
今年で45年目を迎えるブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』。2023年から引き続き3年目となる、11代目ピーター・パンの山﨑玲奈と演出・振付の長谷川 寧のタッグ。7月28日~ 東京国際フォーラム ホールCにて上演。
1981年に榊原郁恵の初代ピーターパンの公演以来、日本でも多くの大人と子どもに親しまれてきたミュージカル『ピーター・パン』。世代を超えて愛され続け、今年で45年目を迎える。
数々のスターを生み出してきたピーター・パン役を務めるのは、第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン(TSC)「ミュージカル次世代スターオーディション」でグランプリを獲得した、第11代目ピーター・パンの山﨑玲奈が3年連続での出演。
TSC参加以前にも既にミュージカル『アニー』で主演を務め、その才能を発揮してきたが、近年は様々な舞台に出演、高い歌唱力を発揮して活躍の場を広げている。引き続き演出・振付を担当するのは、国際的に活躍するクリエイター&パフォーマーの長谷川寧。23年『白夜行』『人間失格』では、北京・天橋音楽劇年度盛典にて演出賞・振付賞ほか多数、24年『人間失格』では中国ミュージカル協会年度式典での最優秀オリジナルミュージカル賞・演出家賞ほか多数の受賞をするなど、その才能は各地で高い評価を得ている。24年12月には中国で新作『インファナル・アフェア』の演出・振付を手掛けている。
製作発表会が6月25日にキッザニア東京にて行われた。最初に歌唱披露。
1曲目は『ネバーランド』、ネバーランドは一体どんなところなの?と興味津々なウェンディ(山口乃々華)、そこは誰も大人にならない”夢の島”だと、ピーター・パン(山﨑玲奈)が夢いっぱいに語りつたえるナンバー。
2曲目は『フックのワルツ』、自分こそが史上最強の悪党だと誇らしげにアピールする、フック船長(石井一孝)の十八番のナンバー。



3曲目は『アイム・フライング』1幕の最後に歌われる、ミュージカル『ピーター・パン』といえばこの曲を聴かずしては!冒険の始まりとなるビッグ・ナンバー。
それから会見が行われた。今回はピーター・パン役の山﨑玲奈以外はキャスト一新。
山﨑玲奈「ピーター・パンとして3年目を迎えました。ずっと出演してみたかった作品に3年連続で出演できるということは本当にすごく嬉しい。また、新たに挑戦をどんどんしていきたいなと思いました。今年は初心に帰る気持ちで、ピーター・パンの原作をもう一度読み返してたり、また、キャストの皆さんが一新されたこともあって、掛け合いなどで得られるものを大事にしながら、参加できたら。私は今年、成人しまして18歳になりました。新成人初のピーターということでまた何か全然違う感覚でできるんじゃないかなって…わくわくしております」
石井一孝「このような素晴らしい役にキャスティングしていただきまして…信じられない思いだったんです。お声掛けをいただいたときに、フック船長で…顔がフック船長っぽいかな(笑)。僕は顔がめちゃくちゃ濃いので、何かすっかり馴染んじゃって(笑)、元からこういう顔だったから…冗談さておきまして、長谷川寧さんものすごく熱くて熱心で、稽古の最中なんでですが、新しいフックを作りたいとおっしゃってくださってまして。本当に僕が知ってる限りでもこのようなフックはかつていなかったんじゃないかと…。(山崎)玲奈先輩の胸を借りるつもりで(山崎玲奈、笑)、新しいフック船長そして、新しい『ピーター・パン』をは作れるんじゃないかなと思ってます。最高の『ピーター・パン』を皆さんお届けできるように頑張りたいと思っております」
山口乃々華「2019年に初めて私はピーター・パンを拝見しまして、そのときに、『ウェンディになってみたい』って心から思ったことが、6年越しに叶いまして、本当夢のような日々なんですけども、稽古場では、本当に玲奈先輩のピーター・パンに導かれながら、どんどんとネバーランドへと旅していく。ところは本当にもう楽しすぎて、ウェンディを演じてるっていう気持ちもよりも、自分自身がすごく心から楽しくて、何かそこまで入り込ませてくれる。先輩のお芝居の世界を引っ張る力に本当に感動しながら毎日お稽古させてもらってます。ウェンディは思ったよりもアクティブで”興味”が原動力みたいな女の子なんだなというのを強く感じています。女の子らしくて可愛くて温かくてというのにプラスして、アクティブで、そして積極的でちょっと興味があることには全力で突っ走るみたいな、そんなウェンディを目指して頑張っていきたいなと思ってます」
