笑ってw 笑って w 爆笑 www して、泣いて叫んで笑って叱られて もう、観客も大忙しの愉快な作品、韓国大ヒットミュージカル「神が僕を創る時」10月18日、日本初演を迎える。デジタル天上界・クラウドで人間を作る創造の神と、そんな神に立ち向かい、人生の払戻しを求める林らの物語が描かれる。日本語翻訳・訳詞を安田佑子、日本版台本脚色を川尻恵太、日本版演出は磯貝龍乎。本公演は2チーム、神役に真琴つばさ、グァンス(SUPERNOVA・超新星)。不運な男・林役を竹中凌平と高橋駿一が務め、世界の美しさを写真に収めようとする若空役に 渡辺みり愛と藍染カレン(ZOC)、林に足りないものをすべて持ち合わせて生まれ、豊かな人生を送る長井役は中山咲月とウゴン(TRITOPS*)がキャスティング。稽古真っ只中、神様役の真琴つばささんとグァンスさんのクロストークが実現した。
ーーまず、このお仕事のオファーを受けた感想は?神様役というのは人生でも最大の役のように思えます。
真琴:私は神様役って初めてなんですけど、グァンスさんは初めてじゃないんですって。
グァンス:そう、2回目です。初めて演じた神様は結構悪い神様だったので、今回ももしかしたらそういう見え方がするかもしれません(笑)。でも、自分が普段ではまったく想像もつかない存在ですので。すごくわくわくしています。
真琴:宝塚の卒業生で、神様っていうとある一定の方程式ができると思うんですけど(笑)。そこに“公務員のような”という要素が加わるとちょっとそれが面白いなと思いますね。
ーー神様なのに、天と地を創造……じゃなくてクラウドなんですよね。人間をノリで作ったような、そんな雰囲気も。
グァンス:そう見えますよね。でも決して力を抜いてるわけではないと思います。さきほど真琴さんがおっしゃったように、神様とはいえ人間らしくて、それこそ公務員みたい。それプラス人間に愛情を持っているんです。そんな中、ちょっとしたハプニングで、ノリみたいな人物も誕生してしまうわけですが(笑)。それでも、神様はいつも一生懸命なんです。人間を作ることに関してね。
真琴:もしかしたら、前にも創造の神様がいて。その神様が悪いことをしちゃって。で、私達が演じるのは何代めか後の神様で……ということもあり得ると思うんですけど、自分の代で何千回、何万回とそれが繰り返されるとちょっと気が抜けてしまうこともあるのかなと(笑)。神様が作るものって、本当に材料、種を植えただけで、その人の性格というのは周りの空気とか、見守る人とかで変わってくるものなのだろうな、と感じます。
ーーいろいろな風に捉えられますよね。”適当だ”と思う人もいるし、実はいいやつだなと思う解釈もできる。今回、Wキャストですけど真琴さんは女性、グァンスさんは男性。でも神様って性別ないですしね。
真琴:そう。私、今回やるうえで魅力的なのが、性別、年齢を問わないというところ。いちおう、韓国バージョンは神様を女性の俳優さんが演じているけど、日本バージョンは私と、グァンスさん。これはおもしろいぞ、と。
ーーWキャストで性別が違うのは珍しいですよね。しかも空気感も全然違うし。お互いの稽古を見てみて、どんな感想を?
グァンス:僕は、真琴さんに初めてお会いしたときから、稽古するまでは結構オーラがすごいなと思っていたので。
真琴:あら。もう、オーラがなくなってるってこと?(笑)
グァンス:(笑)。いえいえ、もちろん今もオーラがありつつ、チャーミングなところもあるんだなって。そこにすごくびっくりしていました。反対に、自分で演じる神様はちょっと強すぎるなあと感じるんですよ。「俺の神様ももっとチャーミングにならなくちゃ」と勉強させていただきました。
真琴:私もおんなじで、グァンスさんの神様かわいいなって感じたの(笑)。バシッと決めつつ、ぽそっと優しくセリフにしてたし。「うわあ、チャーミング、持って行かれた~」って思っていて。お互いがお互いを「足りない」って思ってたわけですね(笑)。
ーーこの神様はいろいろやらかすけれど、「これでいいんじゃない」と納得できちゃうところ、オトクな性格してるなあと思います。
真琴:現実世界的に、実は創造の神様ってやっぱり1人じゃとても回らないから、隣の扉の向こうで別の神様によって同じことが行われているような気もしてますね。私はこの地域担当、じゃあ私はこっちで、みたいな。で、この適当ぶりに、観ているお客様からは「私はなにで作られたの?」「そんな手抜きでいいの?」って疑問がわくかも……(笑)。
ーーちなみに、稽古は昨日までは歌稽古で、今日から動きのある稽古が始まったんですよね。
真琴:昨日はグァンスさんいなかったんですけど、共演者と合わせるのも音楽と合わせるのも初めてで、もう大変でした。一回も合わせたことないのに、突然合わせることになってびっくりです。
ーー歌っているほうは、いろいろな種類の楽曲があって大変そうだなと思いますけども。
グァンス:楽曲1つにつき、5曲分のボリュームが入ってるイメージ。曲が途中で変わったような気持ちになります。途中にセリフもあるし。そして、同じ曲名、同じ曲なのに場面が変わったら違うように聞こえる。新鮮な気持ちもありますね。
真琴:「M1(1曲め)終わったよね?」って言ったら「このあとまだありますよ」って(笑)。ミュージカルといえば、朗々と歌う印象を抱きがちですけど、今回そういうの、ほぼないんですよね。歌い上げるんじゃなくて、セリフの中に自然に歌が入っている感じ。
