ヴェルディ不滅の傑作『リゴレット』、26年2月、待望の再演を果たす。
演劇と音楽の融合を目指していたヴェルディが円熟を迎えた時期の傑作で、深い絆で結ばれた父娘の悲劇が、演劇的な緊張感と劇的効果満点の音楽で綴る。



新国立劇場『リゴレット』ダイジェスト映像
遊び人マントヴァ公爵に仕える道化師リゴレットは、公爵と廷臣たちが遊興を尽くす裏社会で媚びを売る生活。他ならぬ娘が公爵に弄ばれ、公爵への復讐を決意するものの、公爵を愛してしまった娘は殺し屋の前に身代わりとなって身を差し出す――。ヒット曲「女心の歌」をはじめ、「慕わしき人の名は」「悪魔め、鬼め!」など数々の名アリアで彩られる一方、美しい重唱が多いのも『リゴレット』の魅力。なかでも第3幕の四重唱「美しい恋の乙女よ」は、オペラ史上最も美しい四重唱と言われており、ヴェルディによるオペラ化に不満を抱いていた原作者ヴィクトル・ユーゴーも、初演でこの四重唱に魅了され、一夜にしてヴェルディファンになったというエピソードも。



エミリオ・サージ演出は現代的な視点で作品の演劇性と登場人物の孤独とにクローズアップし、それぞれの役をより際立たせる。シンプルでありながら、美しい舞台美術や衣裳も印象的で物語をストレートに伝える作品。
道化師リゴレットは公爵にへつらう卑屈さと傲慢さ、冷酷さと娘への慈愛、恐れと怒りの深い表現が求められる難役。ヴェルディ・バリトンとして世界に名を馳せ、圧倒的な人気を誇るウラディーミル・ストヤノフが9年ぶりに登場。
ジルダには叙情的な声と高度なコントロール技術、そして心揺さぶるドラマティックな感情表現で魅了する日本が誇るソプラノ中村恵理。
マントヴァ公爵には驚異的な高音の持ち主で世界最高峰のベルカント・テノールとして活躍を続けるローレンス・ブラウンリーが登場。今年 5 月の『セビリアの理髪師』アルマヴィーヴァ伯爵で、見事な歌声を披露し、大喝采を浴びたばかりのブラウンリーの嬉しい再登場。
殺し屋スパラフチーレに斉木健詞、リゴレットを呪うモンテローネ伯爵に友清崇、
女声陣には清水華澄、谷口睦美ら日本屈指の歌手たちも贅沢に集結。イタリア・オペラの名手ダニエレ・カッレガーリの指揮のもと、声の饗宴を繰り広げ、オペラファンには絶対に見逃せない強力な布陣。

L.ブラウンリー、斉木健詞、清水華澄、友清崇
あらすじ
16世紀北イタリア。放蕩者のマントヴァ公爵に仕える道化師リゴレットは、皆の嫌われ者。
娘を公爵に弄ばれたモンテローネ伯爵は、嘲るリゴレットを呪う。一方リゴレットの一人娘ジ
ルダは、身分を偽ったマントヴァ公爵に恋をしてしまう。リゴレットに恨みを持つ廷臣達によ
って、娘が公爵に差し出されたことを知ったリゴレットは半狂乱で殺し屋に公爵殺害を依頼
するが、公爵を愛し続けるジルダが刃の前にその身をさらす。
概要
会期会場:2026年2月18日(水〜3月1日(日) 新国立劇場 オペラパレス
指揮:ダニエレ・カッレガーリ
演出:エミリオ・サージ
芸術監督:大野和士
出演:
リゴレット:ウラディーミル・ストヤノフ
ジルダ:中村恵理
マントヴァ公爵:ローレンス・ブラウンリー
スパラフチーレ:斉木健詞
マッダレーナ:清水華澄
モンテローネ伯爵:友清 崇
ジョヴァンナ:谷口睦美
マルッロ:成田博之
ボルサ:糸賀修平
チェプラーノ伯爵:吉川健一
チェプラーノ伯爵夫人:十合翔子
小姓:網永悠里
牢番:三戸大久
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団
Production of ABAO Bilbao Opera
公演情報WEB サイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/rigoletto/
新国立劇場『リゴレット』2023 年公演より 撮影:堀田力丸

