阿久根温世(ICEx) 主演 八神遼介, 芳賀柊斗, 近藤駿太 etc.出演 舞台『ソーセージ』開幕

シェイクスピアの作品の中で、最も短い戯曲『間違いの喜劇』を、ロックミュージックに彩られた現代的ドタバタ喜劇として蘇らせる舞台『ソーセージ』が銀座 博品館劇場にて開幕。架空の場所と時代に設定し直し、悲哀、苦悩、滑稽、歓喜、陶酔・・・人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させた原作の本質を浮かび上がらせた上演台本を新たに作成。

出だしは駒田一と陰山泰が台詞を。どこかの楽屋のような雰囲気で、加藤夕夏としゅはまはるみが鏡に向かって、手にはスマホだったり、扇風機(この猛暑に流行ったハンディタイプ)だったり。そして、歌、ショータイム!駒田一と陰山泰がショーマンシップ発揮の華やかなシーン、照明もキラキラ。それから物語が始まる。この『間違いの喜劇』、1594年以前に書かれたと思われる。元ネタは古代ローマの新喜劇『メナエクムス兄弟』で、双子の取り違え劇としてドタバタ調のお話。

とにかくシンプルに楽しめる。シェイクスピアだから、と言って難しく構える必要は皆無。そして歌唱シーンも多く、ロックなのでノリノリ。加藤夕夏、しゅはまはるみ、駒田一、陰山泰は複数役を演じるので、その演じ分けは見どころの一つ(アドリブも炸裂しそう!)。また、コロナ禍では封印されていた通路を使う演出もふんだんに。

1000マルク!!!!!

この戯曲、”お金”がポイント、1000マルク、現在では1マルク、83260円だそう。つまり、1000マルクは今の日本円にしたら83260000円、大金!お金だけでも大騒ぎ!上演当時はインフレで、お金の取引は切実。さらに双子、それも一卵性双生児が2組、幼少の頃、生き別れになった双子の兄弟アンティフォラスと、双子の召使いドローミオ。もはやややこしい(笑)、弟アンティフォラスが兄アンティフォラスに間違われるのが発端、しかも兄は成功者、既婚者、弟は召使いと共に生き別れになっていた兄を探すために街にやってきたのだから、基本的に街のことも、兄が結婚してることも全く知らない。

間違われるだけでなく、それで大騒動。どつきどつかれ、間違いがさらなる間違いや誤解を生み、もはや”ミルフィーユ”の如くに積み重なる。この大混乱はどう収まっていくのかが、見どころ。

 

 

基本、喜劇なので、ハッピーな結末はわかっているが、そのドタバタぶりがなんとも言えない面白さ。阿久根温世、八神遼介、芳賀柊斗、近藤駿太がメインキャラクターである双子を演じるのだが、阿久根温世&八神遼介の弟コンビ、芳賀柊斗&近藤駿太の兄コンビ、それぞれ同じグループ、同期なので、息のあったやり取り、また初舞台とのことだが、普段はグループ活動を行なっているので、基本的に舞台慣れしているが、演劇は初めて、その初々しさがキャラクターと重なる。ラストは処刑場(物騒な)、ここでドカンとハッピーに。そして作品タイトルの『ソーセージ』、食べるソーセージとは無関係なので(笑)。

 

なお、ゲネプロ前に会見が行われた。登壇したのは阿久根温世(ICEx)、八神遼介(ICEx)、芳賀柊斗(Lienel)、近藤駿太(Lienel)、上演台本・演出の鈴木勝秀。

阿久根温世「稽古が始まってからあっという間に本番、とにかく見てほしいなって思います」

八神遼介「僕にとって初めての舞台ですし、見ての通り、同期のグループのみんなと一緒にやらせていただくのでいろいろな思いもあります。初日全力で僕たちのお芝居を見せたら」

芳賀柊斗「ほぼ初めてで緊張しています。すごい時間をかけて練習してきたので、皆さんに120%で、伝えられるように頑張ります」

近藤駿太「初めての舞台で緊張しています。僕にしかできないことをこの舞台で見せれたな見せれたらなと思います」

鈴木勝秀「シェイクスピア見たら喜んでくれるかもしれないけど、シェイクスピア研究から見たら、ふざけんなよっていうぐらいくだらなく作ってあります。見ていくといろんなところにいろんなヒントが隠されていて、さすがシェイクスピアだなと思わされられるようなところがあります。一番年上の陰山さんが68歳、年齢差がすごい中で、みんな和気あいあいとやってきましたので、楽しい舞台になってると思います」

