和田琢磨,希代彩,桧山征翔出演 中国人初のノーベル文学賞作家高行 健の代表作『逃亡』上演

CEDARは第30回読売演劇大賞作品賞上半期ベスト5に選出された今注目の演劇ユニット。
CEDARが次回作に選んだのは、華人で史上初めて2000年にノーベル文学賞を受賞した作家・高行健(ガオ・シンジェン)の代表作『逃亡』。
1989 年6月、中国北京で天安門事件が発生。民主化を求める学生のデモ隊を、軍隊が武力を行使し鎮圧したその凄惨な事件は、世界中を震撼。
作家・高行健は留学先のパリから事件を眺め、その年の10月に『逃亡』を執筆。

物語はとある共産国家での出来事。民主化を求め学生達が広場でデモを起こしていた。軍の弾圧によりデモ隊に銃声が響き、若者の革命への夢は暴力により打ち砕かれていく。青年(桧山征翔)と娘(希代彩)は銃弾を逃れ必死で逃走。逃げ 込んだのは暗く湿った倉庫。そこにやってくる自称作家の中年(和田琢磨)。3人は死に直面しながら【生きている実感】とは何なのかをひたすらに考え求め続けていく。
高行健は人間の生命力の煌めく炎と、激動の時代の混乱をひるむことなく直視し、人間の究極的な尊厳に真っ向から向き合う。
この壮絶な人間ドラマを、この作品のためにあえて選定した下北沢OFF・OFFシアターという限られた小空間の中で、 濃密で純度の高い人間ドラマをお届けするべくCEDARが挑む。
登場人物は中年・娘・青年の3人。作家であり当局から目をつけられている中年役に2.5次元舞台からストレートプレイまで幅 広く活躍する和田琢磨。デモ隊では拡声器で演説をしていた女優志望の娘役に映画『JKエレジー』で主演を務め、今注目を 集める女優希代彩。理想の革命と現実の狭間で葛藤する青年役にCEDARの桧山征翔。三人の織り成す激しくも切ない人間ドラマを小空間で。
演出は松森望宏が務める。
第二弾情報公開は6月中旬、メインビジュアルや公演日程、チケット情報等を予定。また、出演者によるアフタートーク等も企画予定。

原作者より

私が1989年にパリで書いた『逃亡』という劇は、1992年にスウェーデンの王立ドラマ劇場が初演し、 今日に至るまでに15か国の少なくとも24の劇団が上演してきました。イギリスとフランスのテレビ・ラジ オ局は全劇を放送しています。この24年間にフランスだけでも5つの劇団が上演しました。1996年に は日本の神戸の劇団「龍の会」、1998年には東京の俳優座も、この劇を上演しています。今般、日本 の演劇ユニットCEDARも上演するということは、この劇の生命力がまだ衰えていない証でしょう。この 劇が人類の生存の苦境に目をそむけていないからこそ、観客の共鳴を喚起し、深い自省を促すのです。 この劇を観に来てくださったみなさんに感謝すると同時に、上演の成功を祈ります。
高行健 (飯塚容訳)

概要
CEDAR Produce vol.10「逃亡」
日程・会場:2023年7月26日(水)~30日(日) OFF・OFFシアター(下北沢) ※上演時間 約90分
作:高行健 (ガオ・シンジェン Gao Xingjian)
翻訳:瀬戸宏
演出:松森望宏
出演:和田琢磨 希代彩 桧山征翔
スタッフ:
美術:いとうすずらん 音楽・音響:西川裕一 照明:南雲舞子 衣裳:堀井香苗
演出助手:石川大輔 票券:西野優希 舞台監督:小川陽子/杉山小夜
宣伝美術:飛田庸徳
企画・制作:一般社団法人CEDAR

CEDAR公式サイト:https://www.cedar-produce.com