
昨年、惜しくも上演中止となった『ザ・ポルターガイスト(The Poltergeist)』が、
新キャスト・村井良大を迎え再始動する。
残酷さと美しさが同居する独特の世界観が特徴のフィリップ・リドリー作品を、舞台で一人の俳優が11人の登場人物を演じ分けることによって、
主人公・サーシャと、彼を取り巻く家族や人々との微妙な距離感、心の揺れ、葛藤を、濃密でスリリングな会話劇として、繊細かつ色鮮やかに浮かび上がらせる。
コメント
村井良大
この仕事を始めてもうすぐ 20年。『ザ・ポルターガイスト』という初めての一人芝居は、まさに“自分の芝居の総決算”のような感覚です。僕は一人芝居の元祖は落語だと思っているんですが、そういうものも勉強しながら、今回、演出の村井雄さんと一緒にしっかりとした一人芝居を作れることがすごく嬉しいです! 10人以上のキャラクターが登場する中、メインで演じるサーシャは天才肌であるが故に少しねじまがってしまっている状態…なのかな? まだまだ解読中ですが、演出の村井さんは一人芝居を作るのに慣れてらっしゃるので頼もしいですし、パフォーミングアーツ的な作り方をされているところもすごく勉強になっています。「いろんな役を演じるけど、全部村井良大でもいいよ」の言葉を信じ、本当に“一瞬の体験”のような…ある意味、想像力のテーマパークのような、そんなフレッシュな感覚で楽しめる作品にできたらいいですね。新しい世界、まさに自分との戦いです。
上演台本・演出 村井雄
コロナ禍で執筆された本作には、ソーシャルディスタンス等による他者との隔絶によって、より深く自らを見詰め始め、そして追い詰め始めた私たちの姿が描かれている。
主人公サーシャのとある一日を客席で見詰めながら、追い詰めながら、退路を断たれた私たちもまた、サーシャ同様、その答えに辿り着くのかも知れない。
STORY
10代で描いた大規模な壁画が話題を呼び、将来を期待された若き画家・サーシャ。
アート界に旋風を巻き起こすはずだった。
しかし今では世間から忘れ去られ、古びたアパートで俳優志望のパートナーと静かに暮らしている。
輝かしい成功を手にするはずだったのに・・・
そんな思いを抱えたまま迎えた、姪の5歳の誕生日。
久しぶりに顔を合わせた家族や旧知の人々との何気ない会話。
記憶の食い違いや過去の栄光、無神経な言葉の数々が、封じ込めてきた感情を静かに揺り動かしていく。
芸術、家族、記憶に翻弄されながら、本当の“自分”に気づく、ある1日の出来事。
ポルターガイスト 登場人物
①サーシャ 主人公 ギャラリー書店で働く画家
②チェット 主人公のパートナー 無名の俳優兼パーソナルトレーナー
③フリン 主人公の異父兄 ④ネーヴ フリンの妻(三人目妊娠中28週目)
⑤ロビン(7歳)サーシャの姪 ⑥ジャミラ(5歳)サーシャの姪
⑦ニーアル ネーヴの父 ⑧ヴィニータ ネーヴの母
⑨ダギー 近所に住んでいる配管工 ⑩ミセス・クルカルニ 昔馴染みのご近所さん
⑪ジョヴィータ・ヴァンス ギャラリーのオーナー(回想シーン) ほか
概要
石井光三オフィスプロデュース「ザ・ポルターガイスト」
日程・会場:2025 年 9 月14 日(日)~21日(日)本多劇場
作:フィリップ・リドリー
翻訳:小原真里
上演台本・演出:村井雄
出演:村井良大
公式サイト https://thepoltergeist2025.com (開設準備中)
石井光三オフィス公式サイト:https://ishii-mitsuzo.com