『るつぼ The Crucible』が14日開幕、29日まで東京芸術劇場プレイハウスにて上演する。
本作は、『セールスマンの死』『橋からの眺め』など、今なお世界中で人気の高い劇作家アーサー・ミラーの代表作。
1953 年にはトニー賞 演劇作品賞を受賞し、以来各国で上演され続けている。

本作では 1692 年にマサチューセッツ州セイラムで実際に起きた魔女裁判を題材に、集団心理の恐ろしさや人間の尊厳と愚かさを描いている。欲望と不安が渦巻き、人々の間に疑心暗鬼が広がり、集団心理が熱に浮かされて「るつぼ」と化す様子を描いたこの作品は、今を生きる私たちに大きな問題を突きつける。
この偉大な作品に挑むのは、現在新国立劇場演劇部門芸術参与である上村聡史。戯曲の面白さを最大限に引き出す演出で、美しく力強い、魅力的な作品を作り上げる。
主人公であるジョン・プロクター役は坂本昌行が演じ、『Oslo(オスロ)』以来 2 度目となる上村とのタッグを組む。
そして彼の妻であるエリザベス・プロクター役に前田亜季。ジョン・ヘイル牧師役に松崎祐介。魔女裁判の発端となる少女アビゲイル・ウィリアムズ役に瀧七海。ほか、伊達暁、佐川和正、夏子、大滝寛、那須佐代子、大鷹明良、斎藤直樹、内田健介、浅野令子、米山千陽、長村航希、武田知久、星初音、安藤ゆり、山本毬愛と、実力派キャストが集結し、17 世紀アメリカの実在した魔女裁判に挑む。




初日に先駆けてプレスコール。その後、簡単な会見が行われた。
登壇したのは坂本昌行、前田亜季、松崎祐介、瀧七海。
まずは挨拶。
坂本昌行「アーサー・ミラーの作品、公演をやらせていただく、非常に嬉しく思っています。千秋楽まで全力で」
前田亜季「言葉の持つ力が強い作品。ぜひみていただきたいと思います」
松崎祐介「誰1人、欠けることなく千秋楽まで突っ走っていきたい」

瀧七海「最後までどうぞ、よろしくお願いいたします」

初日を迎える気持ち。
坂本昌行「どの作品もそうなんですけど、稽古でもがいて、もがいて、もがききったので、初日で開き直って。今回は、始め、台本をいただいた時に、その厚さと重み、そして深さを感じた時に、不安というか、心配…今でも思っているのですが、あとはお客様が目の前にいらっしゃって空気を感じながら、この円形のステージで持てるもの全てを出し切ってやりたいと思います」
前田亜季「稽古でたくさんもがき苦しみ、今は早く初日を迎えたいなーと、ワクワクした気持ちでいっぱいです」
松崎祐介「個人的には初めてのチャレンジというんでしょうか、いつもはコメディがすごく多くて、今回は…本当にあった物語、引き出しが1個増える。新しい気持ちというものをお客様に届けられたら、とても光栄に思います」
瀧七海「ここまでの道のりがあったからこそ、緊張しつつ初日を迎え…初演から73年、皆様にどういう形で届くのか、楽しみです」

演出の印象。
坂本昌行「上村さんの演出作品はいくつか観させていただいて、人間の醜さであったり、弱さであったり、そういうものを描いた作品が非常に多い。我々がなかなか理解できないところを深く描いて、その言葉を聞くと理解しやすい、我々も演じやすかった。何よりも我々と同じ歩幅で一緒に考えて進めてくださっている、ありがたい、日々の稽古が楽しいというか、理解度が毎日毎日高まっていったという印象です」
前田亜季「上村さんはいつも楽しく、稽古場では豊かな時間が続くんです。柔軟にやってくださるので、稽古場が楽しかったですね、たまに『ゲラスケ』な(笑)一言というか、ユーモアがありまして。そこはとても好きです」
松崎祐介「稽古が始まる前は上村さんはとても怖い人だという情報をいろんなところから仕入れて、お会いするまでは『怖い人』。本読みの時に『なんてまろやかな方なんだろう』という印象で。演劇に愛された方。稽古場では目の色が変わるんです。僕たちのことを見えないところまでずっと、僕にはないものを持っている方だなと」
瀧七海「ものすごく謙虚な方。私にとって舞台は2作目、一から作り上げていく瞬間を見たのは初めてで、妥協を許さない向き合い方は刺さるものがありました。私も全力で向き合いたいと強く思いました」