七瀬恋彩「今回の注目ポイントはやっぱりあのタイガーリリーとモリビトたちが一緒に踊るところかなと思っています。ネバーランドのエネルギーとかがすごく感じられるシーンなのかなと思っていまして、実際に舞台全体をすごく広く使ってのダイナミックな動きがたくさんあるところなんです。その振り付けの中でリフトとか入っていますので、本当に信頼しないとできないので、そういうところが物語とリンクしている、そういう部分でも面白いのかなって思います。ぜひそこに注目していただけたら嬉しいなと思います」
太田緑ロランス「当初台本を読んだときには、神経質なところもあり、繊細なダーリングさんを支える優しい奥様、優しいお母さんといった印象だったんですけれども、実際に立ち上げますと、『ここも結構面白くできるな』とか、『ここはこういうふうにもできるかなちょっとやってみよう』というようなふうに、当初の予想よりはコミカルな楽しい家族になっていくのではないかなと思います。石井さんはフック船長とダリングさん2役されますので、今はこういう見た目なんですけれども、やはり最初は優しいお父さんとして…うまく噛み合ったような感じが稽古初日に私はありまして。そういうふうにされるんだったら私もこういうふうにしてみようかなとか、いい感じの出会いができたような気がして素敵なスタートを切らせてもらったなと。マイケル役はダブルキャストですので、ウェンディを筆頭にしてうちには5人の子供がかわいい子供がいるんです…本当に賑やかです」
長谷川 寧「キャストもだいぶ入れ替えまして、いろいろ相当変わってるんですが、その中でせっかくだから何か一つテーマを設けて変えてみようかなと思って…一つちょっとテーマを…今年は『神話』にしたいっていうのがありまして。フック船長が変わるので…やっぱり『ピーター・パンってなんだろうか』…それがギリシャ神話に出てくるいたずら好きの牧神「Pan(パン)」、ヤギの足と角をもった半獣神…ヤギの神様みたいなところが”パン”の語源なんじゃないかという論文というか、文献が出てきまして。そこをもとにちょっと広げていくつもりで…そういったところを踏まえて、3年目ということで、いいものは残し、捨てていくことも必要だなと思っていますので、そういった中で新しいことをしていく。神話というテーマを使ったときに、何か残せるのかとか何がプラスされるのかっていうことで、3年目にしても、まだ全然できないんだなという感じではですけど、今年もちゃんと作っていこうと」
それから質疑応答。新成人ということで山﨑玲奈に「チャレンジしたいこと」という質問に対して
「今作っている最中ですが、最近2幕の稽古が始まったかなぐらいの段階で、ウェンディとのシーンを山口乃々華さんと一緒に作らせていただいて、エンディングを前年度から変わって…さらに駆け引きが強くなったというか、もっと何か激しく…ウェンディと一緒のセリフの合間でちょっと遊んでみたりセリフと関係ない遊びをしてみたりだとか。ウェンディがさらにアクティブになったので、私自身も結構アクティブな元気なイメージに近寄ったんじゃないかなっていうふうに思っています。自分自身も新成人になったからこそ、ピーターパン大人の部分、ウェンディとの駆け引きの部分とかもちょっとドキッとできるような。お芝居もチャレンジしてみたりだとか。あとはそうですねピーター・パンが持ってる冷静さとか残酷さみたいなのを、ロストボーイズの子たちとの演技やお芝居と一緒に深めていったりだとか。お客さんにちょっとドキッとした瞬間を与えられるかなと。自分が今までしたことない。めちゃくちゃ冷静に静かに起こる。みたいな芝居をちょっとチャレンジさせてもらったりだとか…ちょっとピーターパンの大人な部分を見せるような芝居にもチャレンジしてる段階かなって思います。あとTikTokを始めました、18歳だったらやっぱりTikTok。バズりたいです(笑)」
