イギリス発、自然と動物たちの賛歌、環境をテーマにしたダンス×アニメーション。 アクラム・カーン『ジャングル・ブック』開催@愛知県芸術劇場 大ホール

イギリス発、自然と動物たちの賛歌 環境をテーマにしたダンス×アニメーション アクラム・カーン『ジャングル・ブック』、6月上演。
キプリングの名作をアクラム・カーンが再解釈 自然と動物たちへの愛と畏敬の物語本作品の世界ファイナル・ツアーとなる。

気候変動により海が陸地を覆いつくし、人々は生き延びるため次々と祖国を去っていく。不穏な同盟を結びながら、動物たちが縄張りを張る荒れ果てた街。そこにたどり着いたのは家族と引き裂かれた一人の子どもだった。「モーグリ」と名付けられ、動物たちと暮らす少女は、ジャングルと化した世界で何を見つめ、どんな決断を下すのか――。

AnimationExports:YeastCulture
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(C)Camilla Greenwell
(C)Camilla Greenwell
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世界中で愛されるジョセフ・ラドヤード・キプリングによる『ジャングル・ブック』。主人公モーグリを10歳で演じたこともある(ピーター・ブルック『モーグリの冒険』)世界的振付家アクラム・カーンが、再び物語と対峙し、独自の解釈で舞台化。言葉から紡がれる豊かなダンス、舞台に命を吹き込むアニメーション、そして雄弁に語る音楽に誘われ、人と動物、そして自然――この地球に共に生きる全てのものたちが声を上げる。不確かな時代に生きる私たちが、未来へのバトンを渡すために今何ができるのか。アクラム・カーンがおくる私たち自身の物語。

アクラム・カーンより
なぜ?―――
『ジャングル・ブック』の物語は常に私にとって身近にありました。若い頃、インドの舞台でモーグリの役を演じたからだけでなく、むしろ物語に秘められた3つの深い教訓のためです。種族間の共通点、人間・動物・自然の相互依存、そして最後に、家族――つまり私たちはどこかに属する必要がある――という教訓です。
私たちは今、これまでにない未曽有の不確かな時代を生きています。私たちの種族だけでなく、この惑星のすべての種族にとって。このジレンマの根本的な原因は、私たちが私たちの家、つまりこの惑星とのつながりを忘れてしまったからです。私たちは皆、ここに住み、ここから吸収し、ここに生活を築いています。でも、そこに敬意を返すことを忘れてしまいました。より明るい未来のためには、草の根から変化を起こさなければならないと信じています。そのため、私は『ジャングル・ブック』として愛されている物語を、すべての文化の子どもたちや大人たちと共有する使命を感じています。私たちの種族が忘れてしまったことを、再び学ぶために。そして、私はこの物語を伝え、最も力強く心に到達できる方法は、ダンス、音楽、そして劇場の魔法を通じてであると信じています。

何を?―――
この舞台では極めて独自な解釈で、ジョセフ・ラドヤード・キプリングの原作を辿ります。ですが、モーグリと原作の物語の主要キャラクターたちが、この新しいバージョンにも登場します。そしてオリジナルの音楽が寄り添います。

どのようにして?―――
私は原作に含まれる深いメッセージを非常に強く意識しています。そのメッセージの強力さと今日の世界との関連にも気づいています。そして、常に言葉の前に行動が来ると信じています。そのため、この作品の製作においては、気候変動の問題に対して直接的な行動を取ることに決めました。気候変動は美しいこの惑星に住むすべての生き物に影響を与えており、これからも影響し続けるでしょう。では、身軽に旅ができるように、より少ない舞台装置で作品を創るにはどうしたらよいか? ロックダウン以降、以前とは異なるやり方で、私たちはテクノロジーを利用しています。テクノロジーはシンプルに、愛する人々や芸術家チーム、そして広い世界とつながることを可能にしてくれました。テクノロジーを使わなければ、私は本当に孤独に感じていたでしょう。『ジャングル・ブック』の再構築版では、舞台はほ
とんど空っぽです。伝統的な舞台装置はありません。テクノロジー、つまり映像プロジェクションを舞台美術として用いることで、それを実現しました。
私たちは、しばしば最も単純な道具で素晴らしい物語を語ることができることを忘れてはなりません。私たちの体、私たちの声、そしてその物語への確信。
―――アクラム・カーン

概要
日程・会場2025 年 6 月 28 日(土)16:00 開演 愛知県芸術劇場 大ホール
※ 客席開場は開演の 30 分前
※ 上演時間:約 2 時間 10 分(休憩 20 分含む)予定
※ 英語上演・一部日本語字幕有
主催:愛知県芸術劇場
後援:ブリティッシュ・カウンシル

ツアー公演
埼玉
日程・会場:2025 年 6 月 20 日(金)19:00、21 日(土)14:00、22 日(日)14:00 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

公式サイト:https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/detail/20250628.html