セルヒオ・ブランコによる衝撃作『カサンドラ』日本初公演

セルヒオ・ブランコの作品のなかで、最も上演回数の多い『カサンドラ』が、7月18日から20日に、学芸大学駅徒歩1分の千本桜ホールで日本初上演。
3年前に神奈川芸術劇場(KAAT)で日本初演された『テーバスランド』の作者の新たな作品で、現代に甦ったギリシャ神話に登場するトロイの王女カサンドラが人生について語るストーリー。ブランコの作品を翻訳しつづけてきた仮屋浩子が、ParaCollage.の安本達也の演出とともに、この一人芝居をはじめて演じる。
現代スペイン語圏演劇を代表する劇作家の一人であるセルヒオ・ブランコ(ウルグアイ出身、フランス在住)によって書かれた本作は、2010年モンテビデオ(ウルグアイ)での初演以降、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアで上演されつづけています。日本では今回が初の公演となる。

今回の企画について
『プラムの熟すとき』(A. バルガス)をはじめ、ラテンアメリカ演劇作品の上演を手掛け、セルヒオ・ブランコの戯曲の翻訳を続けてきた俳優、仮屋浩子が本作品に挑みます。演出は、鋭い視点をもち、とりわけヨーロッパ現代演劇における俳優トレーニングや演出に精通している安本達也(ParaCollage.主宰)。共演者としての過去を共有する二人が、今回は演者・演出という立場で『カサンドラ』に取り組んでいます。
なお、作者の意向により、いかなる言語圏でも本作品の上演言語は英語と定められておりますが、日本語話者にも内容が理解できるよう演出されています。また、作中には暴力描写、過激な性的描写、薬物使用、死や悲しみ、トラウマを暗示する表現が含まれます。

セルヒオ・ブランコとは
モンテビデオ(ウルグアイ)出身、パリ在住の劇作家・演出家です。オートフィクション、そして作者、登場人物、俳優の交わるところにフォーカスをあてた彼の作品は、15カ国語以上に翻訳され、30カ国以上で上演されています。日本では『ナルキッソスの怒り』と『テーバスランド』が翻訳出版され、後者は神奈川芸術劇場(KAAT)で上演されました。
この二作品以外に代表作として『カサンドラ』、『デュッセルドルフの唸り』、『私の墓を君がまたぐ時』、『Tráfico』、『動物園』、『告白』、『大地』などがあります。

あらすじ
物語は、現代に甦ったトロイの王女カサンドラ(仮屋浩子)がつたない英語で観客に語りだすところから始まります。先見の能力を神アポロンに与えられたその直後、その予言を誰も信じなくなるという呪いをかけられたため、カサンドラの真実のことばは誰にも届きません。それでも、彼女は語り続けます。時にはジョークを交えて、悲観することなく、家族のこと、ギリシャ軍に滅ぼされたトロイのことを、そのなかで驚くべき彼女の生と性が明かされていきます。

劇世界
カサンドラは単なる神話の登場人物ではありません。異国に渡った作者の経験、そして今も続く紛争や移民問題が、故郷を離れ、言葉が通じず、声が届かないという彼女の孤独と重なります。どうか、その彼⼥の⾔葉に、⽿を傾けていただければ幸いです。きっと、いまの私たちの現実とどこかで響き合うはずです。

概要
演題 カサンドラ
日時会場:千本桜ホール
7月18日(金) 14:00★ / 19:30
7月19日(土)13:00 / 18:00★
7月20日(日) 13:00
★…アフタートーク(30分)
作 セルヒオ・ブランコ(www.sergioblanco.fr)
演出 安本 達也
出演 仮屋 浩子
音響 こばやしかな
照明 伊澤玲 竹内真菜
制作 ParaCollage. 仮屋 浩子
主催 ParaCollage.
共催 仮屋 浩子
後援 ウルグアイ東方共和国大使館

問合:paracollage.theatre@gmail.com
公式サイト:https://paracollage.com/kassandra