また、1回目の時と比べて、の質問、山﨑玲奈は「憧れの役だったので、『ピーター・パンができる!』ってきいたときはもうめちゃくちゃ嬉しかったです。自分が大好きになったきっかけがディズニー作品、とにかくすごいピーター・パンを作りたいなって…それこそパルクールだったり、フライングだっただったりっていう今までやってないことにもいろいろチャレンジできた年だなって2年前は感じていました。3年も同じ役をやらせていただけることってなかなかないと思うので、もっともっと自分が限界までピーター・パンっていう方法を追求していきたいっていう気持ちがすごく強いです。お客様にはあえて見せないお芝居ができるようなピーター・パンがやりたいっていうのはすごく強くて。読めば読むほど、ピーター・パンの切ない部分だったりがすごく自分でもなんかワーッて入ってくるんです…ピーター・パンをいかに自分の中で落とし込めるかっていう研究段階、これがピーター・パンだっていう答えが、やっぱ自分の中でもまだまだ正解が見つけられないのですが、それがすごく楽しい、その研究を今励んでる年ですね」とコメント。
最後に公演PR。
山﨑玲奈「『ピーター・パン』は45年目という節目の年、私自身にとっては3年目の『ピーターパン』キャストが変わってすごく個性が爆発するネバーランドになるんじゃないかなって思っています。皆さんの個性がぶつかり合ったそれがバトルになるような素敵なネバーランドを作り上げるように最後のギリギリまで、どんどんどんどん私自身も追求して『ピーター・パン』やっていきたいなと思っております。今年の夏もどうぞよろしくお願いします」
ストーリー
ロンドンに住むダーリング夫妻の子どもたち、ウェンディ、ジョン、マイケルの部屋に、空を飛べる不思議な男の子が“あるもの”を取りに忍び込みます。その子の名前は、ピーター・パン。ピーターは3人の子どもたちを連れ、いつまでも子どもでいられる“ネバーランド”へ飛び立ちます。
ウェンディはネバーランドで出会った迷子たちの“お母さん”になり、タイガー・リリー率いるモリビト(森の住人たち)とも仲良くなりました。ウェンディたちは、みんなと楽しく愉快な時を過ごしながらも、いつしか我が家が恋しくなり、ロストボーイズも連れてロンドンの家に戻ることにします。
一方、フック船長率いるパイレーツはウェンディを自分たちの“お母さん”にしようと、捕まえてしまいます。それを知ったピーターは、ティンカーベルとともに海賊船へ向かい、リリーたちと協力して、フック船長やパイレーツとの激しい戦いの末、ウェンディを救います。
いよいよ、ロンドンに帰る時、ピーターとの最後の別れを惜しむウェンディたち。ウェンディは彼にお願いをします。「春の大掃除の季節にはきっと迎えにきてね。」と。
時が経ち、約束を果たしにピーターがやってくるのですが・・・
概要
日程・会場:2025年7月28日(月)〜8月6日(水) 東京国際フォーラム ホールC ※※群馬、大阪、福岡公演あり
主催・企画制作:ホリプロ
特別協賛:青山メインランド
出演
ピーター・パン:山崎玲奈
フック船長/ダーリング氏:石井一孝
ウェンディ:山口乃々華
タイガー・リリー:七瀬恋彩
ダーリング夫人:太田緑ロランス
ロストボーイズ:飯田汐音、小野寺夏音、梶 みなみ、富田明里、宮島優心(ORβIT)
パイレーツ:今村洋一、黒沼 亮、佐藤 大、七味まゆ味、武井雷俊、馬場礼可
モリビト:ASUKA、奥富夕渚、住 玲衣奈、高中梨生、堤 はんと、中川友里江、西垣秀隆、森田駿介
※以上五十音順
スウィング:三井夕萌、大賀辰次朗 ※子役キャストは今後オーディションで決定
原作:サー・J・M・バリによる作品を元にしたミュージカル
作詞:キャロリン・リー
作曲:モリス(ムース)・チャーラップ
翻訳・訳詞:福田響志
演出・振付:長谷川 寧
音楽監督:宮川彬良
美術:BLANk R&D
照明:齋藤茂男
音響:井上正弘
衣裳:高橋 毅
ヘアメイク:河村陽子
アクション・パルクール:HAYATE
映像:anno lab
フライング:松藤和広
歌唱指導:福井小百合
パペット操演指導:黒谷 都
振付助手:溝上瑞季/仙石孝太朗
アクション・パルクール助手:ASUKA/大賀辰次朗
稽古ピアノ:浅野直子
演出助手:坂本聖子/玉置千砂子
舞台監督 :小澤久明/瀧原寿子
エグゼクティブ・プロデューサー:堀 威夫
主催・企画制作:ホリプロ
特別協賛:青山メインランド