柚希礼音,愛希れいか,加藤和樹,廣瀬友祐etc. ミュージカル『マタ・ハリ』開幕

ミュージカル『マタ・ハリ』が、柚希礼音,愛希れいかのW主演で東京建物 Brillia HALLにて開幕。
本作は 『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』をはじめ、数々のメガ ヒットミュージカルを手掛ける作曲家フランク・ワイルドホーンにより生み出された作品。石丸さち子訳詞・翻訳・演出のもと多くの観客を魅了、連日スタンディングオベーションの熱狂に劇場が包まれた2018年初演、その歓声から3年後の2021年に再演、更に時を重ねて2025年、遂に待望の再々演が実現。


ワイルドホーンの壮大な音楽に乗せて、登場人物それぞれの繊細な心の動きを丁寧に捉える石丸さち子の巧みな感性で描かれる世界観が、初演、再演を経て再び蘇る。主演は3度目のマタ・ハリ役に挑む柚希礼音と2021年に初挑戦した愛希れいか。そして、彼女の運命を変える2人の男性。マタ・ハリに屈折した愛情を抱き、彼女をスパイへと導くフランス諜報局のラドゥー大佐と、マタ・ハリに真っすぐな愛を示すパイロットの青年アルマン。このタイプの異なる2つの役を、2018年に回替わりで演じた加藤和樹が再び回替わりで演じる。更に、ラドゥー大佐役として加藤とのダブルキャストには廣瀬友祐が初登場。アルマン役のダブルキャストには甲斐翔真が初挑戦。フランスと敵対するドイツの将校ヴォン・ビッシング役は神尾佑。マタ・ハリが唯一心を許し、どんな時も彼女を献身的に支え続ける衣裳係アンナ役には、2021年に同役を演じた春風ひとみが再登場。このほかパンルヴェ役で中山昇、ピエール役で長江崚行、キャサリン役で青山郁代、ファーストダンサーであるコリフェ役で三井聡がキャスティング。今回、日本初披露となる新曲「From Way Up There」が追加。
初日前に会見が行われた。登壇したのは、石丸さち子、フランク・ワイルドホーン、柚希礼音、愛希れいか、加藤和樹、廣瀬友祐、甲斐翔真。

今の気持ちなど。


柚希礼音「2018年の初演から、3度目の挑戦をさせていただきます。本当に大好きな作品なので、また。挑戦できることは本当に嬉しく思っております。 2021年の再演の時が最後にコロナで中止になってしまいましたので、その時からもう一度できたらいいなとずっと期待しておりました。そして。 今日、 この『マタ・ハリ』のために歩んできたところがありますので、フランクワイルドホーンさんの素敵な楽曲に乗せて、お客様に感動をお届けできるように頑張って参りたいと思います」

愛希れいか「再演から参加させていただきまして、今回2度目となります。私も本当にこの作品が大好きで、この役が大好きで、この役のためにずっと準備してきました。 お稽古場では、石丸さんのたくさんの情熱をいただきながら、この役を、この作品を、みんなで一緒に戦って作り上げてきました。自分ができることはすべてお稽古場でやったつもりです。お客様に最高の舞台を。 お届けしたいと思っております。千秋楽までとにかく元気に、最後まで一日も欠けることなく、一人も欠けることなく舞台に立てたらいいなと思っております」

加藤和樹「 僕も柚希さんとともに初演から参加させていただき、3度目です。初演はアルマン役、そして再演ではラドゥー大佐役、そしてこの再再現では再び七年ぶりに新たに挑戦させていただきます。 稽古場では、本当に石丸さち子さんの愛と情熱がこもった演出で、出演者みんな奮い立たせられて、 本当にこの『マタ・ハリ』という作品の持つエネルギーというものを体に染み込ませてきました。 なので、この初日を遊びに行くみたいに、非常にワクワクした気持ちでいます。まあ、再演がコロナの影響で最後まで完走できなかったこともあり、今回は最後までお客様にお届けしていきたいと思っております」

廣瀬友祐「今回僕は初参加になるんですけど、あっという間にここまで来てしまったなと感じています。今、ラドゥー役としてはもちろん、役者としても、一人の男としてもいろんな気持ちが今ありますけど、この公演を1回しか見られないお客さんもいらっしゃいますし、最後の観劇になるお客様もしかしたらいるかもしれないしっていうことを話した中で、もうそれに尽きるというか、一つ一つへ命をかけて望んでいきたいと思います」

