2020/2021 シーズンは、楽しさと活気にあふれた古典バレエ『ドン・キホーテ』で幕を開ける。大原永子前舞踊芸術監督の任期最後のシーズンの2020年5月に上演中止となったが、吉田都・新芸術監督にそのまま引き継がれ、新しいシーズンの船出を華やかに彩る。吉田新監督が前監督からのバトンを引き継ぐ意味も込めて、バレエ団が一丸となって取り組む渾身の舞台となる(HP:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/donquixote/)。
セルバンテス著「ドン・キホーテ」のエピソードが原作である本作は、床屋のバジルと町娘キトリの恋物語が、陽気に賑わうバルセロナの町で繰り広げられる。闘牛士や町の女たちによるスペイン舞踊、風車 のエピソード、ドン・キホーテの夢の中で繰り広げられる美しい群舞、そして最終幕の恋人たちによるグ ラン・パ・ド・ドゥまで、古典バレエの美しさとバラエティに富んだ踊りの数々を堪能できる人気演目。この陽気で力強さに溢れる本作では、充実した新国立劇場バレエ団のソリスト達と定評ある美しい コール・ド・バレエによる、古典レパートリーならではの充実した舞台を披露。
また、チコちゃんといっしょに課外授業 芸術の日 プレミアム配信も決定!
<見どころ>
その1:日替わりで登場!6組の主役ダンサーたち
主役には公演中止となった2020年5月公演に大原永子前舞踊監督が組んだキャスティングをを引き継ぎ、6組のペアが登場。充実した陣容を誇る新国立劇場バレエ団ダンサーの実力を、日替わりでお楽しみいただけます。
その2:物語を彩る個性的な登場人物たち
騎士ドン・キホーテとお供のサンチョ・パンサはもちろん、キトリとバジルの恋物語を盛り 上げる個性的なキャラクターが次々と登場します。サンチョ・パンサや金持ちの貴族ガマー シュが巻き起こすコミカルなシーンや、花形闘牛士のエスパーダをめぐる女性たちのドラマ など、彼らが繰り広げるエピソードも必見です。
その3:キャラクターダンスからバレエ・ブランまで、バラエティ豊かな踊りの数々
街の場面では、色鮮やかな衣裳をまとった女性ダンサーたちの目くるめく舞踊シーンはもちろん、スペイン舞踊の動きを取り入れた情熱的なキャラクターダンスを楽しむことができま す。 第2幕の森の場面では一転、クラシック・バレエの幻想的な世界に変わります。森の妖精た ちのコール・ド・バレエなど、クラシック・バレエの真髄を堪能できるシーンです。
その4:第3幕の結婚式の<グラン・パ・ド・ドゥ>
コンクールやガラ・コンサートでも人気の高い有名なパ・ド・ドゥ。主役ダンサーがダイナミックなジャンプや回転など超絶技巧を披露し、場内は一気に盛り上がります。
<チコちゃんといっしょに課外授業 芸術の日 プレミアム配信決定!>
吉田都舞踊芸術監督就任後の初演目となる本作を、 劇場だけでなく映像でも楽しんでいただけるよう、オンライン有料配信を行うことが決定。
NHKエンタープライズが主体となる「チコちゃんといっしょに課外授業 製作委員会」と新国立劇場の共催により人気番組 「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんと共にお届け。
今回の企画は、吉田監督が主役2人を指導するリハーサルの生配信など、様々な特典映像をつけて下記要領で配信を予定。
詳細は9月中旬以降に下記の配信公式ホームページ他で情報発信する予定。ぜひ劇場でのご観劇と併せてお楽しみを!
