スタジオライフ公演『ヴェローナの二紳士』上演中

スタジオライフ公演『ヴェローナの二紳士』がウエストエンドスタジオで上演中だ。
数々のシェイクスピア作品を上演してきたスタジオライフが初めて取り組む 『ヴェローナの二紳士』は、シェイクスピアの第一作目とも言われている作品で『夏の夜の夢』や『十二夜』に出てくるシチュエーションが散りばめられており、シェイクスピア喜劇の出発点と言っても過言ではない。
秩序と調和の「コスモスチーム」と、混沌の「カオスチーム」のダブルキャストで上演。加えて日替わりゲストが登場する。
日替わりゲストには10年ぶりの劇団公演登場となる及川健をはじめ、ベテラン勢が登場する。観劇した日は曽世海司(山賊2)。
舞台は極めてシンプル、衣装も基本はシャツとスラックスという出立ち。女性役はスカート。

男が二人、ヴァレンタインとプローティアス。ヴァレンタインはミラノへ旅立つ。その旅先で美しい女性に出会う、名前はシルヴィア、ミラノ大公の娘、お嬢様。ヴァレンタインは真面目で恋にウブなところもあり、恋に落ちてシルヴィア一筋。ところが親友のプローティアスも後からやってきて、恋人ジュリアがいるにも関わらず、シルヴィアに出会い、一目惚れ、シルヴィアを手に入れるため、ミラノ大公に嘘を吹き込み、邪魔者のヴァレンタインをミラノから追放させる(なんて奴だ)。一方、ジュリアは恋人が心配で男装してミラノに。ヴァレンタインは追放されて、森で山賊に出会うもなぜか意気投合し…。この山賊とヴァレンタインの出会いのシーンは客席から笑いが。山賊2はゲストが演じるのだが、この日は曽世海司、終始テンション高く、しかも年齢設定が!幼稚園児か小学生か、という設定で、ここは物語と関係なく笑いの場面。劇団らしい息のあったところを見せてくれる。

『ヴェローナの二紳士』はシェイクスピアの初期の作品と言われているだけあって「これはあの作品の設定に似てる、展開が似てる」というのが随所に登場。男装はシェイクスピアの作品では”お約束”感も。また、恋でもつれる人間関係もシェイクスピアが得意とするところだ。そして細かい笑いを挟み込んで進行していく。俳優陣の個性も感じられる。カオス組、若い男性二人、ヴァレンタインとプローティアスがベテラン藤原啓児と楢原秀佳、何度も階段を駆け上がって”若さ”を(笑)、一途なジュリアは船戸慎士、登場した途端にちょっと笑いが、そしてシルヴィアは松本慎也、すごい身体能力を見せたあと、何事もなかったかのようにスカートを埃を落としたり。ミラノ大公はちょっと強面、カオス組と命名したのも頷ける。

現代の感覚ではちょっと「?」と思うところもあるが(400年前のイギリス)、シェイクスピアの人間に対する洞察力は第一作からしっかりと見える。また『ヴェローナの二紳士』の女性たちは他のシェイクスピア作品の女性たちと同じく脆弱ではない。プローティアスに言い寄られたシルヴィアの態度と言葉は力強い。休憩なしの1時間50分、スタジオライフらしい楽しい芝居、深いことは考えないで気楽に笑って観たい作品。公演は6日まで。

物語
ヴェローナに暮らす固い友情で結ばれた二人の紳士ヴァレンタインとプローティアス、そしてプローティアスの恋人ジュリア。ヴァレンタインは留学先のミラノで大公の娘シルヴィアと出会い恋仲となる。後からミラノへやってきたプローティアスも美しいシルヴィアに一目惚れ。一方、ジュリアは連絡の途絶えたプローティアスが心配で、用心の為に男装してミラノに向けて旅立つ。ヴェローナの二紳士と一人の乙女、そしてミラノ大公のモテモテ娘、一途な恋が入り乱れ、周りの人々を巻き込みながら混乱の渦を巻き起こしてゆく。果たして四人の若者の恋と友情の行方は・・・・
ヴェローナに暮らす固い友情で結ばれた二人の紳士ヴァレンタインとプローティアス、そしてプローティアスの恋人ジュリア。ヴァレンタインは留学先のミラノで大公の娘シルヴィアと出会い恋仲となる。後からミラノへやってきたプローティアスも美しいシルヴィアに一目惚れ。一方、ジュリアは連絡の途絶えたプローティアスが心配で、用心の為に男装してミラノに向けて旅立つ。ヴェローナの二紳士と一人の乙女、そしてミラノ大公のモテモテ娘、一途な恋が入り乱れ、周りの人々を巻き込みながら混乱の渦を巻き起こしてゆく。果たして四人の若者の恋と友情の行方は・・・・

日替わりゲスト
石飛幸治、笠原浩夫、及川 健、曽世海司、青木隆敏、関戸博一
※日替わり登場ステージは後日HPで。

概要
日程・会場:2024年9月27日〜10月6日 ウエストエンドスタジオ
※イベントについて詳細は HP で発表。
原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
上演台本・演出:倉田 淳
問合:Tel 03-5942-5067/Mail ticket@studio-life.com

公演HP https://studio-life.com/stage/verona2024/

舞台撮影:保坂萌