主演 賀来千賀子 共演 𠮷越千帆 ,小泉駿也, 井上純一 ,永島敏行, 遠野なぎこ 演出 鵜山仁 NLTプロデュース 『しあわせの雨傘』 ~Potiche ポティッシュ~ 4月27日開幕!

賀来千香子主演、共演に井上純一、永島敏行、遠野なぎこetc.演出は鵜山仁。 NLTプロデュース 『しあわせの雨傘』 ~Potiche ポティッシュ~ 4月27日より開幕!

<主催者より>
フランスには、大人のコメディが豊富にありますが、その中の隠れた一作が、バリエ&グレディの「Potiche ポティッシュ」。1980年にパリで上演され、物語は70年代後半の、地方の傘製造会社の、社長夫人の変貌をコミカルに描いています。パリでは再演も あり、90年代の末に、映画監督フランソワ・オゾンも舞台を見ています。
そして2010年、彼はこの舞台を映画化することにしたのです。この舞台原作の映画化 という手法は、彼にとってロベール・トマの「8人の女たち」に続く形式です。2011年には 日本公開もされ、舞台を見ずして私たちは、この「しあわせの雨傘」という作品を知る事になります。原案のバリエ&グレディは NLTでは、数作品を上演しタッチは知っていました が、舞台版はどのような物語だったのか。急遽原本を取り寄せ、翻訳をすると、内容は映 画とほぼ同じ展開。最後に映画では選挙に立候補するという場面が付け加えられていま すが、主なストーリーは映画と同じ、いや、映画は舞台と同じだったのです。
これは、オゾンも語っていますが、この作品は「社会の中に自分の居場所を探す女性」を描いています。作品は70年代の世情ですが、現在も変わらない、女性と社会の関係が そこにはあります。時代が変わっても、関係が変わらない状況にオゾンは注目しましたが、日本でも全く変わりはありません。この作品は多くの女性、そして女性を尊敬する男性に 是非ご覧頂きたいと企画しました。
しかし、あくまでもコメディです。笑いの中の批判をお楽しみ下さい。

[あらすじ]
原題のpoticheとは、(中国や日本の)大型陶磁器、壺や花瓶などの事だが、転じて (実質的権限のない)名誉職の人、飾り物という意味もある。
とある町の、大きな傘工場の経営者夫人シュザンヌは、メイドもいる専業主婦。子育ても 終わり、ポエムづくりとジョギングが日課。家事も仕事もしなくて良い、と夫に言われる“お飾りの妻”となっていました。しかし彼女は“お飾り”ではなく、素晴らしい実力を持った女性だったのです。
シュザンヌは子育ても終わり、優雅な日々を送るが、退屈な日々を送っている社長夫人である。社会の中に自分の居場所はなく、家庭でも母としての位置は、愛されるママでしかない。
夫のロベールは仕事最優先、シュザンヌの事など見向きもしない。彼は、秘書のナデ ージュを愛人にしていた。娘のジョエルは結婚し、夫を父の傘工場に勤めさせている。息 子のローランは、芸術家を夢見てパリ暮らし。しかし、びっくりするニュースを持って実家 に帰ってきた。
そんな時、独善的で典型的なブルジョア社長ロベールに反発する労働者が、横暴な 経営を改善しろ、とストライキに入ってしまう。ロベールは、事態を収拾するどころか、悪化 させ工場に軟禁状態になってしまう。
この窮地をシュザンヌは、かつての恋人で今は共産党員の市長であるババンに、助けて貰おうと相談する。ババンの協力もあり、創業者の娘としてシュザンヌは組合との交渉に成功する。そして夫は軟禁から解放されるが心臓発作を起こしてしまう。夫のロベール に代わり、彼女シュザンヌが社長に就任するが……。

[みどころ]

翻訳は、演劇を大衆化するには喜劇から見てもらうのが一番、と言うのが持論の佐藤康氏。佐藤氏は第一回小田島雄志翻訳戯曲賞を受賞した実力を持っています。演劇の観客を広げるために、面白い芝居を翻訳していきましょう、という意気込みの翻訳者が、一読して、翻訳の価値あり、と即断した作品です。
また、演出は、文化庁在外研修をパリで行なった、文学座の、というより現在の日本演劇を牽引する演出家の一人、鵜山仁氏。70年代の空気の中で、現在を描こうという意欲で演出に取り組みます。コメディの演出の場合でも、鵜山氏の大胆な切り口が、この作品 を一段と見応えある作品に仕上るのは必至です。
そして、“飾り壺”と思われている、社長夫人は、賀来千香子。従順な妻であり、家庭を 大事にする母、しかし、隠れた実力と、知られざるアバンチュールを秘めた女性。賀来千 香子の存在、そのままがシュザンヌ像といえます。可愛いだけではない、優れた女性を、 物語の展開で見せていくことが、この作品のみどころであり、痛快なところです。無骨な労働者出身の共産党市長は、永島敏行。独善的な社長である夫は、役柄の幅を広げてき ている井上純一。社長の愛人なのに、シュザンヌの経営手腕に魅かれていく秘書は、遠野なぎこ。他も適材適所のキャスティングです。

<概要>

作:バリエ&グレディ
訳:佐藤康
演出:鵜山仁

[キャスト]
賀来千香子
・永島敏行
・井上純一
・遠野なぎこ
・小泉駿也
・𠮷越千帆

 

<配役>

シュザンヌ   (ピジョル夫人)   賀来千香子

ジョエル    (ピジョル家の娘)  𠮷越千帆  

ローラン    (ピジョル家の息子) 小泉駿也

アボカド    (秘書・ローランと二役)

ロベール    (その夫)          井上純一

モーリス・ババン(市長)        永島敏行

ナデージュ   (ロベールの秘書)  遠野なぎこ

   

日程 2021年4月27日(火)~29日(木)
会場 博品館劇場 (銀座8丁目)
料金 全席指定 6,500 円
前売開始日 2021 年3月3日(水)
チケット取り扱い 博品館/チケットぴあ/イープラス/Confetti(カンフェティ)