2020/2021 シーズン 新国立劇場バレエ団「ライモンダ」6月5日より上演

『ライモンダ』はアレクサンドル・グラズノフの音楽が大変美しい中世十字軍の時代の物語、プティパ最後の傑作といわれる古典バレエ。新国立劇場では、この格調高い古典名作を、当時英国ロイヤルバレエで活躍していた吉田都芸術監督などを主演ゲストに招き2004年に初演。
牧阿佐美の格調の高い振付と演出、現代的でスピード感あふれるスペクタクルな舞台展開、そしてルイザ・スピナテッリの色彩が印象的な衣裳・舞台美術は大変評判をよび、朝日舞台芸術賞を受賞。また、08年2月にはジョン・F・ケネディ・センター主催の日本フェスティバルで上演され、好評を博したバレエ。

『ライモンダ』の舞台は中世のフランス・プ ロヴァンス地方。ライモンダの婚約者ジャン・ド・ブリエンヌはプロローグで十字軍遠征へ向かう。まるで絵画を見ているような、西洋と東洋双方の中世的色彩に溢れた美術のなかでドラマが展開。華やかな絵巻物を紐解くような舞台となっている。

『ライモンダ』は第1幕ではクラシック、第2幕ではキャラクター・ダンス、第3幕てハンガリー風と幕ごとに異なるテイストの踊りを味わえ、スピーディーに展開するドラマと共に、踊りの醍醐味もふんだんに盛り込まれています。
中でも、1幕、2幕ではライモンダを巡る恋の三角関係のドラマが運ばれていくのに対し、第3幕では有名な「グラン・パ・クラシック」で8組の男女カップルを従えたライモンダとジャンによる豪華絢爛な踊りが披露される。

ジャンの恋敵として登場するサラセンの王・アブデラクマン。牧阿佐美版ではこのキャラクターを、無理やりライモンダを略奪しようとする悪役ではなく、ライモンダに恋焦がれてる1人の男性として描いています。それによっていつの時代にも通ずる、男女の普 遍的な恋愛模様としてストーリーが進んでいきます。 優しく端正な騎士であるジャンと、野性的で愛情をストレートに表現するアブデラクマンという異なる魅力をもつ男性 2人は、立場や人種は違っても、心からライモンダを愛しているということは変わりなく、ご覧の方も感情移入しやすいキャラクター設定となっています。

<概要>
日程・会場:2021年6月5日〜13日 新国立劇場 オペラパレス
芸術監督:吉田 都
振付:マリウス・プティパ
改訂振付・演出:牧 阿佐美
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
美術・衣裳:ルイザ・スピナテッリ
照明:沢田祐二
指揮:アレクセイ・バクラン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
出演:新国立劇場バレエ団

公式HP:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/raymonda/

Photo by Satoshi Yasuda