舞台及び映像コンテンツを企画プロデュースするconSeptが、新たな切り口でお届けする3ヶ月連続上演企画「conSept2026:シーズンReBORN」の第2弾Litera Theater vol.1『誰かひとり/回復する人間』がザ・ポケット(東京都・中野区)で公演中。
小劇場での1ヶ月公演というチャレンジに加え、ともにノーベル文学賞受賞作家であるノルウェー出身のヨン・フォッセと韓国出身のハン・ガンの作品をダブルビル(二本立て)で同時上演するという前代未聞のチャレンジングな企画からその全容の一部を垣間見れるダイジェスト動画が届いた。

山本涼介、鈴木勝大、豊田エリー、智順、平野良、古河耕史の実力派キャスト計6名が、文学座・西本由香の演出のもと、『誰かひとり』では詩的で浮遊するような繊細を、『回復する人間』では心を抉るような残酷さに疾走感を加え大胆な作品に仕上げている。

“演劇と美術作品を同時に見ているようだ” “感想を言葉にするのが難しいけど、ずっと体のどこかで何かがリフレインしている”などの感想からもその完成度が窺える。上演は3月29日まで。
演劇では珍しい。各演目だけを観劇できる幕見席も販売中。
『誰かひとり』
1本目は『誰かひとり』、若い男、絵描き、2人同じ格好をしている。独り言、そこへ花柄のワンピースを着た、ちょっと年上の女性が2人、こちらも同じ格好。

話しかけるも若い男はリアクションなし。さらに女性よりもう少し年配の男性が2人登場、同じ格好。彼らの関係性、親子と思われる。


彼らが発する言葉、日常的によく使われる言葉、変わった言葉遣いはしない。何気ない言葉でもそれは時には重荷にもなる。若い男は終始、無視をしている。言葉は彼には届かない。

二組の親子のように見える、だが、見方によってはそれぞれ表裏一体にも見える。そこの解釈は自由。孤独、発せられる言葉は、リアクションがなくても届いているのかどうかを確かめる術はない。その状態のまま、時間が過ぎていく。

6人、特に視線は交わそうとしないし、物理的な距離を縮めようとはしない。言葉は空間を漂うかのように放たれ、それをキャッチするわけでもないが、そこには確かな、ある世界観を感じる。タイトルの『誰かひとり』、ひとり、6人の人物は皆、”ひとり”、ポエム的、そしてシンプルな美術、無機質な音楽が静かに聞こえる。ただ、そこに6人が”ひとり”、そこに存在する。
『回復する人間』
休憩の後、『回復する人間』。横たわる女性、足首を負傷、医師に診察してもらっている。医師はなぜ、すぐに手当をしなかったのかと言う。そこへ1人の女性がやってくる、「何やってんの!」と大声で怪我をした女性に言う。それは女性の姉であった。

姉とは分かり合えないまま、姉は他界、それが女性を苦しめ、後悔させていた。傷は時間が経てば回復するものだが…。診察室のシーンと姉と女性とのシーン、観客には少しずつ、女性が抱えるうちなる苦しみが見えてくる。


足を引きずりながら歩く。回復には痛みを伴うが、女性は治りたくないと思う。自分を責めているようにも見える。医師の言葉は医師から発せられているが、女性の内なる声にも聞こえる、悩みと痛みを抱えた女性苦しそうな表情、キリキリとした空気。


そこから見える心の景色は…どこか切ない気分に。
二つの作品、人はそう簡単には分かり合えない。空間の多い美術、その空間に立ち込める空気、二つの作品、休憩を挟んで、その空気は変わる、だが、どこか共通点もあるように感じられる。その空気を肌で感じつつ、二つの作品を感じる。ダブルビル(二本立て)で同時上演、挑戦。孤独、喪失、痛み、後悔etc.誰もが抱えている感情、もどかしさと切なさ、劇場で味わう静けさは稀有な体験となるだろう。
あらすじ
『誰かひとり』あらすじ
ある日、偶然に再会したと思われる二人の若い画家。彼らの前に、年長の女性が現れ、まるで息子に対するように懐かしい言葉や思い出について語りかける。しかし、若者はまるで彼女の存在に気づかないかのように沈黙し続ける。
後を追うように登場する年長の男性。年長の男女は「なぜ息子が自分たちを拒絶するのか」と戸惑い、必死に関係を取り戻そうとするが、若者は彼らの存在を無視し「一人でいること」に固執する。そして互いの存在に疑心暗鬼になり虚しさを吐露し始めた彼らは、やがてそれぞれの選択をすることになるのだが・・・
『回復する人間』あらすじ
土曜の午後、左足首を怪我した“あなた”は、くたびれた白衣の医師に診察を受けている。
傷の治療とともに曖昧になっていく記憶の中、かつて冗談好きでほんの少し悪戯っぽかった自分の過去を思い出す 。
そしてその記憶にはいつも“姉”がいた。怪我のきっかけとなったのは、その姉。長身で美しく、他人から羨望されていた姉が、実は自分よりも深い劣等感を抱えていたことを、“あなた”は思い出す 。姉との微妙な距離感、二人はどこで何を間違えてしまったのか。そしてまだ足首の傷が癒えないある日、なた”は痛みを堪えて全速力で自転車のペダルを漕ぎ始めるのだが…。
公演概要
Litera Theater vol.1『誰かひとり/ 回復する人間』
日程・会場:2026年3月5日(木)~3月29日(日) ザ・ポケット(東京都・中野)
出演:山本涼介、鈴木勝大、豊田エリー
、智順、平野良、古河耕史
演出:西本由香(文学座)
(以下『誰かひとり』)
脚本:ヨン・フォッセ 翻訳:アンネ・ランデ・ペータス
上演台本:アンネ・ランデ・ペータス、山崎元晴
(以下『回復する人間』)
原作:ハン・ガン
翻訳:宋元燮 脚本:オノマリコ
製作支援:杉本事務所
企画・製作・主催:conSept
後援:ノルウェー大使館、駐日韓国大使館
公式サイト: https://consept-s.com/reborn/litera1/
ハッシュタグ:#誰かひとり回復する人間
撮影:岩田えり (C)conSept All Rights Reserved.

