ピューリッツァー賞戯曲部門に注 目していたG2が自ら、「この戯曲を演出したい!」と心から願った 2012 年の受賞作品、翻訳と共に演出も手がける。さらに出演には、昨年の「スーパー歌舞伎II ワンピース」で市川猿之助が怪我で降板した後、 全編の主演を務め注目された尾上右近が、自身初となる翻訳現代劇の舞台に挑戦。幼い 頃に実母からネグレクトを受けて育ったトラウマを持ち、成長してイラク戦争参加した後に負った 負傷が原因で、薬物依存になった過去を持つ青年・エリオットを演じる。
公演に先駆けて囲み会見が行われた。登壇したのは尾上右近 、篠井英介、 南沢奈央、 葛山信吾、 鈴木壮麻、 村川絵梨 、 陰山 泰。
この作品は尾上右近にとって初の現代劇でしかも翻訳モノ。初めて尽くしの舞台となる。「初めての現代劇で、ゲネプロというのも初めてで、厳しい空気を感じながら、緊張とかいろんなことが混ざって・・・・・・明日はどうなるのかわからない、正気の沙汰じゃない・・・・・みんなで稽古して作り上げたことを守りながら、今の気持ちの中で感情を乗せて踏み出そうと、明日を迎えようと・・・・・・」と語る。
南沢奈央は「ネットの世界を描いていて、現代ならではの作品だなってすごく感じるんですけど、本当に一つの舞台上で表現して、これがどう伝わるのかな?と、実際にお客さまに観てもらって、それがすごく楽しみで。でも、国も人種も違う、育った環境も違う登場人物ですが、最後には人とのつながりの温かさみたいな、そんなところが伝わればいいなと。本番中にどんどん進化させていけるように」とコメント。
葛山信吾は「非常に不安な状態ですが、最後にどういう変化をするのかが非常に楽しみな作品だなと。お客様の反応が出るとまた、自分たちも乗せられてっていうんでしょうか、どういう芝居になるのかは自分たちも楽しみです」と語る。
影山泰は「僕たちには馴染みがないような、言葉やドラッグ中毒とか、私の役はおそらくPTSDっていうか、フラッシュのような感じが出てきてる・・・・・いろいろと想像はするんですが、まだまだ手強い脚本で、格闘中ですが、お客様にどう伝わるのか、それがとても楽しみにしています」とコメントしたが、手強いからこそのやりがいも垣間見える。
鈴木壮麻は「僕はネットの世界の住人なんですよ。そこでの、空間の取り方に苦しみながら、悩みながら稽古していました。みんなに応援してもらいながら、支え合いながら、乗り越えると。お客様にどう、ネットと現実の人間同士の関わり合いをどう伝えていくのか、とても楽しみですし・・・・・・皆さんと素敵な舞台を作り続けていきたい」と語った。
篠井英介は「演劇ならではの女形だと思います。右近さんも歌舞伎でやっていらして、舞台では想像力をかきたてていただいて、(陰山泰を見て)向こうの端にはどこの国の人だがわからないのがいて(笑)・・・・・この並びを見たら『なんだろう』って・・・・・・内容は重いのですが、メンバーは和やかで、チームワークの良さが明日から、わんわんと出る、是非是非、お出かけください」とコメントしたが、そんな温かい雰囲気が伝わるカンパニー。
村川絵梨は「テーマがテーマなだけに宣伝が難しい」と言い「ゲネプロ、緊張しました」と語る。そして尾上右近の方を見て「普段、堂々としているから緊張しないのかな?と思ってたら、緊張してるんで(笑)」と言い、尾上右近は照れ笑いしつつ、それを受けて「ゲネプロでいっぱいいっぱい(笑)。ゲネプロ・・・・・・どう迎えるのかがわからなかった、見えないものに向き合っていくことなので・・・・・お客様の気持ちに飛び込んでいく気持ちで・・・・・・」とコメントしたが、初の現代劇、さらに「歌舞伎は先輩に教わる、これが(今回は)全くない、自分で作らなきゃならない、初めての現代劇、抵抗なく思い切りぶつけられる」と前向き発言。南沢奈央は「すごいテーマ」と作品についてコメント。
最後に尾上右近は「明日から22日まで!とにかく僕も含めて皆様、百戦錬磨の先輩たちも苦しみながら創り出しました!是非、劇場へ!」と締めて会見は終了した。
意欲的な作品であることは間違いない、この、ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル ~スプーン一杯の水。「スプーン一杯の水」に込められた意味は・・・・・・それは劇場で!
「ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル」 ~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~ G2『やっておかねばならない作品』
【概要】
タイトル:ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル ~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~
作:キアラ・アレグリア・ヒュディス
翻訳・演出:G2
出演:尾上右近 篠井英介 南沢奈央 葛山信吾 鈴木壮麻 村川絵梨 / 陰山 泰
場所:紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
日程:7月6日(金)~7月22日(日)
後援:TOKYO FM
協力:松竹株式会社
企画・製作:株式会社パルコ
公式サイト:http://www.parco-play.com/
文:Hiromi Koh