平間壮一,多田直人,大東立樹,熊谷彩春,藤岡正明,霧矢大夢出演『無伴奏ソナタ-The Musical-』開幕

2012年に舞台作品として演劇集団キャラメルボックスが初演し、これまでに全国10か所、延べ5万人以上を動員し、圧倒的な評価を博した名作を初ミュージカル化、「無伴奏ソナタ-The Musical-」がサンシャイン劇場にて開幕。

ミュージカル版の脚本・演出・作詞を務めるのは、舞台版も手掛け、数々の演劇作品を生み出してきた成井 豊。音楽は、元ピアノロックバンドWEAVERのボーカルで現在はソロプロジェクトONCEとして活動している杉本雄治が美しく、多彩な楽曲の数々を書き下ろす。
音楽の天才として見いだされる主人公のクリスチャン役には、「RENT」、「ヴァグラント」、「テラヤマ・キャバレー」などの話題作に出演が続く平間壮一。そして、クリスチャンの生活を監視するウォッチャー役には、舞台版『無伴奏ソナタ』でクリスチャンを演じた多田直人(キャラメルボックス)、近年はドラマや舞台へと活躍の場を広げ今後の活動に注目が集まる大東立樹、「レ・ミゼラブル」に最年少コゼット役でデビューし、ミュージカル界を担う若手の1人、熊谷彩春、俳優だけでなく、コンサートや演劇の企画・脚本・演出も手掛ける藤岡正明、元宝塚歌劇団月組トップスターで、現在はミュージカル「ピピン」、「マチルダ」など圧倒的な存在感をみせる霧矢大夢らが出演する。

オープニングシーン。

主人公・クリスチャン(平間壮一)、真っ白な衣装、音楽を奏でる、歌う「争いを無くそう」と。クリスチャンの生活を監視するウォッチャー(多田直人)、全身黒ずくめ、黒い帽子、モノローグ。場面変わり、クリスチャンの両親、息子の検査結果を聞く。かなり能力が高いと言われ喜ぶ。優秀な息子、将来を期待する表情。音楽に関しては偏差値が90超え、もはや神童!だが、喜んだのも束の間、あまりにも優秀すぎて両親から引き離される。

クリスチャンの両親。能力のたかい息子故、引き離されてしまう。

専門の先生と手伝いが付くという。「真の芸術はゼロから生み出される」と言われる両親、逆らうと”逮捕”、政府の命令。こうしてクリスチャンは「メイカー」となり、森の中の一軒家に住むことに、社会、世間と隔離された閉ざされた場所。
時は流れ、ハウスキーパーのオリビア(霧矢大夢)は別の家へ行くように言われ、向かった先はクリスチャンの家。「メイカー」の家で働くのは名誉なことと言われる。

素直はクリスチャンが気に入るオリビア。
オリビアはハウスキーパー。彼女もまた職業を決められていた。

オリビアはクリスチャンが明るく素直なのでちょっとほっとするもクリスチャンに尋ねる。「教えてクリスチャン、あなたは幸せなの?」クリスチャンは答える「音楽があれば」と。外の世界を知らないクリスチャン、音楽をやってるのにピアノも知らない。そんなある日、30歳になったクリスチャンに謎の男(藤岡正明)が現れる、彼は一台のレコーダーを持っている。「君には欠けているものがある…これはバッハの音楽だ」そう言ってクリスチャンにレコーダーを渡す。

謎の男、手にしてるのはレコーダー。「これを聴け」。

悩むクリスチャン、レコーダーを聴いたら答えはあるのか…と。「音楽は僕の全て」とクリスチャン。だが、レコーダーを持ってることが発覚し、「法律違反」と言われ、「二度と音楽に関わるな」とも言われる。音楽が全てのクリスチャンにとっては辛い宣告、手錠をかけられてしまう。

その結果。。。

傍目から見ると辛い展開、だが、見方を変えるとここからクリスチャンの”人生の旅”が始まる。音楽を封印、自分が何者かも言わない日々。とある店に入る、明るいアメリカンテイストの店、気のいい店主・ジョー(藤岡正明)、かわいいウエイトレス・リンダ(熊谷彩春)。

明るい二人。

リンダお目当てとおぼしき若者がわちゃわちゃと。リンダはクリスチャンにアプローチしたり。だが、当のクリスチャンはピアノが気になる様子。だが、音楽に関われば、また罪に問われる。だが、そうとは知らないジョーはクリスチャンにピアノの弾き方を教える。恐る恐る弾いてみるクリスチャンだったが、すぐに覚えてしまい、しかも上手すぎる!

ピアノが上手すぎて。。
苦悩するクリスチャン。

バレたら大変、だが、彼にとっては音楽は全て、抑えられるはずもなく。彼のピアノのせいで客層が変わってしまい、店が潰れると心配したバーの店主が、彼がメイカーだと知らず「追い出してくれ」と政府に密告、ウォッチャーがやってくる「なぜ、命令に従わなかった?」と。またしてもキツい罰が。それを見たジョー、「俺だって、この店が潰れて無くなってしまったら生きていけないんだ」。

ギターを弾くギレルモ。楽しそう♪

過去を隠しても隠しきれないクリスチャン、次のぶどう農園でも素性を隠すもギターが上手いギレルモや働く仲間から早々にわかってしまう。音楽が自然に湧き出る、「人は幸せになるために生まれた」と歌う。彼の歌は皆を魅了、さらに歌がどんどん広まり、またしても……。


多彩な楽曲、そして主人公・クリスチャンの純粋さ、法により禁じられても抑えることができない音楽への想い、音楽を生み出す瞬間に光り輝くような表情を見せるクリスチャン。彼が生み出す音楽は人々を鼓舞し、感動させる。彼の音楽に触れた人々、ハウスキーパーのオリビア、カフェの店長・ジョーにウエイトレスのオリビア、ギターが好きなギレルモや歌に苦手意識を持つ農作業に従事する女性、そのほかの従業員、とにかくクリスチャンの音楽が大好き。その歌がどんどん広まる。

