『影のない女』『コジ・ファン・トゥッテ』2作品9,10月上演

公益財団法人東京二期会は、ドイツのボン歌劇場との共同制作により、ドイツオペラを代表する名作リヒャルト・シュトラウス『影のない女』を2024年10月24日(木)から東京文化会館にて上演。
22年2月に予定していたが、コロナ禍の影響を受けて公演中止を余儀なくされ、その直後から公演実現にむけて準備を再開し、クラウドファンディングを実施し、この度、世界に先駆けて東京でワールドプレミエが実現。
また、フランスのシャンゼリゼ劇場ほかとの共同制作により、フランス最高峰のオペラ演出家ロラン・ペリーによる新制作モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』を、24年9月5日(木)から新国立劇場オペラパレスにおいて開催。

<影のない女>

『影のない女』は、ドイツオペラを代表する名作であり、これまで歴史的な“復活”を象徴するシーンで上演されてきた、祝祭色に満ちた大作。「アフターコロナ」の時代に突入し、舞台芸術、パフォーミングアーツの完全復活を象徴する公演にするべく、傑作『影のない女』を上演。

(c)Werner Kmetitsch

演出のペーター・コンヴィチュニーは1980年代から現在にいたるまで、革命的な手法でオペラを演出し、現代にも通用するリアリティをもったドラマとして、聴衆に常に新しい衝撃と感動を与えてきた世界的巨匠。東京二期会とは、2006年以来5演目を手掛け、必ず自ら来日して日本のキャストと1か月以上にわたる綿密な稽古を重ねることで、世界の他の劇場でも類をみないほどの完成度の高い舞台を作り上げてきた。『影のない女』は、コンヴィチュニーにとっても初演出となる作品。今回も、世界的巨匠が生み出す全く新しい舞台 「コンヴィチュニーの『影のない女』」 が誕生、世界が注目する今回のワールドプレミエになるはず。

東京二期会オペラ劇場公演、過去のコンヴィチュニー演出から(撮影=三枝近志)『皇帝ティトの慈悲』
『エフゲニー・オネーギン』
『マクベス』

東京二期会発行オペラ情報誌『二期会通信OPERA』最新337号に特集掲載中
https://nikikai.jp/items/nikikai_opera_337.pdf

指揮は、アルゼンチン生まれの英才で、ザルツブルク音楽祭はじめ欧州一流の歌劇場、音楽祭を席捲し、現在フランダース・オペラの音楽監督を務めるアレホ・ペレス。 東京二期会では、昨年宮本亞門演出『午後の曳航』に続いての登場。

コンヴィチュニーとも世界各地で協働を重ねているペレスですが、東京二期会でも18年『魔弾の射手』以来のタッグが実現。

東京二期会オペラ劇場『魔弾の射手』カーテンコールの様子

<コジ・ファン・トゥッテ>

東京二期会は、2024/2025シーズンのオープニングを『コジ・ファン・トゥッテ』で迎える。
『コジ・ファン・トゥッテ』はモーツァルト五大オペラのひとつと称される名作。「恋の絆の深さを証明するため、お互いの恋人を入れ替える」という、オペラ史上最も物議を醸した「恋愛実験」物語が展開。
今回は、いずれも東京二期会初となるシャンゼリゼ劇場、カーン劇場、パシフィック・オペラ・ヴィクトリアとの共同制作。フランス最高峰のオペラ演出家ロラン・ペリーによる新制作。

