ミュージカル回想録『HUNDRED DAYS』稽古快調!

2月某日、ミュージカル回想録『HUNDRED DAYS』の取材会が都内で行われた。この作品は演者は2人、あとはミュージシャンだが、ミュージシャンも時には歌ったりする。そこの構成を演出の板垣恭一が説明。この日は稽古なので、バンドメンバーは全員いるわけではないので、そこは演出家が”臨時”に補う(笑)。そして登場人物、アビゲイル(木村花代)とショーン・ベンソン(藤岡正明)、実在の人物で、彼ら自身のことを語る(歌う)、なかなかユニークな作品だ。

披露されたのは、最初から、途中まで、そして真ん中あたりのテーマ曲とも言える楽曲。まずは前説、ここは木村花代が担う。実は、オーディエンス(取材陣)を入れて演じるのはこの日が初めて。客席(今日は記者席)に向かって、話しかける。場が温まったところで始まる。台本はあるが、コンサートっぽい側面もあり、アドリブ的なものも入る。つまり、観客との呼吸や反応を見ながら、という部分も多い。基本的には台本通りにストーリーは進行するのだが、”芝居”っぽくないところ、ライブ感があって楽しい。本番では絶対に歌わない演出家・板垣恭一、少々歌い、演奏もする(笑)。

要するに観客もノリが大事、クラップもあって、”ミュージカル回想録”と銘打っているが、王道ミュージカルのようなものではない。役者の個性や力量、”だから、この2人なんだ”とキャスティングも頷ける。ここはプロデュース側のさじ加減であろうか。2人、並んでいるのに会話しない、それぞれのモノローグ、しかし、互いに頷きあいながらしゃべる。その空気感で登場人物2人の関係性以上のものをほのかに感じ取ることができる。それから、ちょっと場面が飛んで、この作品のテーマ曲とも言える曲を披露、どの曲もノリがよく、聞いてて心地よいものばかりであった。
それから、質疑応答時間となった。

藤岡正明はこの作品の出会いについて「(プロデューサーは)なんていう、いい作品を持ってきやがるんだ(笑)」と開口一番に。そして「台本だけだと、何をどう伝わって欲しいのかが難しいなと思って・・・・実話だし、役者がどう捉えるかで・・・・実験的で挑戦的」と語り、木村花代は「なんて素敵な夫婦なんだろう!女性目線だからかもしれないですが。最後、の掛け合いのシーンを読んで泣いちゃって・・・・やばいなと(笑)」、どうも”涙腺崩壊”注意な作品(笑)。続けて「愛っていうこと(この夫婦)羨ましい!」またアドリブ的なところもあるので・・・・「私、前説って初めてなんです!お客様との交流っていう重要な役割もあるのかな?」そう、この前説が通り一遍な感じなものではなく、お客様と会話する、一方的に「携帯電話の・・・・」とか「飲食は・・・・」ではない。ここはお楽しみポイントとなりそう。「(記者席に向かって)今日は本当にありがとうございます(笑)、もっと稽古して・・・・・お客様の目を見ながら最終的には『アドリブ?台本?』っていう風に持っていきたいです」とコメント。そこで藤岡正明は「悪ノリするタイプ(笑)」と笑う。いや、観客側としてはむしろ悪ノリしてくれた方が楽しい予感・・・・しかない(笑)。藤岡正明は「生なので、稽古場での時間を利用して・・・・劇場に入るまでの課題は我々がこの瞬間、この空気を楽しめるように!ならなければ」と語るが、舞台上と客席の一体感も必要要素とも言えそう。そして2人しか登場人物がいないことについては「大変そうだな〜」と演出の板垣恭一は笑う。

また、木村花代については大阪出身で「関西のおばちゃん」一同笑い(本番ではどうなるか『?』だが、関西のおばちゃんらしく飴ちゃんを配った!)。また板垣恭一はちゃんとギター弾けるということが条件といい・・・・・また繊細な感じ、例えると「アキバ系男子?みたいな?」と語る。そしてこの作品は実話、そこがポイントでリアリティもセリフや歌詞、そして物語にもそこがしっかりと感じられる。また藤岡正明は「花代さんって〜引っ越し好きじゃない?」「ううん」(木村)「あ、そうでもない?」と笑いを取り、また藤岡正明は自身について「実は引っ越しは嫌い、新天地嫌い、別荘いらない、自分の家の隣に自分のシェルター作ってレコーディングスタジオみたいなの作ってそこにいたい(笑)」という。「僕は実はあんまり冒険はしない、同じビール、同じ焼酎、同じもの毎日食べて飽きない!(「私は逆」と木村花代)アビゲイルが求めている乾きみたいな・・・・・(「ありがとう」と木村花代)、僕にはそれがないから・・・・派手に見られるんですが、僕は意外と地味なんです(笑)」と笑う。そこで木村花代は「うん、同じことはやだ、新しいこと、挑戦っていうか、変わる方がいい」といい、藤岡正明は「(例えば)メガネ、2個買う、気にいると同じものを2個買う!服も同じメーカー、同じものを」と補足(「ぴったり」と演出家)。

