剛力彩芽,Dream Ami 主演 &2役に挑戦! ミュージカル『#チャミ』ありのままの自分だって「いいね!」

韓国で制作され、耳に残るメロディーと斬新なストーリーが話題を呼び、トライアル公演では観客や批評家から高い支持を得て全席完売を記録したミュージカル『#チャミ』。4年の開発期間を経て2020年に韓国で上演された新作ミュージカルを2021年9月9日より日本人キャストで上演。もしもSNS中の虚像が自分の目の前に現れたら?!笑いと癒しのコメディーミュージカル開幕!!
主人公は平凡な女の子チャ・ミホ。現実ではコンビニでアルバイトをしているが、SNSでは「いいね!」をもらうために完璧な自分の虚像「チャミ」(@CHA_ME)を作っている。そんなチャ・ミホのSNSの中にある日、自分の「Cha Me」表示され…。
SNSが欠かせない世の中を生きている私たちの現実をありのまま描いたミュージカル『#チャミ』は激しい競争社会で他人との比較に疲れている現代人に「ありのままの自分を大切に」というメッセージと共感に満ちた作品。初日の前に公開稽古が行われた。チャ・ミホは剛力彩芽、チャミはDream Ami、キム・コデは・井阪郁⺒、オ・ジニョクは丘山晴己
出だし、この物語の重要アイテムはスマホ。舞台のスクリーンいっぱいに!スマホがいっぱい!物語のキャラクター紹介も。歌、映像の街並みは東京、東京タワーが見える。歌が途切れない印象のミュージカル、ストーリーはトントンとテンポよく進行。主人公はどこにでもいそうな平凡な女の子・チャ・ミホ。ちょっと内気で自分は冴えないと思っている。就職活動、スマホに届いたメッセージはよく耳にする”お祈りメール”。これが現実。SNSを使っているチャ・ミホ、盛りに盛ってる。「いいね!」が欲しい、誰もが経験したことがある、ちょっとでも自分をよく見せたい、リア充という言葉もあるが、”充実した自分”、インスタ映えという言葉もあるが、今はもう、どうにでも”盛れる”。そんな時、チャ・ミホのスマホが割れる。「え〜〜〜」とチャ・ミホ。これが、波乱の始まり。
コンビニでバイト、そこへ新人が入ってくる、同期のキム・コデ。就職したが、なんか違う気がしたのかやめてしまい、コンビニにバイトしにきたのだった。そんな時!目の前に…「?!」、キュートなイカした女の子が!これこそがチャミ!理想の自分、チャミはチャ・ミホが手に入れたかったものを次々と手にする。彼氏も仕事も!派手に活動するチャミ。あわわ!!クレジットの明細が〜。「みんな、あなたがしたかったことでしょ」とチャミは言い放つ。それはそうなのだが…というのがだいたいの流れ。

チャ・ミホの憧れの先輩・オ・ジニョク、同期のキム・コデ、この二人も正反対、オ・ジニョクは自信たっぷりなイケメンで、ちょっとオラオラタイプ。対するキム・コデは少々引っ込み思案でチャ・ミホに好意を寄せているが、打ちあけることができない。だが、そっと彼女を見守る。

 

現代の寓話的な物語、チャ・ミホはチャミに振り回されつつも、少しずつ何かを見出していく。本当に大切なもの、大事にしたいもの。キム・コデは、そのままのチャ・ミホが好き、そしてチャミのことに面喰らうも、彼女が何者かが次第に分かってくる。一方のオ・ジニョク、大切にしていた本がふとしたことでキム・コデの手に渡り…。

すったもんだの挙句に、落ち着くところに落ち着くのだが、そこに至るまでの過程がジェットコースターのようにスピーディに、多彩な楽曲で進んでいく。映像演出、目の錯覚を利用した映像が、物語を立体的に見せる。盛りに盛ったSNSの自分、人間にはもともと、承認欲求があり、自然なことであるが、SNSが発達した21世紀は、それがとめどもなく盛れる!盛れる!そこに現代の落とし穴がある。「いいね!」が欲しい、たくさん欲しい。そのうちに本当の自分が見えなくなる。

しかし、このチャミの出現により、チャ・ミホは気づきを得るが、それだけではない。さりげなくそばにいたキム・コデ、彼はSNSは特に興味はない様子、後半、彼女に使い捨てカメラを渡す。枚数が限られているので、シャッターを押す時はよく吟味しなければならない。象徴的なシーンだ。また、オラオラ系イケメンのオ・ジニョク、御曹司ということらしいが…後半で彼の秘密が明かされるが、そこは劇場で!配信で!配信はHuluストアにて、19日の13時、20 日の13時公演が視聴できる。また見逃し配信も用意されている。

