が家族を想い、慈しみ合っている。とても明るい活気のある家族。しかし、それぞれがなかなか家族に言い出せない 悩みや問題を抱えていた。
一番近いはずの家族、でも実はもっとも遠い存在と感じることがある「家族」。打ち明けられない悩みや、本当に言いたいこと が伝えられないもどかしさ。そして本当は愛していると伝えたいのに、感謝しているのに、それがことばにできない時、あるいは意図 せずに酷いことばを投げつけて、傷つけ合ってしまう家族との関わり。
わたしたちの人生はこんな痛みや悲しみや、もちろん喜びもですが、家族や人との関わりの中で経験し、自分が「わかっている こと」、自分にとって「本当のこと」のリストを増やしていくのでしょう、決してそれを知らなかった頃には戻れないことを知りなが ら・・・・。
春・夏・秋・冬・・・、そして春・・・。再び巡ってくる季節、木々や花たちは1年前と同じように芽吹き、花は咲く。しかし、その 春は1年前の春とは確実に違う春なのです。
この物語はそんな家族のとある1年間の物語です

概要
日程・会場:2023年6月30日(金)~7月9日(日) 東京芸術劇場 シアターウエスト
作:アンドリュー・ボヴェル
翻訳:広田敦郎
演出:荒井遼
出演:南果歩、栗原英雄、山下リオ、市川知宏、入江甚儀、山口まゆ

公式サイト:https://tspnet.co.jp/whats-ons/koredake/