自由劇場(東京・竹芝)にて、『ひばり』を上演、2012年以来、 約11年ぶり。日程は12月24日より`24年1月20日まで。
劇団四季は 1953年7月14日、20世紀を代表するフランスの劇作家ジャン・アヌイ、 ジャン・ジロドゥ作品の上演を目指して結成。
西欧演劇の正統的な流れを汲む 二人の作品のなかに、自分たちが求める理想のかたちを見出し、そこから日本における新しい演劇活動を展開していこうと考えたのが、その選択の理由であった。
あれから70年。四季は古典劇からオリジナルミュージカルまで幅広いジャンルの舞台を生み出し、年間公演回数は 3,000回を越えるようになった。しかし、活動の根底には 常にアヌイ、ジロドゥの理念が存在している。
作品は、英仏百年戦争時のフランスを舞台に、神の声によって祖国救済に立ち上がり、火刑台にやがて果てる少女ジャンヌ・ダルクを描いた台詞劇。
アヌイはこの中で、ジャンヌを“崇高な聖女”ではなく、“可憐で素朴な少女”として登場させている。一人の人間として苦しみ、妥協を拒んだ少女ジャンヌ。その運命を通して、人生の儚さとは何か、素晴らしさとは何かを見事に描き出している。
『ひばり』は四季にとっても原点と言える作品です。初演は創立4年目の1957年。このときの舞台の高い評価が、“劇団四季”の名を世間に認知させることに。以来、劇団の節目となる年には上演されるようになった。
浅利慶太が演出を手掛けた珠玉の作品、そして劇団の原点とも言える『ひばり』。創立70周年記念演目ラインアップの要の作品である。
物語
15 世紀初頭のフランス。英仏百年戦争の最中。国土の大半をイギリスに奪われていた フランスが、最後の砦と望みを賭けていたオルレアンの土地も今や風前の灯火。
のどかな片田舎ドムレミーの村で羊の番をしていた少女ジャンヌは、そんなある日神のお 告げを聞きます。「ジャンヌよ、フランス王を救いに行け。王国を取り戻せ」……13 歳のジ ャンヌにとって、それはあまりにも恐ろしい役目。ジャンヌは必死に辞退しますが神は聞き 入れず、その小さな肩にフランス王国の運命を背負わせるのでした。
ジャンヌの不思議な魅力と強い信念は、軍の隊長、そしてフランス王シャルル七世までを も魅了し、彼女の率いる軍隊はオルレアンの町を解放して連戦連勝。神の導きによって、 フランスの名誉を取り戻した少女は人々の賞賛を受けます。しかしその栄光も束の間、彼女 はイギリス軍の反撃を受けて捕らえられてしまうのでした。
宗教裁判の法廷に引き出されるジャンヌ。人間的愛情を否定する大審問官や現実への妥協 を勧める司教らの尋問に苛まれ、疲れ果てたジャンヌは一度は教会の裁きに服し、死刑を免れる道を選ぶのですが――。
概要
日程・会場:2023年12月24日(日)~2024年1月20日(土) 自由劇場
問合: 0570-008-110
公式サイト:https://www.shiki.jp