世界的な演劇の拠点であるロンドンのウエストエンド中心部に位置するチャリングクロス劇場は、150年以上の由緒ある歴史を持ち、オフウエスト エンドの中で今最も注目を浴びている劇場の一つ。若手脚本家で演出家の加藤拓也氏のオリジナル作品を梅田芸術劇場が英国チャリングクロス劇場と開発し、この9月から10月に掛けて同劇場にて上演される。
作品は、近未来のとある夫婦の物語。二人は大手ゼネコンで人類の月への移住計画という大プロジェクトで働いている。月に生まれる新しい 街で理想の人類の暮らしが始まる。スタッフとして、また、先駆者として 月へ移住する準備を始めている二人だが、ある問題が発覚する。それぞれの立場で悩みを抱える夫婦は、徐々に互いの不平不満が募り・・・。
観客を月と地球の異空間に誘いながら、生命の誕生という人智を超えた 領域に直面した時浮き彫りになる男女のテーマや人類が向かうその先を切り口に、鋭い台詞劇が描かれる。
コメント
加藤拓也
この秋に新作をチャリングクロス劇場で上演できることをとても楽しみにしています。これから地球から月へと住む場所が移り変わっても、人間は進化していないかもしれません。また平等からエクイティへと意識が移り変わっても、まだ現実には解決しそうにないことが沢山あります。これは少し未来の話に見えるかもしれませんが、 確実にそこまで来ている未来の、そして日本で働くカップルが持つプライベートな今の問題であり、それは人類が抱えている問題だとも言える、社会に流れ続ける母親神話に対する疑問を投げかけていく物語です。私たちの文化とまた違う文化との隙間から、新しい作品を産み出せるとワクワクしています。
概要
『One Small Step』
会期会場:プレビュー:2024年9月27日~9月30日/本公演:10月2日~10月9日 ロンドン・チャリングクロス劇場
作・演出:加藤拓也
企画・制作・主催:梅田芸術劇