メイカーだったことは知られているクリスチャン。
寂しげな表情のクリスチャン。

音楽の力、クリスチャンの純粋な想い、「人は幸せになるために生まれた」というフレーズ、よく聞く言葉。作品タイトルの『無伴奏ソナタ』はバッハによる清書譜に1720年作と記されている。当時、ケーテンの領主に楽長として仕えていが、この曲集はその前のヴァイマール奉職期に着手されたと言われている。当地にて優れたヴァイオリンの名手と出会い、またバッハ自身もヴァイオリンを演奏することが義務付けられており、それらがこの曲集を手掛けるきっかけになったと言われている。クリスチャンの生活を監視するウォッチャー、彼は決して悪い人間ではない。

冷徹なくらいに職務に忠実。

ただひたすらに法律と自分の仕事に忠実なのである。法律は何のためにあるのか、人が幸せに生活を営んでいくはずのものが、クリスチャンはその法律によって音楽を奪われる。だが、彼の歌は広く広く広まっていく。クリスチャンの人生は幸せだったのか…。

吹っ切れた様子のクリスチャン。

平間壮一を始め、芸達者が揃った。平間壮一と多田直人以外は複数役を演じる。クリスチャン、音楽の天才、その彼が音楽を禁じられる、だが、それでも音楽は溢れ、人々が魅了されていく。最初に彼に投げかけられた質問「幸せなの?」幸福は人それぞれ、クリスチャンの人生はキツいかもしれない、それを「不幸」と人は言うかもしれないが、彼の音楽は人を幸福にした。彼が見た最後の景色は?そこは劇場で。東京公演は8月4日まで。大阪は8月10、11日。

ゲネプロ前に簡単な会見が行われた。
登壇したのは平間壮一・多田直人(キャラメルボックス) ・大東立樹・熊谷彩春・藤岡正明・霧矢大夢。初日を迎えるにあたり、平間壮一は「舞台は何作品もやらせていただいてますが、いつになっても初日前は初めて舞台に立たせてもらうみたいに緊張しています…準備はちゃんとしてたはずなのにどこか抜けているような心がぽかんとした気持ちですが、負けないように一生懸命頑張っていきたいです」と語った。また、他のメンバーは「お客様がどれだけ楽しめるか」「準備してきたものをちゃんと」「以前とは全く違う作品に…素敵な魔法をお楽しみに」と語った。
また主演の平間壮一は「どんな想いが皆さんに伝わるか、役を生きるしかない」とコメント。また舞台版でクリスチャンを演じていた多田直人は「舞台版とは違う作品に出来上がってるんじゃないかと。(舞台版観劇した方は)面食らうかもしれません」と語る。ここは多重に楽しめるポイント。大東立樹は「稽古期間は楽しかったです」と言い、平間壮一は「ハンバーガー食べたいとか言ってね、甘え上手だよねーー」と笑わせた。またここで大東立樹はギターの練習について触れ、なんと半年近く稽古をしたそう。そして「千秋楽までに藤岡さん(ギターの名手)のような手に(笑)」と笑ったが、藤岡正明は「びっくりしますよ、一番うまい!」と太鼓判。また稽古の様子については霧矢大夢が「さまざまな意見、デイスカッションしました」と語る。熊谷彩春は英語の歌に挑戦してるが「日本語の歌より得意」と自信をのぞかせた。また来年はキャラメルボックスは創立40周年。「これだけの歴史があって、人気があって!!初めてミュージカルに、すごい挑戦!僕は来年、キャラメルボックスに入ろうと」と言い、そこで多田直人が「困ります、こんな大型新人!!!」と制止する場面も(笑)。
最後に平間壮一が「挑戦し続けた稽古期間、楽しみにしています。今までテーマを決めてやってたのですが、今回、役を生きる…ぜひ楽しんで、”こういう作品もあるんだ”と。是非是非、劇場へ!」と締めて会見は終了した。

イントロダクション
もしも音楽の天才が、音楽を禁じられたら?
すべての人間の職業が、幼児期のテストで決定される時代。 クリスチャン・ハロルドセンは生後6ヶ月のテストでリズムと音感に優れた才能を示し、2歳のテストで音楽の神童と認定された。そして、両親と別れて、森の中の一軒家に移り住む。そこで自分の音楽を作り、演奏すること。それが彼に与えられた仕事だった。彼は「メイカー」となったのだ、メイカーは既成の音楽を聞くことも、他人と接することも、禁じられていた。 ところが、彼が30歳になったある日、見知らぬ男が森の中から現れた。男はクリスチャンにレコーダーを差し出して、言った。 「これを聴いてくれ。バッハの音楽だ……」

概要
原作: オースン・スコット・カード
翻訳: 金子 司
脚本・演出・作詞: 成井 豊
音楽: 杉本雄治
出演:
平間壮一 多田直人(キャラメルボックス) 大東立樹 熊谷彩春 / 藤岡正明
畑中智行(キャラメルボックス) 原田樹里(キャラメルボックス) 染谷洸太 西野 誠 町屋美咲 / 霧矢大夢
東京公演: 2024 年 7 月 26 日(金)~8 月 4 日(日) サンシャイン劇場
大阪公演: 2024 年 8 月 10 日(土)~8 月 11 日(日祝) 森ノ宮ピロティホール
企画・製作:ナッポスユナイテッド アミューズ
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】

公式サイト:https://napposunited.com/sonatathemusical/
公式X(旧Twitter):@mubansoumusical