1969年に主演・松本白鸚(当時 市川染五郎)により日本初演され、翌1970年にはブロードウェイからの招待を受け て、マーチンベック劇場にて全編英語で現地の役者と渡り合い、計60ステージを務めたが、本作は小説「ドン・キホーテ」 を原作としたミュージカルで、1965年にブロードウェイで初演、翌年のトニー賞ではミュージカル作品賞を含む計5部門を 受賞。いかに困難な状況でも“あるべき姿のために戦う”人々の姿が描かれた、心打つストーリーと、「見果てぬ夢」 をはじめとする美しい楽曲の数々により、永く愛され続ける名作中の名作。日本での上演回数は1,265回にのぼり、いよ いよ今年50周年。開幕を前に、幕開けの地・大阪 フェスティバルホールで囲み取材を開催、演出・主演を務める松本白鸚、今回作品初参加となるアルドンザ役・瀬奈じゅん、そして1995年から作品に出演し、ラバ追い、床屋を演じ、2009年からはサンチョ役を務める駒田一が出席した。
【松本白鸚 コメント】 『ラ・マンチャの男』を含め1作、1作大事に一生懸命やってきたつもりですが、あっという間に初演から50年経ってしまいま した。本当に感無量です。「あるがままの人生にただ折り合いをつけて、あるべき姿のために戦わないこと」というのが作品 のテーマ。夢とは、夢をかなえようとするその人の心意気、 あるべき姿のために戦う思いを胸に秘めた方が僕は素敵だな と思います。
この作品は私の亡き父と、亡き菊田一夫さん、という二人の男の「見果てぬ夢」なんです。50 年前の日本では、ミュージカ ルは年間に数本しか上演されていませんでした。お二人はミュージカルがもっと多くの人から愛されるようにと夢を抱いて いた。私は「見果てぬ夢」を歌う時、お二人へのレクイエムと思い、感謝と祈りを込めて 50 年間歌い続けてきました。 これからも『ラ・マンチャの男』のともしびが絶えず灯されるようにしたい。皆さんに見ていただく価値がある、良い芝居だと思 うから、今まで 50 年間上演してきました。ぜひ今回の舞台をご覧になって、『ラ・マンチャの男』を愛していただきたいと思 います。
【瀬奈じゅん コメント】
2 か月間お稽古を積み重ねてきましたが、毎日があっという間に過ぎていきました。この役をいただいたことは私の女優人 生の中で本当に大きな出来事だと思います。今回初めて参加させていただき、白鸚さんをはじめ、出演者の皆さんが、常 に新しい発見をされようと挑戦している稽古場で、とても良い刺激をいただきました。私は初めてなので分からないことが多 かったのですが、皆さんが同じ目線で一緒に戦ってくださいました。カンパニーの空気が素晴らしく、出演者、そしてスタッフ の皆さんから沢山の影響を受けました。
【駒田 一 コメント】 私は24年前に初めて出演させていただきました。役者人生の中で『ラ・マンチャの男』の比重がとても大きく、出演させて いただくたびに身が引き締まる思いです。今、興奮と緊張と色んな思いが駆け巡っています。 役者でいる旦那様と演出でいる旦那様が二人いらっしゃって。旦那様(松本白鸚)から演出を受けているときは、誰よりも 一つ先を行こう、新しいことをしようと挑戦されている姿を見ると、自分も頑張らなくてはと絶えず思わせてくれる日々です。 カンパニー一丸となって皆様にお届けできればと思います。
【公演概要】
<大阪公演>
日程・場所:2019年9月7日~12日 フェスティバルホール
<宮城公演>
日程・場所:2019年9月21日〜23日 東京エレクトロンホール宮城
<愛知公演>
日程・場所:2019年9月27日〜29日 愛知県芸術劇場 大ホール
<東京公演>
日程・場所:2019年10月4日〜27日 帝国劇場
脚本:デール・ワッサーマン
作詞:ジョオ・ダリオン
音楽:ミッチ・リー
演出:松本白鸚
出演:松本白鸚、瀬奈じゅん、駒田 一、松原凜子、石鍋多加史、荒井洸子、祖父江進、大塚雅夫、
白木美貴子、宮川 浩、上條恒彦 ほか
製作:東宝
公式HP:https://www.umegei.com/lamancha/
撮影:大西二三男