【配信スケジュール】
配信(1):10 月 9 日(金)18:00 生配信予定 (~以降、見逃し配信) 吉田都監督による主役2名のリハーサル風景生配信
配信(2):10 月 18 日(日)11:00 生配信予定 (~以降、見逃し配信) 子どもから大人まで、吉田都監督に直接質問ができる生配信
配信(3):11 月 5 日(木)配信予定 (~以降、見逃し配信) 「ドン・キホーテ」10 月 31 日(土)18:30 公演 収録映像
(キトリ:米沢 唯 バジル:速水渉悟)
配信終了:2020年11月30日(月)予定
※配信は期間中、回数制限なくご覧いただけます。
【配信チケット料金】2,500 円(税込) 「ドン・キホーテ」公演映像および特典映像付き
【チケット発売日】10 月 1 日(木)予定
【公式ホームページ】https://chicoissyo.com/(9 月中旬に本配信についてのページを公開予定)
【公式 Twitter】@chicoissyo(https://twitter.com/chicoissyo)
【主催】チコちゃんといっしょに課外授業 製作委員会
【共催】公益財団法人新国立劇場運営財団
【協力】チャコット株式会社
【配信に係るお問い合わせ】event@chicoissyo.com
<吉田都・新芸術監督より>
新国立劇場バレエ団との新しいシーズンが、まもなく始まります。
就任するシーズン最初の演目にと、早くから準備を重ねていたピーター・ライト版『白鳥の湖』の新制作は、コロナ禍により<延期>と いう選択をいたしました。しかしその代わりに、この5月に上演が予定されていたバレエ『ドン・キホーテ』を、大原永子・前舞踊監督か ら<バトンを引き継ぐ>形で上演できることを、嬉しく思っています。 より多くのダンサーたちにチャンスを与えるキャスティングも、その まま引き継ぎ、この楽しいバレエの上演に向けて、稽古場での指導も行っております。
新国立劇場バレエ『ドン・キホーテ』は、モスクワ・ボリショイ バレエ団で活躍し、芸術監督も務めた A.ファジェーチェフによるも のです。彼によると、『ドン・キホーテ』はクラシックの粋を集めた 舞踊芸術の華麗な祭典であり、プティパのバレエ作品の中でも最も モスクワらしい作品なのだそうです。そして、この「モスクワらしさ」は、1869 年にモスクワで初演されたからとか、A.ゴルスキーが挿入した珠玉の舞踊シーンがあるからではなく、何よりモスクワ派のバレエとボリショイの舞踊手に特有の、屈託のない大らかさ、遊びの 感覚、即興的な自由がこの作品に溢れているところから生まれてくるそうです。皆さまには見どころが たっぷりの、オーソドックスな古典バレエの世界を楽しんでいただけるものと思っております。
これからも、多くの方々にバレエという芸術に触れ、楽しんでいただけるよう、新国立劇場バレエ団 のみんなと共に努力してまいります。こういう時に劇場に来ていただけることは、ダンサーにとっては 何よりの励みとなります。観客の皆様には「日常が戻って来た!」という安心感を得ていただけること を、心より願っております。
舞踊芸術監督 吉田都
<物語>
ドン・キホーテは農夫サンチョ・パンサを従えて冒険を求めて諸国を遍歴する旅に出る。活気あふれる港 町バルセロナ。宿屋の看板娘キトリの恋人は床屋のバジルだが、キトリの父ロレンツォは娘を金持ちの 貴族ガマーシュに嫁がせようと考えている。広場で人々が陽気に騒いでいるところに、ドン・キホーテと サンチョ・パンサが登場、ドン・キホーテは、キトリを自分の理想の女性であるドゥルシネア姫だと信じ 込む。しかし彼女は騒ぎの間にバジルと一緒に町外れの居酒屋に隠れてしまう。追ってきたロレンツォ たちは二人を見つける。キトリにガマーシュとの婚約を無理強いしようとするロレンツォに、バジルは 「キトリと結婚できないのなら自殺する」と狂言自殺を図る。義憤にかられたドン・キホーテは、ロレン ツォに槍を突きつけて、バジルの最期の願いであるキトリとの結婚を認めるように迫る。ロレンツォが しぶしぶ了解すると、死んだふりをしていたバジルは飛び起きて、キトリと喜び合うのだった。
ドン・キホーテとサンチョ・パンサは森の中をさまよっている。ドン・キホーテは風車を巨人と見誤って 突撃するが、回り始めた風車の羽根に引っかかり、地面にたたきつけられ気を失う。夢の中でドン・キホ ーテはドゥルシネア姫(キトリ)と出会う。一方、サンチョは狩りを楽しんでいた公爵夫妻に会い、気を 失っている主人を助けてくれるように頼み込み、公爵たちはドン・キホーテを自分の館に招くことにす る。公爵夫妻はサンチョ・パンサからキトリとバジルの恋物語を聞き、館で二人の結婚式をあげるよう取 りはからう。結婚を祝って華やかな宴が繰り広げられ、キトリとバジルも喜びに満ちた踊りを披露する。
<公演概要>
令和2年度(第75回) 文化庁芸術祭主催公演 2020/2021 シーズン
バレエ「ドン・キホーテ」 Don Quixote
日程・会場:2020年10月23日〜11月1日 新国立劇場 オペラハウス
芸術監督:吉田 都
音楽:レオン・ミンクス
振付:マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー
改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ
美術・衣裳:ヴャチェスラフ・オークネフ
照明:梶 孝三
指揮:冨田実里
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
出演:新国立劇場バレエ団
主催:文化庁芸術祭執行委員会/新国立劇場
上演予定時間:約2時間35分(休憩含む)
公式HP:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/donquixote/
舞台写真撮影:瀬戸秀美