公益財団法人東京二期会は、 オーストリア・リンツ州立劇場との共同制作で、 モーツァルト作曲のオペラ『魔笛』を2021年9月8日(水)・9日(木)・11日(土)・12日(日)東京文化会館 大ホールにて上演。
このプロダクションは、 演出家宮本亞門の欧州オペラデビューとして、 2013年オーストリア・リンツ州立劇場のシーズン・オープニングに世界初演され、プロジェクションマッピングの最新技術を駆使した、 色彩豊かで躍動感あふれる『魔笛』のファンタジー世界は、 「拍手が異様なほどいつまでも鳴りやまなかった」(クローネン新聞)、 「『魔笛』の精神は価値ある姿で蘇った。 宮本亞門とそのチームに特別な拍手を送りたい!」(ノイエス・フォルクス新聞)など、 現地メディアからも高い評価を受け、 ロングラン公演で連日満席を記録。
2015年の東京凱旋公演(東京二期会主催)でも連日の大入りとなり、大きな評判を呼びました。特に若い世代からの支持が高く、 東京公演の4日間では700名以上の学生の来場を記録するなど、これまでオペラ鑑賞に触れたことのなかった方の多くから賞賛を贈られる公演に。初演以来、再演を望む声の高かった宮本亞門演出『魔笛』が、 ついに2021年9月に東京で実現。
二期会は2022年に創立70周年。当公演は、2021年から3年にわたってお贈りする「二期会創立70周年記念公演」シリーズの一つであり、 2021-2022シーズンのオープニング演目。
70年近くの二期会の歴史において、 最も公演回数の多い作曲家がモーツァルトであり、中でも『魔笛』は今回で16回目。 ザラストロ妻屋秀和、 タミーノ金山京介、 パミーナ嘉目真木子、 夜の女王高橋維、 パパゲーノ萩原潤らプレミエキャストのほか、 演出家からの信頼も厚い東京二期会が誇る最高峰の歌手ばかり。
指揮にはリオネル・ブランギエ。 1986年フランス生まれという若さで、 すでにチューリヒ・トーンハレ管弦楽団の首席指揮者・音楽監督を歴任し、 これまでに、 ニューヨーク・フィル、 ロサンゼルス・フィル、 ロンドン交響楽団、 ゲヴァントハウス管弦楽団ほかと共演。 欧米の一流オーケストラを席捲する新鋭が、東京でオペラ・デビューを果たす。
オペラ『魔笛』は、 主人公である王子タミーノと彼が心を寄せる娘パミーナが、 高僧ザラストロから与えられた試練を乗り越え、 愛を成就させるとともに、 世界も平和に満たされていくという物語です。 今、 世界が置かれている状況を考えると、 コロナ禍にいる私たちは、 まさに突然与えられた試練の前に立ちすくんでいるタミーノとパミーナであるかのよう。
この度の再演に際して、 宮本亞門は「(『魔笛』にあらわれる試練とは)『最も恐ろしいものを見て、 それでも二人で生きていくのか』という厳しい問いだと思う」と語り、 タミーノがパミーナとともに試練を受ける決意をするところは「自分が最も愛する人とともに歩み、 愛を大切に生きていくということの宣言でもある」と続ける。
オペラ『魔笛』は、 1791年ウィーンで初演された当時より絶大な人気を誇り、 今日に至るまで世界中の人々に感動を与えてきた作品。2013年に誕生した宮本亞門演出『魔笛』は「『魔笛』の精神が蘇った」と評価され、 オーストリア、日本両国で絶大なる支持を得た。 世界の状況が一変した今、 このオペラの普遍的なメッセージ、物語により深まりをもつこの再演には大きな意義がある。
演出・宮本亞門からのメッセージ入り予告編映像公開中!(右のQRコードよりご覧ください)
『魔笛』から始まるオペラの世界~〈二期会名作オペラ祭〉 そして、 “もうひとつの『魔笛』”へ!
2021-2022シーズンは、 『魔笛』に続いて、 11月に日生劇場においてウィンナ・オペレッタの代表作J.シュトラウスII世『こうもり』を上演。 東京二期会では、 これらオペラの歴史の中でも名作中の名作である『魔笛』『こうもり』の2演目を〈二期会名作オペラ祭〉と題して、 S席の料金を12,000円と破格の設定に。
2022年2月には、 20世紀最大のメルヘンオペラの名作R.シュトラウス『影のない女』を公演。 2組の夫婦が試練を乗り越えるという筋書きは、 まさに『魔笛』のオマージュから生まれたものであることから、 『影のない女』は “もうひとつの『魔笛』”とも呼ばれている。今回の『影のない女』は、 二期会初演であり、 オペラ演出の世界的巨匠ペーター・コンヴィチュニーによる東京発のワールド・プレミエ公演。 『魔笛』から始まるオペラの世界へ!
舞台写真撮影:三枝近志
二期会公式HP:http://www.nikikai.net/index1.html