甲斐翔真「初演、再演と、僕は観客として見させていただいておりまして、大ファンでございます、また、ワイルドホーンさんの大ファンでもありまして。本当に夢の舞台に明日から立てることが本当に楽しいです。 この作品、生きるために戦うって言葉で聞くとわかるんですけども、でも実際に心で考えてみると、ああ、とっても大変なことだなというふうに思いながら、稽古を積んできました。 アルマンの最初の登場の曲でもあるんですけれども、生き抜くために戦うような、生と死を分かつまで、命かけても守るべきものを探し当てる…すごいこと言ってるんですけども、現代の僕らでもすごく刺さると言いますか、自分の背筋が伸びる思いと言いますか…頑張っていきたいなと思います。 ぜひ千秋楽までよろしくお願いいたします」

石丸さち子「私はこの作品が大好きで、もう愛し抜いてきました。再再演ができるというこの喜びの中で、どんな風にこの『マタ・ハリ』を新しく作るのか、もうゼロからまた立ち上げるつもりで行くぞ!と意気込んでいたら、俳優たちがものすごく!ゼロから新しく役を立ち上げる意気込みに満ちていて。そして個人個人だけではなく、稽古場で新しく役を模索しようとする人と、また新しく役を立ち上げようとする人が出会った時に、そしてまた素晴らしい新しい活動を迎えられたので、ああ、演劇って素晴らしいな、人の作る芸術なんだなって改めて思える素敵な瞬間が稽古場の中でありました。『マタ・ハリ』さらに強度を増したような気がしています。また、フランクさんの音楽に導かれてずっとやってきました。そして今回はありがたいことに特別な許可をいただいて、フランクさんのもう一曲を新たに追加して、ファンの方々にも、新しくご覧いただける方々にも新しい『マタ・ハリ』をご覧いただけると思います。客席に皆さんが集まってくださる時が本当に楽しみです」

フランク・ワイルドホーン、日本語で「こんにちは。元気ですか?」続けて(英語で)「申し上げたいのは、こんなに美しい方々が舞台に揃っているのをご覧になったこと、ありますか。この作品でもう一度ご一緒できることを本当に嬉しく思います。ミュージカルに適した題材、ストーリー、そのストーリーを持った人物、マタ・ハリはまさにそういう女性だったと思います。 彼女の人生を振り返ると本当に壮大で、まさにミュージカルにふさわしい人物だと思います。ここ数日、稽古を拝見させていただいたんですけれども、まさにパッション、情熱が詰まった作品だと思いますし、情熱を届けてくださるキャストが揃っています。その情熱をお客様も感じていただけると思っております。ここに来られて光栄に思っております。 これからはますます続いていく作品になっていくと思いますので、初日を楽しみにしております。 Yeah!」

作品の魅力を改めて聞かれて


石丸さち子「時代が第一次世界大戦の終盤、いつこの戦争が終わるのかといった時期です。だからこそ『マタ・ハリ』というエンターテイメントが必要だった時代が生んだ寵児のようなマタ・ハリですが、その生き様、これがまずこの作品の魅力だと思っています。 そしてこのヨーロッパ中で人気を博しているからこそ、戦時中でもヨーロッパ各国を行き来できたということで二重スパイの汚名を着せられるわけですが、その運命と戦うこと。 そして、自分の様々な生い立ちを覆い隠して新たなマタ・ハリとして生きていたのに、アルマンと運命的な出会いをすること。 その中で女性が自分らしく生きる。 自分で自分の道を選んでいく。私は私である、これが私なんだっていう瞬間が、多くの女性客の心に響いたと思っています。そして何より、美しい、美しいってやっぱり素晴らしいことです。 そして、マタ・ハリとともに生きるアルマン、この戦争のあらゆる負荷を背中に背負わさられながら、マタ・ハリを愛してしまうという、この戦争の中での一番の犠牲者かもしれないラドゥーという男性、様々な人がこの舞台、舞台の上で、このアンサンブルも含め、みんな息づきます。 その生き抜く力と美しさがこの作品、愛された理由なんじゃないか。 そしてそれを支えてくれる、もうフランク・ワイルドホーンのもう、とにかく雄大で、そしてミュージカルらしい楽曲たち、もう本当に素晴らしいです」

フランク・ワイルドホーン「時代の先駆者と言ってもいいと思うんですけれども、マタ・ハリは早く生まれすぎてしまったような存在だったと思うんです。 彼女の運命というのは、彼女が時代よりも先に進んでいたから、(だから)向き合わなければいけない運命だったと思いますし、そういうモダンな女性は現代にも、とても通じるものがあると思います。この世の中、みんな仮面をつけて生きています。その中で自分が何者であるかということに向き合うというメッセージは、皆さんにも通じるものがあると思います。彼女の人生は現実よりもドラマチックで演劇的だったと思っているので、それを音楽にも込めました」

