新国立劇場オペラ新制作『シモン・ボッカネグラ』フィンランド国立歌劇場、マドリード・テアトロ・レアルとの共同制作により上演

海洋国家ジェノヴァに渦巻く恩讐と愛 ヴェルディの重厚な傑作を新国立劇場初演
ヴェルディ円熟の傑作『シモン・ボッカネグラ』が新国立劇場初登場。
ジェノヴァ総督となる海の男シモン・ボッカネグラを題材に、平民と貴族の抗争、親子や恋人の愛とすれ違いとが入り組み、憎悪から和解へと至るドラマが力強い音楽で展開。オペラファンなら ば必ず見ておきたい、ヴェルディならではの重厚な傑作。

演出はエクサン・プロヴァンス音楽祭総監督、その革新精神でオペラ界をリードする演出家ピエール・オーディ。インパクトの大きな大規模彫刻やパブリック・アートで世界を席巻するアーティスト、アニッシュ・カプーアとのコラボレーションが早くも話題。
シモンの苦悩、人間への洞察がクローズアップされる美的で壮大な世界に期待が集まる。

指揮はイタリア・オペラへも情熱を注ぐ大野和士自らが当たる。シモンにはヴェルディ・バリトンとして世界を飛び回り、本年5月『リゴレット』で張りのある華やかな声と完璧な声楽テクニック、そして繊細にして段違いのスケールの表現でオペラパレスを熱狂させたロベルト・フロンターリが再び登場。宿敵フィエスコにはミラノ・ スカラ座をはじめ著名劇場でバスの諸役を務め、新国立劇場では <オペラ夏の祭典>『トゥーランドット』ティムールで感動を誘ったリッカルド・ザネッラート、シモンを裏切るパオロに22年新国立劇場 でのドン・ジョヴァンニ役のしなやかな表現で劇場中を魅了した実力派シモーネ・アルベルギーニと重厚な布陣。アメーリアにスター・ソプラノとして日本でもファンの多いイリーナ・ルング、そして恋人ガ ブリエーレには輝かしい声が持ち味のルチアーノ・ガンチが待望の登場を果たす。世界のオペラファン必聴必見の豪華歌手陣がこの秋の東京・新国立劇場に勢揃いするのも魅力。

海洋国家ジェノヴァに渦巻く恩讐と愛 相克と赦しの物語
ヴェルディ中期にあたる43歳で作曲し、24年後の大幅改訂で一躍成功を収めた『シモン・ボッカネグラ』の新国立劇場初演。
14世紀に 実在した初代ジェノヴァ総督シモン・ボッカネグラを題材とし、平民と貴族の抗争、親子や恋人の愛憎が入り組むドラマが力強い音楽で一気に展開。フィエスコの沈痛なアリア「引き裂かれた父の心は」、アメーリアのロマンツァ「暁に星と海はほほえみ」、シモンとアメーリアの 二重唱、ガブリエーレのアリア「わが心に炎が燃える」、シモンのモノローグ「慰めてくれ、海のそよ風よ」、そして緊迫した重唱や多彩な合唱 と聴きどころも満載。元海賊で名総督となるシモン(バリトン)、貴族階級で厳格な性格の宿敵フィエスコ(バス)をはじめ、ヴェルディならではの男声低音キャラクターの魅力が凝縮され、上演には盤石の歌手陣を必要とする作品。

大野和士芸術監督より。
2023/2024シーズンの新制作としまして、現在エクサン・プロヴァンス音楽祭の総監督である演出家ピエール・オーディを迎え、ヴェル ディの最後期の作品が生み出される先駆けとなった『シモン・ボッカネグラ』の新国立劇場初演を行います。主役のシモン・ボッカネグ ラにはロベルト・フロンターリ、娘アメーリアにはイリーナ・ルング、フィエスコには名バスのリッカルド・ザネッラート、アメーリアの恋人役 のガブリエーレにはルチアーノ・ガンチほか、世界の第一線の歌手が揃い、貴族社会と平民社会、それとボッカネグラとアメーリアの間 の親子の確執が、胸をえぐるような深い劇的な波となって皆さんの心に刻まれることでしょう。

「シモン・ボッカネグラ」あらすじ
14世紀の海洋国家ジェノヴァでは総督を巡り貴族と平民が激しく対立。元海賊のシモンは貴族のフィエスコの娘と恋仲になり娘をもうける が、離別させられる。25年後、総督になったシモンは死んだと思っていた娘アメーリアとの再会を果たす。シモンに対立する貴族ガブリエーレ を愛するアメーリアは、彼との愛を告白。シモンの腹心パオロも彼女との結婚を望むがシモンに拒まれ、野心に燃える彼はシモンに遅効性 の毒を注ぐ。パオロの仕掛けた毒が回ったシモンはアメーリアの恋人のガブリエーレを新総督に推し息絶える。

概要
新国立劇場 2023/2024 シーズン オペラ ジュゼッペ・ヴェルディ 『シモン・ボッカネグラ』
日程・会場:2023年11月15日(水)19:00/18日(土)14:00/21日(火)14:00/23日(木・祝)14:00/26日(日)14:00 新国立劇場 オペラパレス
※予定上演時間 約2時間45分(休憩含む)
指揮:大野和士
演出:ピエール・オーディ
美術:アニッシュ・カプーア
出演・配役
シモン・ボッカネグラ:ロベルト・フロンターリ
アメーリア(マリア・ボッカネグラ):イリーナ・ルング
ヤコポ・フィエスコ:リッカルド・ザネッラート
ガブリエーレ・アドルノ:ルチアーノ・ガンチ
パオロ・アルビアーニ:シモーネ・アルベルギーニ
ピエトロ:須藤慎吾
隊長:村上敏明
侍女:鈴木涼子

合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
芸術監督:大野和士
共同制作:フィンランド国立歌劇場、テアトロ・レアル
主催:公益財団法人新国立劇場運営財団、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
制作:新国立劇場
委託:令和 5 年度日本博 2.0 事業(委託型)
公演情報WEBサイト:https://www.nntt.jac.go.jp/opera/simonboccanegra/