
ミュージカル『インサイド・ウィリアム』が開幕。
誰もが一度は触れたことのあるシェイクスピアの作品を、コメディー&ロマンス満載で現代の価値観に重ねながら描かれたミュージカル。
また、セリフの50〜60%をシェイクスピア作品から使われており、聞き馴染みのある名台詞が歌詞や物語のセリフとなって彩り、これまでになかった新鮮さに加えてシェイクスピア作品の引用で文学的な豊かさが加わった、クセになる大ヒットミュージカル、全18公演、全て異なるキャスト組み合わせとなる。


冒頭、この物語のキーマンであり、今では知らない人はいない大作家・シェイクスピアが登場、場所は彼の書斎。名作を生み出すべく、執筆に勤しむ。とにかく世に残る作品を書きたい、名作を!と意気込む。そのためには…努力を惜しまない…マニュアル本を熟読(笑)。今や世界中で上演されている「ハムレット」と「ロミオとジュリエット」の執筆真っ最中。そこへ!突風が!原稿がバラバラに吹き飛ばされ、めちゃくちゃに。ここまで怒涛のようなスピード感で、歌、芝居、で綴られる。そこへ!またまたよく知られた人物たちが「?!」な状態で舞台上に飛び出す。ハムレット、ロミオ、ジュリエット、この3キャラが同時にいることは……多分、このミュージカルだけ(笑)。原稿がグジャグジャになったので、彼らのセリフも「え?」。



彼ら、我々がよく知ってるキャラとは少々、いや、だいぶ違う。ハムレットは詩が好き、かなりのロマンチスト、ジュリエットは闊達で剣を振り回すのが好きらしい。ロミオはとにかく、何がなんでも主役じゃなきゃ納得できないキャラに。この”キャラ変”がポイント。



彼らを生み出した作家であるシェイクスピアはとにかく元に戻したいのだが、彼らは自由にやりたい、決められたキャラではなく、本来の自分でいたい。このカオスな状況は時には「ふむふむ」と共感したり、あるいはちょっとクスッと笑えたり。ジュリエットとハムレットが絡んだり、あるいはハムレットとロミオが一緒になったり、ジュリエットはロミオに剣を向けたり(ロミオ焦る)。細かい笑いを散りばめつつ、セリフの半分以上はシェイクスピアの戯曲からピックアップ、本来のシーンも思い浮かべつつ、実際に繰り広げられている場面と比べるのも一興。



そして原作を知らない観客は「本当はどんな場面なのか」と興味を持てるに相違ない。シェイクスピアはとにかく原稿を丁寧に拾って元通りにしたい、その過程、だんだんとカオスな状況がクリアーになっていく。その先に見える景色は?そこは劇場で。なお、同じ組み合わせはほぼ無し、キャストによって空気感も変わるので、お時間ある方は複数回見ると面白い。