(C)Carole Parodi

ペリーは、パリ・オペラ座、ロイヤル・オペラ・ハウス、メトロポリタン歌劇場、グラインドボーン音楽祭等、主要な歌劇場、音楽祭で活躍するフランスを代表するアーティストのひとり。東京二期会には、21年に絶賛されたヴェルディ『ファルスタッフ』以来2度目の登場。本プロダクションは、22年3月シャンゼリゼ劇場でワールドプレミエを迎えた。ペリーの卓越したイマジネーションと、フランスらしい軽妙洒脱なセンスが随所に光る舞台は、オペラ未体験の方でも気軽に楽しめる作品。
東京公演の後、9月14日三重県総合文化会館大ホール、21日岡山芸術創造劇場ハレノワ大劇場を巡演。
指揮には、小澤征爾の薫陶を受け、現在欧州一流の歌劇場、オーケストラで活躍するクリスティアン・アルミンクが、3都市全公演に登場。

(C)ShumpeiOhsugi

その高貴な佇まいと流麗な音楽作りに加えて、その端麗な指揮ぶりから「貴公子」と呼ばれ、国内でも人気を集めるマエストロ。今年4月には、新たに広島交響楽団音楽監督に就任。今回、東京、三重では10年間音楽監督を務めた新日本フィルハーモニー交響楽団、そして岡山では今新たに率いる広島交響楽団との共演が実現。「永遠の貴公子」と謳われる世界のマエストロが、この秋、3都市でモーツァルトの極上の音楽を奏でることになる。

<東京二期会より>
オペラは音楽と文学と美術が融合したまさに「総合芸術」です。その壮大なスケールと美しいメロディは、聴く者の心を魅了し、感情を揺さぶる力があります。
単なる歌や演技ではなく、舞台や衣裳、照明など、すべてが一体となって物語が表現され、英雄の勇ましさや恋人たちの切ない想い、そして悲劇の結末まで、オペラは人間の感情を豊かに描き出します。若年層の方にとっては、オペラが古くて難解なものと思われることもあるかもしれません。しかし、実際に足を運び、舞台の一部となると、その魅力に一気に引き込まれることでしょう。オペラの世界は、躍動感にあふれ、繊細かつ力強い音楽が心を震わせます。その迫力に圧倒されながら、自分自身の感情が舞台と一体化する瞬間を味わってみてください。
愛や友情、人間関係の複雑さや困難さ、そして人生の喜びや悲しみなど、これらのテーマは若い方の心にも深く響くはずです。オペラは言葉や国境を超え、人々の心を結びつける共通の言語とも言えるのです。
オペラの舞台に参加し、壮大な音楽と感動的なストーリーに身を委ねてみてください。きっと、新たな世界や感動が広がることでしょう。オペラの魅力を知り、その美しさを存分に味わってください。あなたの心に、オペラが深く刻まれることを期待しています。

オペラ都市・東京から発信!オペラの魅力を伝える10デイズ「Tokyo Opera Days」開催
東京二期会は、昨年度に続き、文化庁が統括する「日本博2.0」事業として、本年10月18日(金)から27日(日)までの10日間、東京文化会館を中心にオペラの魅力を伝えるイベント「Tokyo Opera Days」を開催します。
アジアでは随一のオペラ公演の規模と質を誇る東京。その文化、観光的価値を国際的にアピールしつつ、オペラの裾野を広げて多くの方にその魅力に触れていただくことを目的としたイベントです。昨年も10月に開催し、伝説的オペラ歌手マリア・カラス展や映画上映、野外オペラやバックステージツアーなど様々な企画とメイン公演としてオペラ『ドン・カルロ』を上演し、7日間でのべ約15,000人のご来場者がありました。
今年は期間を10日間に延長。オペラ衣裳展、野外オペラ、ミニコンサート、トークショーなどさらにバージョンアップしてお贈りします。そして、オペラ『影のない女』公演は、Tokyo Opera Daysのメインイベント。まさに祝祭を締めくくるにふさわしい作品のワールドプレミエで、オペラの魅力を世界に発信します。

昨年開催の模様
昨年開催の模様
昨年開催の模様
昨年開催の模様

<東京二期会 2024/2025シーズン ラインアップ発表会レポ>

東京二期会 2024/2025シーズン ラインアップ発表会レポ

公式サイト:http://www.nikikai.net/index1.html