これだけは信じられる!というものは?
坂本昌行「この台本に書かれている言葉、一つ一つを信じてお届けしていきます!」
前田亜季「1人では生きていけないので、カンパニーだったりとか、家族だったりとか」
松崎祐介「エンターテイメントの力だと思います。いろんなエンタメがあります。お客様が席に座ってパズルが完成する、お客様がいなければ僕たちもステージに立つことはできないので、お客様の空気、エンタメがクロスするのではないでしょうか。僕はエンターテイメントの力を信じます」
瀧七海「私は時間を信じていて…必ず進んでいきますし、その時間をどう利用しようか、どう費やすのか、すごく大事なので、その経験を積み重ねて自分の自信につながるので、経験を信じています」

その後は質疑応答。
稽古場の雰囲気について。
坂本昌行は「稽古の合間に挟むブラックユーモアだったり、笑わせたり。休憩に入ると、みんな台本と睨めっこ、僕も台本をずっと見ていたので、周りがどういう状況かいまいち分かっておらず」とコメント。
また、松崎祐介は坂本昌行とは初共演。最初は松崎祐介が一所懸命しゃべっていたそう。「なんか、頼もしいなって感じ」と坂本昌行。松崎祐介は「怖いイメージだったんですけど、先輩の背中を見ていると、坂本さんが演じているプロクターと向き合っている、その背中を見て『わ!かっけ〜!!』そんな大人になりたい。稽古が終わったらすぐに帰ってました(笑)」対する坂本昌行は松崎祐介に対して「明るい印象はあったんですけど、非常に真面目。いろんなことを考えるよりもそれに真っ直ぐに向き合っている姿勢。僕は余計なことはほとんど言ってないです」松崎祐介は「足を引っ張らないように、背中を時には支えたり、疲れていたら言ってください、肩揉みしますので」少々の間ののち、坂本昌行は「いいです」。このやり取りに思わず笑いが起こった。
またセリフを覚える時のコツについて。「基本的に書いて覚える」と言いつつ「日常会話ではない言葉が多いので、それをうまく取り込む作業がなかなか、できず、悩み…それで今、やっと落ち着いて」と坂本昌行。ただ、みんなで合わせるととても長いそうで。「お願いしづらいというか、でも(前田)亜季ちゃんとはなんとかセリフ合わせをしていただきました」

また、共演者の坂本昌行の印象は「頼もしくって、頼るしかない、本当に頼りにしています」と前田亜季。松崎祐介はセリフについてのアドバイスをもらった様子。
最後にお客様へのメッセージ。
坂本昌行「17世紀に実際に行われた裁判を元に書かれた『るつぼ』、集団心理の恐ろしさ、怖さ、そして人間の良心を描いた作品となっております。テーマは重い作品とは思いますが、今の現代にも通じるところがあると思います。皆さん、劇場でお待ちしております」
公演は3月14日より、池袋のプレイハウスにて、千秋楽は4月12日、豊橋の穂の国とよはし芸術劇場。
あらすじ
17世紀、マサチューセッツ州セイラム。夜の森で裸で踊る少女たちが目撃される。その中の一人は原因不明の昏睡状態に。
これは魔女の呪いか? 街に不穏な噂が駆け巡るなか、少女アビゲイル(瀧七海)は「ただ踊っていただけ」と主張する。彼女は雇い主だった農夫ジョン・プロクター(坂本昌行)と関係を持ったことで、ジョンへの想いが募るが、ジョンは罪の意識に苛まれ、以後、彼女を拒絶する。彼女の目的はプロクターの妻エリザベス(前田亜季)からその座を奪うこと。アビゲイルたちは、無実の村人たちを次々に”魔女だ”と告発する。次第に聖女として扱われるようになったアビゲイルは、ついにエリザベスを”魔女”として告発。法律家や宗教家たちの思惑もからみ合い、セイラムの裁判は異様な様相を呈していった。
概要
『るつぼ The Crucible』
作:アーサー・ミラー
翻訳:水谷八也
演出:上村聡史
出演:坂本昌行、前田亜季、松崎祐介、瀧七海、伊達暁、佐川和正、夏子、大滝寛、那須佐代子、大鷹明良、
斎藤直樹、内田健介、浅野令子、米山千陽、長村航希、武田知久、星初音、安藤ゆり、山本毬愛
日程・会場:
東京:2026 年 3 月 14 日(土)~3 月 29 日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
兵庫:2026 年 4 月 3 日(金)~4 月 5 日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
豊橋:2026 年 4 月 11 日(土)~4 月 12 日(日) 穂の国とよはし芸術劇場 PLAT 主ホール
製作:フジテレビジョン、サンライズプロモーション

