『フェードル』は、フランスの劇作家ジャン・ラシーヌがギリシャ悲劇『ヒッポリュトス』から題材を得て創りあげ、1677年1月1日、ブルゴーニュ座で初演。初演時の題名は『フェードルとイポリート Phèdre et Hippolyte 』。17世紀フランス古典文学の最後を飾る金字塔的な作品。すべての面で完成度が高く、悲劇的構成、人間観察の深さ、韻文の豊かさ、さらにマリー・シャンメレが演じた主役フェードルの解釈。ヴォルテールは「人間精神を扱った最高傑作」と語っている。
2017年の初演で圧巻の演技を魅せた大竹しのぶが再びフェードルに!フェードルの義息子・イッポリット役には、高い演技力を発揮する林遣都。その他の共演陣は瀬戸さおり、谷田歩、酒向芳、西岡未央、岡崎さつき、キムラ緑子、豪華キャストが集結!!
<コメント>
栗山民也
とにかく、火傷しそうな芝居です。初日を終えての実感です。
この戯曲のもともとはギリシャ劇に根っこがあるので、神だの怪物だのと現在の科学からは程遠いものに縛られていますが、不可解なわたしたち人間の感情ということで言えば、その遠い昔と何も変わらず、全く同じに惑い、悩み、ぶつかり、愛し合うことを繰り返しているのです。
この120分の物語を埋め尽くす、ジャン・ラシーヌの言葉の熱く激しい温度に身を任せ、その体験を楽しんでください。コロナの荒涼とした時代の中で、この熱いという皮膚感覚は、とても貴重で素敵なものです。人間って、なんて乱暴で繊細で、でも最後まで強く愛してしまう生き物なのでしょう。その世界の、そこにいる人間たちの限りない不条理の美しさを見つめてください。
大竹しのぶ
初演の時に毎回感じた大きな濁流にのみこまれるような大胆で、スリリングな2時間。またあの体験ができると思う喜びでいっぱいです。この状況の中での幕開けは、正直に言って不安でもあります。それでも来てくださるお客様の為に一回一回を、一生懸命演じるだけです。うねる様な、湧き上がるエネルギーを同じ空間で共有できたら、それが明日への活力になるのなら、劇場のあるべき意味が伝えられたという事になります。劇場は今、絶対に必要なのかと問われれば違うかもしれません。
それでも私達は幕を開ける事を選びました。
万全の対策でお待ちしていますとしか言えませんが、あとは舞台の上で必死に生きるのみです。頑張ります。
林遣都
無事に幕が上がるか分からない状況の中で、初日を迎えられたことを幸せに感じます。
大竹さんが高めてくださった士気のもと、細心の注意を払いながら稽古を重ねてまいりました。
演劇の力を信じ、情熱に満ち溢れ、純粋にお芝居と向き合い続ける今回の座組の皆さんと過ごした稽古期間は、僕にとってかけがえのないものとなりました。
観に来てくださる方一人一人に感謝し、大切に演じていきたいと思います。
《ストーリー》
舞台は、ギリシャ・ペロポンネソス半島の町トレゼーヌ。行方不明となったアテネ王テゼ(谷田歩)を探すため息子イッポリット(林遣都)は国を出ようとしていた。
一方、テゼの妻フェードル(大竹しのぶ)は病に陥っていた。心配した乳母のエノーヌ(キムラ緑子)が原因をききだすと、夫の面影を残しつつ、夫には失われた若さと高潔さに輝く継子イッポリットへの想いに身を焦がしていると白状する。
苦しみの末、フェードルは義理の息子に自分の恋心を打ち明ける。
しかし、イッポリットの心にあるのはテゼに反逆したアテネ王族の娘アリシー(瀬戸さおり)。
<公演概要>
【公演名】『フェードル』
【作】ジャン・ラシーヌ
【翻訳】岩切正一郎
【演出】栗山民也
【出演】大竹しのぶ、林遣都、瀬戸さおり、谷田歩、酒向芳、西岡未央、岡崎さつき、キムラ緑子
【主催・製作】テレビ朝日、産経新聞社、サンライズプロモーション東京
【東京公演】
◆日時:2021年1月8日(金)~1月26日(火)
◆会場:Bunkamuraシアターコクーン
【地方公演】
・金沢公演 /会場:金沢市文化ホール
日時:2021年1月30日(土)・31日(日)
・愛知公演 /会場:刈谷市総合文化センター
日時:2021年2月6日(土)・7日(日)
・兵庫公演 /会場:兵庫県立芸術文化センター
日時:2021年2月11日(木・祝)~14日(日)
・静岡公演 /会場:三島市民文化会館
日時:2021年2月20日(土)・21日(日)
【公式ホームページ】https://www.phedre.jp
【公式ツイッター】 https://twitter.com/phedrejp