新国立劇場 2020/2021 シーズン オペラ 『カルメン』7月3日より上演

世界で最も人気のオペラ『カルメン』。魔性の女カルメンとホセの破滅的な愛がドラマティックに描かれるビゼーのオペラを、アレックス・オリエの新演出で上演。2019 年『トゥーランドット』で、ダイナミックな空間演出と、観客を唸らせる解釈で話題を巻き起こした演出家オリエが、大野和士芸術監督と再びタッグを組み、新たな『カルメン』を世界へ発信。
オリエはカルメンを現代的で知的な女性と捉え、現代に通じる愛の悲劇としてドラマを再構築する。

アレックス・オリエはスペインの前衛的パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウス La Fura dels Baus の6人の芸術監督のひとり。大規模な野外イベントや演劇など広い分野で活動している演出家。1992 年のバルセロナ・オリンピックでは、同カンパニーのカルルス・パドリッサと“地中海、オリンピック の海”をテーマに開会式を共同演出。この開会式はクライマックスで聖火を灯した弓を70メートル先の聖火台に向かって放ち見事に点火させた演出で、史上最も劇的なオリンピック開会式と言われている。
オリエは近年オペラの演出で特に活躍し、ザルツブルク音楽祭、パリ・オペラ座、モネ劇場、ミラノ・スカラ座など世界の歌劇場で話題作を発表。19年に新制作した 『トゥーランドット』でオリエは、劇場に聳える壁と巨大な昇降装置を用いて近未来的なディストピアを出現させ、“権力”と“虐待”を基本コンセプトに演出。

[セットデザインより]


[アレックス・オリエ]

先祖の虐待のトラウマで心を閉ざした女性が異国の王子と結ばれハッピーエンドに終わる『トゥーランドット』のストーリーを覆す、衝撃的なラストシーンで観客を圧倒。 オリエの解釈では、カルメンは現代的で知的、勇気と反骨心を持って自由に生きる女性であり、ホセは独占欲が強く、嫉妬深く、拒絶 を受け入れられない男。こうした性格の二人が出会い、恋に落ちることはどこででも起こり得ること。現代の我々へ通じるドラマ『カルメン』となるであろう。
指揮には大野和士オペラ芸術監督。カルメン役にはフランス・オペラを得意とし、演技力にも定評のあるフランスのメゾ、ドゥストラック、ホセには新進テノールのアガザニアンが登場する。エスカミーリョには新国立劇場初登場のアレクサンドル・ドゥハメル、ミカエラには日本のソプラノを代表する一人砂川涼子

<概要>
日程:2021年7月3日14:00/6日18:30/8日14:00/11日14:00/17日14:00/19日14:00
指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:マルコ・フィリベック
[キャスト]
カルメン:ステファニー・ドゥストラック
ドン・ホセ:ミグラン・アガザニアン
エスカミーリョ:アレクサンドル・ドゥハメル
ミカエラ:砂川涼子
スニガ:妻屋秀和
モラレス:吉川健一
ダンカイロ:町 英和
レメンダード:糸賀修平
フラスキータ:森谷真理
メルセデス:金子美香

合唱指揮:冨平恭平
合唱:新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル
児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
芸術監督:大野和士
後援:スペイン大使館
公演情報WEBサイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/carmen/

<提携公演>
びわ湖ホール沼尻竜典オペラセレクション『カルメン』
2021年7月31日・8月1日
指揮:沼尻竜典 演出:アレックス・オリエ
<カルメン> 谷口睦美/山下牧子
<ドン・ホセ> 清水徹太郎/村上敏明 ほか