また「好きな曲は?」という質問については「10曲目の『過ぎゆく年(The Years Go By)』、難しい曲・・・・・・個人的には秀逸なロック。ブリテッシュな質感もあって、すごく繊細、期待してください」といい、木村花代は「好きな曲『奇跡の歌』(Bells)、すごく綺麗で知らないうちに涙が、心が暖かくなる」とコメントし、藤岡正明は「僕がギターだけでね」木村花代は「きっと思い入れがあるんだろうな・・・・」と。アビゲイル&ショーン・ベンソンが初めて2人で作った曲だそう。さて、それぞれ実際にはどんな曲かは・・・・・劇場で。
「僕自身として俳優として課題にして行かなきゃいけない・・・・お芝居に見えない、そこに存在する・・・・・長いことやってるといろいろ考える、自然とショーンに見えるように・・・・」と藤岡正明。板垣恭一は「テクニカル的にではなく、多くの役者さんにトライして欲しい、気持ちの持って行き方、何を見せる人なのかをちゃんと捕まえて欲しい。人間同士だから・・・・・つまりショーンが大切にしていることと藤岡正明が大切にしていることはそんなに違わないと思うんです。またアビゲイルが大切にしていることも。それに対してどういう表現をするか・・・・・何もしないということをする、それがショーンに見えたりすれば・・・・」とコメント。
そして・・・・・これからに向けての質問が出た。
「僕は2人がセリフを覚えてくれることを(笑)、結構、頭使わないと、冷や汗かかないと・・・・祈るばかり(笑)」と演出家。藤岡正明は「セリフをブラッッシュアップしていく前提で、どう(観客を)巻き込めるのか、生もので起こることを楽しめるくらいになっていたい、見えていたいな」とコメント。木村花代は「アビゲイルっていう人をもうちょっとちゃんと理解したい、仲良くなりたいですね。彼女にもっと寄り添ってあげたい、きちんと彼女と向き合って・・・・・やることはいっぱいあります。そうしたらいろんなことが楽しめるようになれるかな」とコメント。
最後に(あえて)どんな人に観てもらいたいかという質問が出た。
「生きづらいなと感じている人に」(板垣恭一)
「年配の人に観てもらいたい、特に60代?50代以降?(「そうだねーー」と木村花代)」(藤岡正明)
「アビゲイルと共通認識を持ってもらえる人、人は1人では生きていけないけど最後は1人・・・・孤独とかそういうことを感じられる人・・・・若い人にも多いと思う。ちょっとでも心に穴が空いてる人とか」(木村花代)
そしてプロデューサーより、「愛され方と愛し方、受けたり与えたりが難しく感じるとか・・・・誰かを愛し続けることを伝える・・・・・素敵な歌詞を書いていただいたので、若い方、年配の方にも」とコメント。最後に
「観に来てください」(板垣恭一)
「ギターやってみてミュージシャンやっててよかった!・・・・・日本のミュージカル界の底上げにもなる作品なので!」(藤岡正明)
「料理に例えると絶対に美味しい!食べたことのない料理、味、試食して欲しいです。女優としては、新しいことに挑戦が好きっていうところもありますが、現状に甘んじず!」(木村花代)
終始、和やかな雰囲気で取材会は終了した。

【概要】
ミュージカル回想録『HUNDRED DAYS』
日程・場所:2020年2月20日(木)~2月24日(月・祝) @シアターモリエール
キャスト:木村花代、藤岡正明
作詞・作曲: アビゲイル&ショーン・ベンソン(Abigail & Shaun Bengson)
脚本:サラ・ガンシャー (Sarah Gancher)
翻訳:工藤紅
日本語上演台本・訳詞・演出:板垣恭一
音楽監督:桑原まこ
美術・舞台監督:深瀬元喜
照明:萱島亜希子(CAT)
音響:潮麻由子(エディスグローヴ)
衣裳:KO3UKE
ヘアメイク:竹節嘉恵
宣伝デザイン:柚木竜也(aboka design)
プロモーション動画制作:深沢麿央
協力:enchante、 グランアーツ
票券:林晴美
宣伝:大林里枝
プロデューサー:宋元燮
後援:TBSラジオ
企画・製作・主催:conSept
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