
軽妙洒脱なストーリー展開と軽やかな声の妙技が楽しい、ロッシーニ随一の人気オペラ。ロッシーニ・クレッシェンドで盛り上がる序曲、「私は町の何でも屋」「今の歌声は」などおなじみのナンバーにのって、箱入り娘ロジーナと伯爵が理髪師フィガロの大活躍で結ばれる恋物語。カラフルでポップなケップリンガー演出はユーモアいっぱい。
ヒロイン・ロジーナ役には、世界のロジーナ歌いとして活躍する脇園彩が、2020 年公演に続いて登場。オペラパレスを沸かせに沸かせた脇園の溌溂としたロジーナが、さらにスケールアップしてカムバック。アルマヴィーヴァ伯爵には、世界最人気のベルカント・テノールのローレンス・ブラウンリーが 21 年『ルチア』以来のカムバック。そしてフィガロ役にバリトンの大スター、ロベルト・デ・カンディア、バルトロには実力派ロッシーニ歌手ジュリオ・マストロトータロが登場するというイタリア・オペラ最高の顔合わせ。世界中のオペラファンがうらやむ最強カンパニーが、声の妙技を繰り広げる。
ケップリンガー演出は、1960 年代後期のフランコ政権時代のスペインが舞台。60年代のポップでキッチュな空気を、800 種にも及ぶ小道具が埋め尽くすカラフルな美術で表現。社会変革期の“熱い”市民の勢いを背景に設定、権力と不道徳の絶妙なバランスのもとでコメディを練り上げた演出は、ユーモアいっぱいでスピーディー。
見た目もお金も大事なロジーナ、ちびっこギャング団を従えたフィガロ、娼館を営む家政婦ベルタら、したたかでちょっとずる賢くリアルな登場人物が、抱腹絶倒を約束。
あの手この手でロジーナに近づこうと奮闘する伯爵とフィガロが何度も変装して作戦を遂行、ぐるぐる回る舞台を駆け巡りついに結ばれるオペラ『セビリアの理髪師』は、笑いに次ぐ笑いを誘い、洒脱な音楽と人間の妙味が人生の喜びをじんわり実感。
オペラが初めての方、「『セビリアの理髪師』は序曲しか聴いたことがない」という方でも文句なく楽しめる、新国立劇場鉄壁のレパートリー。
物語
アルマヴィーヴァ伯爵は、町一番の美人ロジーナに一目惚れ。しかし、財産目当てでご執心の後見人バルトロのせいで、ロジーナはアプローチ不可能の箱入り娘状態。
そこで伯爵は、お金さえもらえれば散髪から身の上相談、恋の仲介、手紙の代筆まで何でもする町の便利屋フィガロに助けを求める。あの手この手でバルトロ家に侵入し、伯爵の想いはロジーナに伝えられるが、大混乱を巻き起こす。フィガロの機転でピンチを脱し、すったもんだの末ハッピーエンドで幕となる。
新国立劇場『セビリアの理髪師』ダイジェスト映像
概要
日程・会場:
2025 年 5 月 25 日(日)14:00/28 日(水)14:00/30 日(金)18:30/6 月 1 日(日)14:00/3 日(火)14:00 新国立劇場 オペラパレス
指揮:コッラード・ロヴァーリス
演出:ヨーゼフ・E.ケップリンガー
美術・衣裳:ハイドルン・シュメルツァー
再演演出:上原真希
出演
アルマヴィーヴァ伯爵:ローレンス・ブラウンリー
ロジーナ:脇園彩
バルトロ:ジュリオ・マストロトータロ
フィガロ:ロベルト・デ・カンディア
ドン・バジリオ:妻屋秀和
ベルタ:加納悦子
フィオレッロ:高橋正尚
隊長:秋本健
アンブロージオ:古川和彦
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
芸術監督:大野和士
公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp/opera/ilbarbieredisiviglia/
新国立劇場『セビリアの理髪師』2020 年公演より
舞台撮影:寺司正彦