また、グループを飛び出しての舞台、阿久根温世は「本当にダンス歌でしか見てこなかったメンバーなのですごく新鮮ではあります。なんか珍しすぎて…特別すぎる機会を作っていただき、楽しみ、全力で向き合いたいなと」語り、八神遼介も「同じグループですが、お芝居は見たことなかったので、新鮮な気持ちで稽古して来ました。いい感じになってると思います」と語った。芳賀柊斗は「緊張はしてますが、同じグループなので安心していました。助けてもらう部分もあったんで、本番を迎えるにあたり安心して臨めるのかなと思ってます」と同じグループならでは。近藤駿太は「今まで、歌、ダンス、パフォーマンスしかやってこなかったので、稽古中や楽屋でも、ちょっと知らない部分だったりとかが見えたりとかして面白かったです」
また、双子という設定、鈴木勝秀は「全然似てない」と笑わせる。「似てるところは緊張しいなところ。また、芝居なので、しゅはまさんは加藤さんより27歳ぐらい上なのに妹役やってます」とのこと。しゅはまはるみの妹っぷりは必見。
最後にPR。

阿久根温世「ストーリーは鈴木勝秀さんが言ってる通り、すごく笑えるし、演出もすごく凝ってて、皆さんが飽きずに最後まで楽しんでいただけるような作品になっています。ぜひ気軽に、本当に楽に見ていただけたらなと思いますので皆さん、見ていただけたら嬉しいです。」

八神遼介「舞台ってどういう感じなんだろうなって思ってて…すごい楽しくて…見ていただける方もみんな楽しめるすごいいい作品になってると思います。のたくさんの方に見ていただきたいなと思います」

芳賀柊斗「初めての舞台、貴重な経験。飽きずに観れる瞬きせずに観ていただけたら。気軽に楽しく観れる舞台です」

近藤駿太「ストーリー自体、面白くて笑えるところがたくさんあります。初めてなので、セリフが飛んじゃうかもしれない…頑張りますが、初舞台ならではということで」

鈴木勝秀「意外にベテランの俳優陣がもう駒田さんとか『もう、一体何やってるんだろうか?』ってわからなくなるぐらい、役じゃないところも…アフタートークの司会もするので。ベテラン俳優たちの底力も、大きな見どころの一つです。若者たちとベテランたちがどう融合してるのか、ぜひ見ていただきたいなと思います」

あらすじ
シラクサの商⼈・イジーオンには、双⼦の息⼦と双⼦の使⽤⼈がいた。しかし息⼦が幼いころ、妻と兄、使⽤⼈の兄とは⽣き別れてしまった。弟アンティフォラスは、⽗イジーオンとともにエフェソスの地を訪れる。兄アンティフォラスを探すために。
当時シラクサとエフェソスは対⽴関係にあった。⽗イジーオンは不法侵⼊の罪で逮捕勾留される。1000マルクの罰⾦を⽀払うか、さもなくば死刑に処せられることになった。公爵ソライナスは、イジーオンに保釈⾦を集める猶予を1⽇だけ与える。
弟アンティフォラスは、使⽤⼈弟ドローミオと共に、兄アンティフォラスを探してエフェソスを歩き回る。⼀⽅、兄アンティフォラスは、⽗弟と⽣き別れた後、使⽤⼈兄ドローミオとともにエフェソスで成功し、エイドリアーナと結婚し⽣活していた。
弟アンティフォラスが、町の成功者である兄アンティフォラスに間違えられたことを発端に、間違いが間違いを⽣み、ついには、兄アンティフォラスが逮捕されてしまう。処刑場で、⽗イジーオンとアンティフォラス兄弟は再会を果たす。
さらに、エフェソスの尼僧院⻑がアンティフォラス兄弟の⺟エミリアだったことが判明。公爵ソライナスの許しも得られて、家族の再会を祝って祝宴が開かれる。

概要
タイトル:舞台『ソーセージ』
会期会場: 2024年10月10日(木)~ 10月27日(日) 銀座 博品館劇場
上演台本・演出:鈴木勝秀
音楽:大嶋吾郎
出演:阿久根温世(ICEx)八神遼介(ICEx)芳賀柊斗(Lienel)近藤駿太(Lienel)
加藤夕夏 しゅはまはるみ/ 駒田 一/ 陰山 泰

オフィシャルHP:https://so-se-ji.jp/