英国最高峰オリビエ賞をはじめ数々の賞を受賞した演出家マリア・フリードマンのもと、 平方元基、 ウエンツ瑛士、 笹本玲奈をはじめ実力派キャストが集結したブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』~あの頃の僕たち~が、 5月17日に新国立劇場中劇場にて初日を迎えた。
現代ミュージカル界の巨星スティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲し、 大女優マリア・フリードマンの演出で英国最高峰オリビエ賞を受賞し、 初演から40周年となる『メリリー・ウィー・ロール・アロング』~あの頃の僕たち~が5月17日開幕。
演出は、 英国を代表する大女優マリア・フリードマン。 ソンドハイム作品とは縁が深く、 氏からも厚い信頼と本作のメアリー役も過去に演じた経験がある。 それ故に、 細部にわたるまでの拘りと緻密な演出が光る。 俳優たちの最大のパフォーマンスを引き出し、 作品の本質を押さえた演出は、 より一層進化した日本バージョンとして完成した。
結果が先にあり、 その要因となったエピソードを後から追っていくことで、 主人公・フランクの自問として幾度も歌われるフレーズ「なぜここに来た?」が観客の頭にも常に存在し、 物語の中へ意識的に答えを求めていくことになる。
あの時の選択は、 正しかったのか、 間違っていたのか。 あの時に踏みとどまるべきだったのか、 否か。
フランクの問いは、 いつしか観客自身の問いになる。
難曲で知られるソンドハイム作品だが、 これまでの彼の作品とは一線を画す。
どの曲も聞きやすく、 ハートフルなナンバーの数々。 友情を謳う〈オールド・フレンズ〉、 惜別のバラード〈ノット・ア・デイ・ゴーズ・バイ〉、 「世界を変えよう」と歌う〈アワー・タイム〉と、 聴くたびに心を洗われる瑞々しいナンバーで、 今回はフリードマンの演出により、 さらなる感動で胸に迫る。
夢を追いかける若者たちは何を掴み、 何を失ったのか。
カリスマプロデューサー・フランクを演じる平方元基は、 若き日に夢を追い求め、 友情を誓い合った親友たちとの決別と後悔を体現し真骨頂を発揮する。
ユーモア溢れるチャーリー役のウエンツ瑛士は、 作家として友情との狭間で揺れる心を繊細に演じる。
そんな二人の仲を繋ぎとめようとするメアリー役の笹本玲奈は、 20年間の時間経過とともに声色を変えていきながらリアリティのある表現を追求している。
切なく心に染みるソンドハイムの旋律に乗せ、 昆夏美、 今井清隆、 朝夏まなと、 岸祐二、 上口耕平、 渚あき、 中別府葵、 宮原浩暢ほか、 ミュージカル界最高の布陣でお贈りする。
開幕にあたり、 演出家・キャストよりコメントが到着。
■演出:マリア・フリードマン
皆さまこんにちは、 マリア・フリードマンです。
この度は日本を訪れて稽古場を共にすることこそ叶いませんでしたが、 カンパニー全員が一流のアーティストとしての技量を見せ、 私が世界の反対側にいても誇りに思えるような素晴らしい作品が出来あがったと思います。 願わくば、 何年経っても思い出していただけるような、 そんな心に残る公演となりますように。 海の向こうからたくさんの愛をお送りします、 皆さまどうぞご自愛を。 そしてこの美しい作品をご堪能ください。
■フランク役:平方元基
初日が迎えられること、 心から嬉しく思います。 逆再生のミュージカル、 そして、 ソンドハイムの難曲。 そして、 海外とのリモート稽古の日々。
今までのどの作品よりも大変でした。 あまりの大変さに先輩に弱音を吐いたら、 「大変な分、 いい作品になるさ。 」心がスッと明るくなりました。 このカンパニーとだから、 今日までこれました。 海を越え、 演出してくださったマリア、 振付のティムにも大きな愛を込めて。
どうか皆様、 作中、 沢山の沢山の小さな大きな発見をしてみてください。 それはどれも間違いでなく正解でもなく、 あなただけに送られたギフトになると思います。
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』、 よろしくお願いします。
■チャーリー役:ウエンツ瑛士
まずは、 この様な状況下で舞台の幕を開けられる事に心から感謝しています。 そしてなによりも足を運んで下さるお客様へ、 我々はその気持ちに応えられる作品をご用意しました。 お互いの顔もハッキリと認識できずに、 リモートでの稽古でどこまで行けるか不安でしたが、 胸を張ってお客様をお出迎え出来ます。
万全の感染対策をしてお待ちしてます。
■メアリー役:笹本玲奈
この作品をお客様のいらっしゃる前で生でお届け出来る事を信じて、 キャストスタッフ一同、 厳しい感染症対策の中、 心を一つにお稽古してまいりました。
今日と言う日を無事に迎えられた事、 本当に嬉しく思っています。
家族や友人と会えなかったり、 お互いの表情を見て会話する事も、 お互いに触れる事も許されない今、 舞台が大好きなお客様が明日からまた元気に生きていこう!と思って下さる様、 最高の舞台をお届けしてまいります。
■ベス役:昆夏美
本日ついに開幕します。 この状況下の中での稽古、 カンパニー全員一丸となって励んできました。 作品をお客様に無事にお届けするという一心で。 もうその想いだけでした。 だからこそ初日を迎えることができて本当に嬉しいです。 ご覧になった後、 過去の自分と久々に対話したくなるような作品になっていると思います。 どうぞお楽しみください!