公開稽古終了後に会見も行われた。稽古に参加した4人の他に反橋宗一郎石井一彰も登壇した。
W主演で一人二役についてDream Amiは「一瞬のことのようで…まだまだ続いて欲しい、初日を迎えらえて!千秋楽まで安全、安心に!」といい、剛力彩芽も「まだまだ時間があると思ったら、気がついたらここに!!嬉しいけど、あっという間に終わっちゃうんだなと…寂しいけど、楽しんでやりたい」と二人とも充実した稽古期間を過ごした様子。井阪郁⺒は「Wキャストなので反橋くんとは全く違うんですね。剛力さんとAmiさんも入れ替わるので新鮮です」とコメント。「役創りもだいぶ違う」と石井一彰。反橋宗一郎は「(さらに)目線の高さが変わるので!4パターン全部観ていただいても!」とPR。舞台上ではもうイケイケなイケメンだった丘山晴己は「真面目に…」と言いかけたところで剛力彩芽が「一番、真面目だった!」と一言。Dream Amiは「この世の中でここまでやってこれたのがありがたい、3か月みっちりと稽古させてもらって!胸を張って!いいカンパニー、いい作品です。一人でも多くの方に!『#チャミ』は日本で初めての上演、楽しいなと思ってもらえて、もっともっと続いていけたら」とコメント。剛力彩芽も「製作発表会が懐かしい!チーム一丸となって作り上げた、日本で初めての作品、私はミュージカルは初めてですが、ここまでこれたのはみなさんのおかげです。ただただ、観ていただけたら!安心、安全で!」と語る。また記者席からの質問、一人二役については二人とも大変というよりも楽しかった様子。ただ剛力彩芽が「歌の分け方が大変だった」と語る。似た歌詞、また呼応する歌詞が結構多いので、そこが少々難しかったよう。剛力彩芽は「二役だからこそ作品に対する理解が深まりました」また演じて楽しいのは「チャミ、なんでもできる」(剛力彩芽)、「ミホの方が自分に近いかな?」(Dream Ami)。剛力彩芽は「ミホは気持ちが揺れ動くのが難しい」と語る。チャミの出現、チャミは憧れの先輩と付き合い始め、何をしてもバッチリ。本当の自分とは真逆で次から次へと自分がやってみたいことを実現する。ラスト近く、ありのままの自分をSNSにUPし、チャミが「そんなのあげてみっともなくないの?」というくだり。かつてのミホは盛らなきゃSNSにUPできないと思っていた、それを盛らずにUP、ささやかかもしれないが、これは”自分革命”、ありのままの自分でいい、と思った瞬間。剛力彩芽は「ありのままの自分でいることは難しいこと」とコメント、そこにこの作品の真骨頂がある。
Dream Amiは「(ミュージカル)こんなに楽しいんだ」と言い、ミュージカル初挑戦の剛力彩芽も「すごく楽しい!このメンバーだからこそ!」とコメント。息のあった座組、韓国版とは違う面白さと楽しさ、 そして4通りの組み合わせ。UP TO DATEな内容、演劇は時代を映す鏡、楽しくもハッとさせられるミュージカル、公演は21日まで。

<概要>
■公演タイトル:ミュージカル『#チャミ』
■公演日時:2021年9月9日〜9月21日 22回公演予定
■会場:自由劇場
■作/作詞:チョ・ミンヒョン
■作曲:チェ・スルギ
■キャスト:
・剛力彩芽 (ミホ / チャミ)2 役
・Dream Ami (ミホ / チャミ)2役
・反橋宗一郎(ミホの大学同期。ミホに片想いを寄せている キム・コデ役)
・井阪郁⺒ (ミホの大学同期。ミホに片想いを寄せている キム・コデ役)
・丘山晴己 (ミホが想いを寄せる先輩 オ・ジニョク役)
・石井一彰 (ミホが想いを寄せる先輩 オ・ジニョク役)
■日本版台本/演出:田尾下 哲
■日本語翻訳 / 訳詞:安田佑子
■音楽監督:宮崎 誠
■振付:石岡貢二郎(K-Dance Nexus)
■歌唱指導:モリモトマサミ
■主催/企画/制作 : LDH JAPAN
公式HP:http://musical-chame.jp
公式ツイッター:https://twitter.com/search?q=%23チャミ
(C)ミュージカル「#チャミ」JAPAN (Musical @Cha_Me)
Book & Lyrics by Min-Hyung Cho
Music by Sul-Gi Choi
Original Production by PAGE1
取材:高 浩美