柚希礼音「3回目でより大切にしたのは生き延びるためだったら何でも…このセリフをいつも、心において、本当にあの時代。想像を私がするよりも、もう熱するぐらいの人生をマタ・ハリは生きたんだと思いますが、それを想像しながら。自分自身の人生も重ねながら、本当に生き延びるためだったら何でもやっていく。マタ・ハリを強くたくましく、美しく生き延びたいと思います。 そして最後振り返った時に、本当に人生の素晴らしいなと思える人生を歩めたらいいなと。そう思って、そしてお客様がそういう夢を分かち合って、人生を素晴らしいと思える人がいる、出会いたいとか、そういう人を大切にしたいなと思えるような作品になればいいなと思います」

愛希れいか「衣装係のアンナに言われるセリフで生き抜くんです。 生き抜いてこそ…って言われるんですが、そのセリフのようにマタ・ハリとして人生を生き抜くということを一番大切に、自分自身もやはりこの役に立ち向かうには、本当に壁は大きくて高くて、そしてフランクさんの素晴らしい大好きな楽曲たち、その曲を歌うのはすごく難しいことですが、そこでくじけずに負けず、とにかく立ち向かう、生き抜くということを自分自身もマタ・ハリとしてもやるということが一番大事にしていることですし、自分も勇気をもらえますし、お客様に私たちがこう演じて生き抜くことで勇気を持ってもらいたいなと思いまので、それを大切にしています」

加藤和樹「今回、僕は頑張らないということで。特にアルマンは七年ぶりだったものですから、若くないとか、いろいろなちょっと余計なことも考えてしまって。本当に頑張らないことと、相手からちゃんと感情をもらう、そしてそれを共有すること、お芝居な基本だとは思いますが、今回改めてそれを大切にしながら、毎日新鮮な気持ちで演じるということを大切にしております」

廣瀬友祐「一番大切にしようとしていることは人間らしくいようっていうことですね。素晴らしい楽曲と作品が持つ力、生き抜く役として、飛び越えなきゃいけない、ジャンプしなきゃいけないのっていうのがいっぱいあるんですけど、その中でも自分の思う人間らしさっていうのを失わずに役としていきたいなと思っております」

甲斐翔真「戦争の作品はたくさんありますが、だからこそやっぱり人間の本能といいますか、そこが浮き彫りになると思うので。時代への向き合い方っていうのは常に意識していたいと思います」

あらすじ
1917年、第一次世界大戦下のパリ。
ドイツ軍の侵攻が迫る中でも、マタ・ハリのダンスはパリ市民の心を捉えて離さない。ヨーロッパ中の皇族や政府高官、軍人たちを魅了した彼女は、戦時下のヨーロッパを自由に往来して公演を行っていた。
そこに目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐は、断れば人生の秘密を暴くとほのめかし、マタ・ハリにフランスのスパイとして働くよう要求する。
ラドゥーの要求に怯え、悩むマタだったが、戦闘機パイロットのアルマンと恋に落ち、自分の人生を生きるため、一度だけフランスのスパイを務めることを決心する。だが、マタの想像を超えた国家同士の謀略は、愛を知った彼女の命運を変えていくのだった。

概要
日程・会場
東京:2025年10月1日(水)~10月14日(火)  東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
大阪:10月20日(月)~10月26日(日)  梅田芸術劇場メインホール
福岡:2025年11月1日(土)~3日(月) 博多座
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子
出演
マタ・ハリ:柚希礼音/愛希れいか(Wキャスト)
ラドゥー/アルマン:加藤和樹(Wキャスト)
ラドゥー:廣瀬友祐(Wキャスト)
アルマン:甲斐翔真(Wキャスト)
ヴォン・ビッシング:神尾佑
アンナ:春風ひとみ
パンルヴェ:中山昇
ピエール:長江崚行
キャサリン:青山郁代
コリフェ(ファーストダンサー):三井聡
井口大地 石井雅登 尾川詩帆 尾関晃輔 伽藍琳 小暮真一郎 坂口杏奈
佐々木淳平 高倉理子 花陽みく 晴音アキ 福本鴻介 森山大輔 山田美貴(五十音順)

公式サイト:https://www.umegei.com/matahari2025/

舞台写真:岡千里