■ジョー役:今井清隆
舞台プロデューサー、 ジョー役の今井清隆です。
長年ミュージカルの舞台を演っていますが、 スティーブン・ソンドハイムの作品は初めてなので、 兎に角楽しみでした!
期待通り、 音楽は勿論なのですが、 演出家のマリア・フリードマンさんの演出が非常に繊細で、 彼女自身が愛情たっぷりな人柄なので毎日稽古に行くのが楽しみでした!
今回はリモートでの稽古でしたが、 いつの日か直接、 間近で彼女の演出を受けたいと心から思いました。
そんな彼女の愛情溢れたこの作品の素晴らしさをお客様にどうお伝えするかが我々の使命と思い、 千秋楽まで頑張って演じ続けたいと思います!
■ガッシー役:朝夏まなと
女優ガッシーを演じます朝夏まなとです。
どうなるか不安な中稽古をしてきましたが、 無事に初日が迎えられそうで嬉しいです。
リモートではありましたが、 演出のマリアさん、 振付のティムさんの熱い想いは画面越しにもちゃんと伝わってきて、 この作品を良いものにしたいと思いました。 私のガッシーという役は、 物語のスパイス的な役割なのでエネルギーを持ってリアルに演じたいと思っています。 「人間って不器用だけどなんかいいなぁ」心の琴線に触れる作品です。 お客様に何かが届きますように。
<ストーリー>
作曲家としてブロードウェイで頭角を現し、 今はハリウッドの映画プロデューサーに転身して、 大成功を収めているフランク(平方元基)。 彼は40歳にしてロサンゼルスの高級住宅地に豪邸を構え、 アメリカンドリームの体現者として周囲からもてはやされている。 だが、 今の生活が空虚に感じられてならない彼は1人になると、 ふとこれまでの人生に思いを馳せる。 思い出すのは、 無二の親友だったチャーリー(ウエンツ瑛士)とメアリー(笹本玲奈)と駆け抜けた若き日々。 そして永遠の愛を誓ったベス(昆夏美)と幼かった息子のこと。 最後まで側にいてくれようとしたメアリーとの別れ。 本当に作りたいミュージカルを、 ともにブロードウェイで上演するはずだったチャーリーとの断絶。 自らの過ちが招いた、 妻のベスと息子との別離。 そしてブロードウェイで体験した初めての成功。 のちの人生を大きく変えた女優のガッシー(朝夏まなと)、 プロデューサーのジョー(今井清隆)との出会い……。
フランクはチャーリー、 メアリーと過ごしてきた日々を遡り、 その中で繰り返してきた、 いくつもの選択を振り返っていく。 そして、 かけがえのない絆が生まれたあの日を思い出したとき、 フランクの胸に去来するものは――。
【公演概要】
ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』~あの頃の僕たち~
[キャスト]
平方元基
ウエンツ瑛士
笹本玲奈
昆 夏美
今井清隆
朝夏まなと
岸 祐二
上口耕平
渚 あき
中別府 葵
宮原浩暢 (LE VELVETS)
中井智彦
井阪郁巳
家塚敦子
三木麻衣子
森 加織
雅原 慶
高木裕和
前田武蔵・荒井天吾(Wキャスト)
[スタッフ]
作曲・作詞:スティーブン・ソンドハイム
脚本:ジョージ・ファース
演出:マリア・フリードマン
振付:ティム・ジャクソン
翻訳:常田景子
訳詞:中條純子
美術・衣裳:スートラ・ギルモア
照明:柏倉淳一
音響:大野美由紀
ヘアメイク:馮 啓孝
音楽監督:竹内 聡
歌唱指導:安崎 求、 高野絹也
演出助手:陶山浩乃
舞台監督:瀧原寿子
[東京公演]
期間:2021年5月17日(月)~5月31日(月)
会場:新国立劇場 中劇場
主催:ホリプロ アスミック・エース
後援:ブリティッシュ・カウンシル
[愛知公演]
期間:2021年6月4日(金)・5日(土)
会場:愛知県芸術劇場大ホール
主催:キョードー東海
[大阪公演]
期間:6月11日(金)・12日(土)
会場:梅田芸術劇場メインホール
主催:梅田芸術劇場
企画制作:ホリプロ
▼公式HP
https://horipro-stage.jp/stage/merrily2021/
▼公式twitter
https://twitter.com/merrily2021
撮影:岩田えり