ーーほかのキャストさんについて、いちばん絡むのは“林さん”でしょうか。不運のアイコンみたいな。
真琴:竹中凌平さんと私、神様が“同じ材料を入れたな”と思うところがあって。彼はとてもピュアでまじめなところがあって。稽古でも通じ合うところが多くて親近感がわいてきます。
グァンス:僕は、まだ高橋駿一さんとお話する機会が少なくて。でも遠目から観察していたら、自分にちょっと似ているところがあるんだなと思いました。実際に稽古で合わせてみたとき、楽だったんですよ。初日でもう「阿吽の呼吸」なんだから、これからもっと合ってくると思います。
真琴:私もそれ、感じた。仕掛けたことに対して、彼もそれを受けてくれるし、向こうもちゃんと仕掛けてくれるし。
ーーこの作品は、結構共感できるところもありますよね。
真琴:ね。で、周りの人に当てはめて。
ーー最近、先天的に自分を取り巻く環境が決められてしまう「親ガチャ」って言葉も流行りました。
真琴:「親ガチャ」って韓国ではなんていうんでしたっけ。
グァンス:うーん、韓国は“金のスプーン(金持ち)”と“土のスプーン(貧乏)”っていうのがありますね。金のほうは生まれたときから恵まれているのに、土のほうは苦労ばっかり、という例えです。
ーーそれでは、最後にメッセージを。
真琴:この作品は、人間というのが経済力とか、美貌とか、忍耐力といったさじ加減で作られるというところから始まります。でも、そこだけではなく、人間の成長度合いも描いているんですね。なので見に来るというより、考える、しかもそれを楽しみに変えて「どうやって自分は作られたのか、そしてどうやってこれから生きてみようかな」と思うきっかけにもなります。そこがおもしろいし、自分探しもできるんじゃないでしょうか。この作品を観ると、全部が全部「神のみぞ知る」じゃないんだぞって思えてくるし(笑)。音楽もみんなでノれるものが揃っているので。一緒に参加していただきたいなって思います。あと、お客様がステージの中にいるような、舞台セットにも注目してほしいですね。
グァンス:誰もが共感できるストーリーだと思います。気楽に観られますしね。僕、日本のアニメが大好きなんですけど、どれもわかりやすく物語が描写されているじゃないですか。今回の作品はそれに結構近いんじゃないかなって。それに、僕が日本のアニメを好きな理由は、観終わった後にいろんなこと、人生のこととかや生き様とかを教えてくれるところです。だから、きっと御覧いただいたあとに、多くのことを感じられるんじゃないかと自信を持って言えます。みなさん、迷う必要ないです。僕のチームの公演、真琴さんチームの公演、両方楽しんでください!
ーーありがとうございました。公演を楽しみにしています。
イントロダクション
―初めに雲があり、神はそこで人間を創造した。そこの名は、クラウド―
神が人間を創造する時、デジタルシステムを使って材料を配合するとしたら?
人間が死んだら破壊ドライブへ送られ削除されるとしたら?
想像力とユーモア溢れるデジタル天上界「クラウド」。
人間創造に熱意を失った神。
神に立ち向かい人生の払戻しを求めるハヤシ(林)。
神すら忘れかけた世界の美しさを写真に収めようとするヤング(若空)
ハヤシが持っていない全てを手に入れ豊かな人生を送ったナガイ(長井)。
溌剌なアイデア溢れる舞台をROCK·POPS・R&Bなど耳に残る軽快なバンドサウンドで彩るミュージカル。ナンバー数はなんと全18曲!!
破天荒な反乱を夢見るキャラクターたちが繰り広げる人生払戻しバラエティ!!
概要
日程・会場:2024年10月18日(金)~10月27日(日) くみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
出演
神様 : 真琴つばさ / グァンス(SUPER NOVA・超新星)
アクサン : 竹中凌平 / 高橋駿一
ヨン : 渡辺みり愛 / 藍染カレン(ZOC)
ホサン / 削除マネージャー : 中山咲月 / ウゴン(TRITOPS*)
STAFF
・オリジナルスタッフ
作/作詞:ウォン・チェヨン
作曲:コ・ヒョンジョン
演出/台本協力:ピョ・サンア
音楽監督/メロディー編曲:キム・ヒウン
オリジナルプロダクション:(株)演劇列伝
・日本版スタッフ
日本語翻訳/訳詞 : 安田佑子
日本版台本脚色 : 川尻恵太
日本版演出 : 磯貝龍乎
音楽監督 : 宮﨑誠
振付/ステージング:結樺レイナ
歌唱指導 : 咲山類
企画プロデューサー&版権コーディネート : ウォン・ジヘ
プロデューサー : 石津美奈 / 松尾歩 / 吉成将
エグゼクティブプロデューサー : 東川真之
主催/企画/制作 : 「神が僕を創る時」製作委員会
「こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ提携公演」
公式サイト:https://kamiboku.com
クレジット
Book & Lyrics by Won Chaeyeon
Music by Ko Hyunjung
Book & Lyrics
Cooperation by Pyo Sanga
Orchestrations by Kim Hee-eun
Original Production by The Best Plays Inc.
取材:高浩美
構成協力:佐藤たかし