新国立劇場と東京文化会館が展開する「オペラ夏の祭典 2019-20 Japan↔Tokyo↔World」の第2弾。『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、誰しも耳になじみのある勇壮な前奏曲に始まり、活き活きとした人間模様と芸術の理想が壮大に描かれる、祝祭感あふ れる人気作。本公演は新国立劇場、東京文化会館とザルツブルク・イースター音楽祭、ザクセン州立歌劇場の共同制作。ザルツ ブルクでの初演、ドレスデンでの上演後、2020 年の上演予定が中止、今回待望の上演が実現。マイヤー、エレート ら世界のワーグナー歌手と日本の実力派歌手が贅沢にも集結、大野和士芸術監督指揮により、ワーグナーの芸術讃歌が 3 年越しとなった「オペラ夏の祭典」を締めくくる。
ワーグナーの大作『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、芸術における伝統と革新性の対立、 寛大なる父性、年長の男性が若い娘に向ける純愛と諦念などが絶妙な音楽で描かれる、祝祭的 作品です。上演に大人数と長時間を要す大スケールの作品で、人間味あふれるドラマを通じ、「伝統に対する敬意と新しいものへの意欲こそ芸術の永遠性を生む両輪である」というワーグナーの芸術讃歌が響く。
東京文化会館及びザルツブルク・イースター音楽祭、ザクセン州立歌劇場との共同制作による本プロダクションの演出は、ドイツ気鋭の演出家イェンス=ダニエル・ヘルツォーク。舞台を“劇場”とし、 花嫁をかけた歌合戦をめぐる人間関係の悲喜こもごもが、現代の劇場の人間関係をメタファーに、活き活きと描かれる。
指揮は大野和士芸術監督自らが務め、新国立劇場でも大人気のアドリアン・エレートが、ザルツブ ルク、ドレスデン公演に続き当たり役ベックメッサーに出演するほか、世界最高峰のワーグナー・バ リトンのトーマス・ヨハネス・マイヤー、躍進中のトミスラフ・ムツェック、望月哲也、林正子と華やかな キャスト、そしてマイスター達として日本を代表する男性歌手陣が贅沢にも勢ぞろい。オーケストラピットには、 大野和士が音楽監督を務める東京都交響楽団が入る。
<あらすじ>
【第1幕】
ニュルンベルク。聖カタリーナ教会で騎士ヴァルターはエーファに一目惚れする。ヴァ ルターは翌日のマイスタージンガーの歌合戦の勝利者がエーファを花嫁にできるとマグダレーネ から聞き、自分も歌合戦に参加しようと徒弟のダーヴィットから歌の心構えを聞く。書記ベックメッ サーとエーファの父ポーグナーが現れるのでヴァルターは試験を受けたいと頼みこむ。明日の合 戦について協議する親方達の前で、ヴァルターは自作の歌を披露する。歌の途中でやはりエー ファとの結婚を目論むベックメッサーが非難を口にし始め、靴屋のハンス・ザックスのみが、認め るべき箇所が多いと擁護する。失格となったヴァルターは意気消沈する。
【第2幕】
エーファは、騎士の様子を父親に訊ねるが、彼は言葉を濁す。ザックスがエーファを愛する心を歌っていると、当の彼女が現れてヴァルターの出来について聞きだそうとする。エーファのヴァルターへの愛が本物だと知ったザックスは、彼女のために動こうと決 心。エーファを訪ねて来たヴァルターはことの次第を悔しげに語り、駆け落ちを迫る。ベックメッサーがエーファの部屋の下でセレナーデを歌おうとすると、ザックスが金槌の音を立てて邪魔をし、エーファの身代わりで窓辺に立つマグダレーネの姿に、彼女と恋仲のダーヴィットが気付いて大騒動に。騒ぎに乗じて家を出ようとしたエーファとヴァルターの前にザックスが飛び出して、騎士を家に引っ張り込み、娘は父親に引き渡す。
【第3幕】
翌朝。ザックスは自分の迷いから逃れられない。ヴァルターが夢に見た話を語るので、ザックスはそれを歌にせよと励ます。ベックメッサーが訪ねて来て、ザックスが書き留めたヴァルターの歌を自分のものにしてしまう。エーファは ヴァルターとともに、ザックスに感謝の気持ちを表す。歌合戦でベックメッサーが 歌いだすが上手く行かず、責任をザックスに被せる。ザックスは同じ歌をヴァルタ ーに歌わせ、皆は彼の歌いぶりに感動する。勝利が決まったヴァルターにザックスが伝統の重みを説き、一同がザックスを讃える。
<概要>
公演日程:
2021年11月18日(木)16:00/21日(日)14:00/24日(水)14:00/28日(日)14:00/12月1日(水)14:00
会場:新国立劇場 オペラパレス
指揮:大野和士
演出:イェンス=ダニエル・ヘルツォーク
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団
出演:
ハンス・ザックス…トーマス・ヨハネス・マイヤー
ファイト・ポーグナー…ギド・イェンティンス
クンツ・フォーゲルゲザング…村上公太
他
※本公演は、新国立劇場、東京文化会館、ザルツブルク・イースター音楽祭、ザクセン州立歌劇場の国際共同制作で上演。
公演情報WEBサイト:https://www.nntt.jac.go.jp/opera/diemeistersingervonnurnberg/