成河,瀧本美織,岡本健一,麻実れい,etc.出演舞台『森 フォレ』メインビジュ&公演日程公開ポストトークも開催決定

数々の演劇賞を受賞した『炎 アンサンディ』『岸 リトラル』に続く “「約束の血」4 部作”第3弾 上演決定!
ワジディ・ムワワド作の一大叙事詩の集大成に、再び上村聡史、挑戦。

これまでに『炎 アンサンディ』(2014年初演、17年再演)、『岸 リトラル』(17 年戯曲リーディング公演、18年本公演)と、気鋭の劇作家ワジディ・ムワワド作 “「約束の血」4 部作”シリーズを上演。宗教・戦争・歴史といった題材、難解さを超越する作家の世界観、構成力、魅了する台詞、そして普遍性を見つめた視点が高く評価され、数々の演劇賞を受賞。続く第3 弾、3年の歳月を経て、『森 フォレ』の上演が決定。

演出を手掛けるのは、『炎 アンサンディ』、『岸 リトラル』を数多くの演劇賞受賞へと導いた上村聡史
出演には、『岸 リトラル』で読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した岡本健一、『炎 アンサンディ』で菊田一夫演劇賞大賞を受賞した麻実れいほか、栗田桃子、亀田佳明、小柳友、更に、成河、瀧本美織、岡本玲、松岡依都美、前田亜季、大鷹明良が加わり、総勢11名の実力派俳優が集まった。11人の俳優が登場人物40人以上を次々と演じ分け、6世代に渡る壮大な“血”の物語を描く。

<作者について>
作者ワジディ・ムワワドは 1968 年レバノン・ベイルートに生まれ、幼い頃に内戦を逃れてフランスへ亡命し、その 後、カナダのケベック州(フランス語文化圏)へ移住したという波乱に満ちた経歴を持つ作家です。2000 年『沿 岸/Littoral』(=『岸 リトラル』)でカナダ総督文学賞(演劇部門)を受賞、この作品にはじまる「約束の血」4 部 作(=『岸』『炎』『森』『天』)を 2009年アヴィニョン演劇祭で発表し世界にその名を知らしめました。
2010年には来日し『頼むから静かに死んでくれ』(=『岸 リトラル』)を静岡県舞台芸術センター(SPAC)で上演。 2016 年5月にも作・演出・出演の一人芝居『一人』(邦題『火傷するほど独り』)を同じく SPAC で上演し、その鮮 烈な才気は観客を圧倒しました。
2016年4月、コリーヌ国立劇場(フランス・パリ)芸術監督に就任したムワワドは、就任第一作としてパレスチナ問 題に翻弄される人々を描いた『Tous des oiseaux』(邦題『空を飛べたなら』)を上演。好評を博し、世界各地で巡 演。日本でも 2020 年 4 月に SPAC で上演予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、あえなく公演中 止に。コリーヌ国立劇場も閉鎖されましたが、YouTube で日記形式のテキストを朗読で配信したり、学生と公開 のライブミーティングを行うなど、コロナ禍においても積極的に芸術・演劇情報を発信しています。

<演出:上村聡史より>

再びワジディの台詞に出会えることを大変嬉しく、改めて、想像力というものが、いかに人生にとってかけがえのな い産物かということを思わせてくれる氏の世界観に、表現の可能性を感じ、演出できる喜びを噛みしめています。 いつもながらの、個人の小文字の物語と歴史の大文字の物語が交差する作劇は、深遠な想像を喚起することは さることながら、今作は、前二作の中東をイメージした舞台設定から、ヨーロッパへと舞台を移します。時間軸も、 産業革命後の資本社会が台頭する 1870 年から、第一次・第二次世界大戦という戦争の世紀を潜り抜けて、閉塞 感漂う神なき現代までの約 150 年が描かれます。とりわけ、『森 フォレ』は“女性の身体”が重要なキーワードとな っていて、愛や憎しみ、不安や渇望といった普遍的な感情が、脳、血、顎、腹、肌、性器、心臓といった身体のパ ーツへと反映され、それら身体の神秘と可能性が物語を大きく突き動かしていきます。その純然たる身体と感情 の迸りを、“約束の継承”とも言うべきテーマへと繋げ、熱量と詩的な奥行きを感じる、歴史と個人の一大叙事詩と して、今の時代に仕立てたいと思います。

<物語>
1989 年 11 月ベルリンの壁崩壊直後、モントリオールに住むエメ(栗田桃子)にてんかんの発作が起き、知るはず もない第一次世界大戦中のフランス兵・リュシアン(亀田佳明)の名前を口にする。その原因として考えられるの は、妊娠中のエメの脳に生じた悪性腫瘍のためであった。エメが健康な状態で生き延びるには、堕胎を選択する ことだったが、エメは出産を決断し、娘ルーを生む。そしてエメは意識不明の状態に陥り、15 年後に死ぬことにな る。
20 歳に成長した娘ルー(瀧本美織)は、偶然にも母エメと同じ形をした第二次世界大戦時の被害者の頭蓋骨を 所持するというフランスの古生物学者ダグラス(成河)の来訪により、母の死の真相を、父バチスト(岡本健一)か ら聴くことになる。「母エメは双子を妊娠したが、男児の方が、エメの子宮から脳へと移り住み、まるで、その双子の 兄弟が悪性腫瘍を引き起こしたよう」と。そして、ダクラスの説得により、カナダ北部セント・ローレンヌ川の河口に 住む、エメを捨てた祖母リュス(麻実れい)に会いに行く。しかしそこで、リュスの母が第二次世界大戦をレジスタ ンスとして生き、その名がリュディヴィーヌ(松岡依都美)であるということを知る。ルーとダグラスは偶然に導かれな がら、自らのルーツを探るために、フランスへと旅立つのだが…。

<概要>
『森 フォレ』
作:ワジディ・ムワワド
翻訳:藤井慎太郎
演出:上村聡史
出演:成河 瀧本美織 /
栗田桃子 前田亜季 岡本玲 松岡依都美 / 亀田佳明 小柳友 大鷹明良 /
岡本健一 麻実れい
日程:2021年7月6日(火)~7月24日(土)
※7月16日及び22日の公演終了後には、ポストトークあり(以下、予定登壇者)
16日:上村聡史、成河、岡本健一/野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督)
22日:上村聡史、成河、瀧本美織、岡本健一、麻実れい
会場:世田谷パブリックシアター
公式HP:https://setagaya-pt.jp/performances/202107mori.html