楽曲も多彩だが、難易度も高い、特に4人の歌唱シーンが複数回あるが、かなり激ムズ、ここは歌稽古の成果が!
公演は23日まで、三越劇場にて(デパ地下には有名店多し)。
ゲネプロ終了後、簡単な会見が行われた。キャスト全員が登壇。ゲネプロではシェイクスピア役は平野良、ロミオ役、橋本祥平、ジュリエット役は岩田陽葵、ハムレット役は宮島優心(ORβIT)。
・今の気持ち。
平野良「稽古してゲネプロ終わって初日(笑)、毎回(キャスト組み合わせが)変わりますので!」
橋本祥平「歌稽古やって、長く関わってきたので思い入れがあります、楽しみです」
岩田陽葵「お客様が入られてどう受け取っていただくか、ワクワク、ドキドキ。10人で一丸となって千穐楽まで繋いでいきたい」
宮島優心「素敵な言葉が散らばっています」
・役変わりについて
鍵本輝「魅力しかない。10人それぞれ、一人ひとり違ってて、組み合わせも毎日変わります、毎公演少しずつ味が違います」
舞羽美海「舞台上のエネルギーが全然違うものになります。とんでもないことになってるので何回でも楽しめます」
見どころ・魅力
大澤駿弥「三越劇場は歴史ある劇場、2階のバルコニー、客席を使う演出もあります」
吉宮瑠織「音楽が素晴らしくて!生演奏が魅力、目がいくつあっても足りない」
野嵜豊「生演奏、お芝居、歌、生ならでは、ダンスもあります」
磯野亨「皆さんが言ってくださった通りです。組み合わせが違うので、複数公演見に来て欲しいです」
また、三越劇場ということで平野良は「劇場を出ますとお高いお皿が……それに負けないお芝居を」と言い、鍵本輝は「時を経て今の時代にも合う、なりたい自分になる、何も考えない、(そのままの)自分でいい、それが伝わったら」とコメント。また、芝居の作り方として続けて「お芝居の作り方は人それぞれ、アイディアがバンバン出てくる、良くんがチャールストン、でも僕も譲れない(笑)」平野良は「難しいという感覚はない。組み合わせで全然違う、全員生まれてきてありがとう(笑)」また、橋本祥平は「一つの役をみんなで作り上げる」Wキャスト、トリプルキャストならでは。岩田陽葵は「同じ曲でも受け取る気持ちがみんな違う、受け取ったものを返す、毎回新鮮な気持ちです、みんなで楽しく」とコメント。宮島優心は「Wキャストは初めてで楽しかった。稽古場は来る人が毎日違う、楽しい気持ちで稽古できました」と語り、舞羽美海も「相談できたし。エネルギーが全然違う」と語る。大澤駿弥は「ミュージカルは初めて、役作りからご指導いただいて、学びある稽古期間でした」としみじみ。吉宮瑠織は「ジュリエットお二人は先輩、不安だったけど、優しくって。お菓子とかのど飴とかも」とコメント。野嵜豊は「すごい方々と共演」とちょっと恐縮気味。磯野亨は「トリプルキャストは初めて、困ったことは3人で話し合いました」と複数キャストならではの長所も。
ここで時間となり、会見は和やかに終了した。
物語
シェイクスピアは世界的な名作の誕生を夢見て「名作、これさえ守れば書ける!」 というマニュアル本に従いながら、父親の復讐に成功した王子「ハムレット」の物語や、家門の反対を乗り越え愛を成し遂げる「ロミオとジュリエット」の物語を執筆していた。
執筆活動に没頭し、エキサイティングな話を書き進めていると、突然爆風が吹き付けてきて2つの原稿が飛び散り作品がごっちゃ混ぜになってしまった。
混ざりあった原稿をかき集めるシェイクスピア。ふと気配を感じると、なんとそこには物語の中のキャラクターであるハムレット、ロミオとジュリエットの三人が飛び出していた。
復讐より詩を書きたいハムレット。
愛より剣を愛するジュリエット。
ジャンルを問わずいつでも主人公でいたいロミオ。
この主人公たちを元の物語に戻して名作を誕生させたいシェイクスピア。
作家と世の中が望む結末の代わりに、“それぞれが望む結末“を探し出そうとする彼らは、自分だけのパラダイスを見つけることができるのか?!
たとえ名作の主人公でなくても、“自分の物語”の主人公になることを望む姿を通じて、「インサイド・ウィリアム」は“特別でなくても十分に価値のある人生”の意味について朗らかに歌う。
概要
公演タイトル : ミュージカル「インサイド・ウィリアム」
日程・会場:2025年3月13日(木)〜3月23日(日)18回公演 三越劇場
チケット料金 : 全席指定 ¥11,550(チケット代¥10,500+税)
出演
シェイクスピア役 : 平野良 / 鍵本輝(Lead)
ロミオ役 : 橋本祥平 / 野嵜豊
ジュリエット役 : 岩田陽葵 /舞羽美海 /吉宮瑠織
ハムレット役 :宮島優心(ORβIT) / 大澤駿弥(ORβIT) / 磯野亨
韓国オリジナルスタッフ
作・作詞:キム・ハンソル
作曲・編曲:キム・チヨン
製作:演劇列伝
日本版スタッフ
日本語翻訳/訳詞 : 安田佑子
日本版台本/演出:西森英行
音楽監督 : 宮崎 誠
公式ホームページ : https://inside-william.com/
公式X : @inside_William
公演に関するお問い合わせ先 : inside.william.info@gmail.com
Ⓒ『ミュージカルインサイド・ウィリアム』製作委員会
Book & Lyrics by Kim Han Sol 김한솔 キム・ハンソル
Music & Arrangement by Kim Chee Young 김치영 キム・チヨン
Original Production by The Best Plays Inc. ㈜연극열전 (株)演劇列伝
企画・製作 : インサイド・ウイリアム製作委員会