99年に『堰-the weir-』がローレンス・オリヴィエ賞最優秀作品賞受賞したコナー・マクファーソンの作品、日本初演。首藤康之、山下リオ、小日向星一出演、12月3日より。
アイルランドの劇作家、コナー・マクファーソンが描く現代版「クリスマス・キャロル」。主人公はダブリンの葬儀屋で働くジョン。彼は家族から逃げ出していたが、10年ぶりに娘のメアリーが訪ねてくる。クリスマス・イブ、ジョンは「現在」と「過去」に向き合うことに。
<作家について>
1971年ダブリン生まれ。劇作家。
99年に『堰-the weir-』がローレンス・オリヴィエ賞最優秀作品賞受賞。『Shining City』でトニー賞の最優秀作品賞にノミネート『海をゆく者-The Seafarer-』はナショナル・シアターにて上演され、トニー賞最優秀作品賞、最優秀演出賞にノミネートされた。その他の作品に『Port Authority』、ボブ・ディランの楽曲を使ったミュージカル『Girl from North Country』などがある。ディズニー映画『アルテミスと妖精の身代金』の脚本も手がける。日本では『海をゆく者-The Seafarer-』『堰-the weir-』が上演されている。
<コメント>
[首藤康之]
心の中にある恐怖を抱えながら過去と未来の間に自分をおき自問自答する毎日・・・、それを紛らわせるために酒を呑み戯言を言う日々・・・、まるで僕・・・。 読み進めてみるとこの「ジョン」という男が、自身の分身のように思えてきた。この仕事をしていると自分が抱いている感情と表現しようとしている感情の間に本当の自分がいるような気がいつもしています。ジョンと自身の心の叫び声をエネルギーの源として、僕自身初めて体験する会話劇を精魂を注いで演じたいと思います。 今年50歳を迎えるこの時にジョンに出会ったのは何かしらの運命を感じています。本当に素晴らしい本です!少し変わったクリスマスを劇場で一緒に過ごしましょう! お待ちしております!
[山下リオ]
太陽が昇っては沈み、また夜が訪れる。
そうやって一日、また一日と、時間は平等に進んでいきますが、それが長いと感じたり、短いと感じるのは、世界人口の分だけ、 その一日にストーリーがあるからなのではと思います。 この物語は、ある男性の一日が描かれています。
男性は、2人の人物と会話する中で、心が揺れ動いていく。 台本を読みながら、他人の一日を覗き見しているような罪悪感を感じつつも、いつのまにか感情移入し、私自身の一日に影響を及ぼされる、 不思議な感覚になりました。海外の戯曲は初めてなので、今から緊張していますが、 一日一日の稽古を大切にお芝居できたらと思います。
[小日向星一]
マークを演じさせていただきます小日向星一です。
2014年に PARCO劇場で観た『海をゆく者』に心を揺さぶられたのを覚えています。 その作者のコナー・マクファーソンが書いた『ダブリン・キャロル』の世界に飛び込んでいけること、とても光栄です。台本を読み、観てくださる方の希望になれるような戯曲だと思いました。
座組みの皆様と一丸となって、舞台を作っていきたいと思います。 よろしくお願い致します。
[演出:荒井遼]
「海をゆく者」を学生時代に観た。日常の片隅に詩的なものが忍び込み溶け合うさまに魅せられ、作者コナー・マクファーソンの名前を覚えた。時が巡って この度、「ダブリンキャロル」を首藤さん、山下さん、小日向さんという素敵 なキャストの皆さんと、日本初演できる機会に恵まれて、とても光栄です。今年2月の「テンダーシング-ロミオとジュリエットより-」に続き、東演パラータでの上演になります。緊密で力を与えてくれる大好きな劇場です。
コナー。マクファーソン曰く “言葉をもった哀れな動物たち”つまり私たちが、求めてやまない“愛情”と、そして恐れてやまない“孤独”に真正面か ら挑む作品になります。
今年の年末は、一味違う「クリスマス・キャロル」はいかがでしょうか?
そこにあなたの姿があるかもしれません。ぜひ劇場に足をお運びください。
<あらすじ>
クリスマス・イヴの午前中。外は雨。
舞台はダブリンにある葬儀屋のオフィス。ジョン(首藤康之)はこの葬儀屋の主人のノエル
が病気になってしまったため、彼に代わってこの葬儀屋を取り仕切っている。マーク(小日
向星一)はまだ二十歳の若者でノエルの甥。アルバイトで葬儀屋の手伝いをしている。そこ
に仕事を終えたマークとジョンが戻ってくる。ジョンは10年前に家族を捨て、酒に溺れて
いた。そんなジョンを助けてくれたのがノエルだった。マークを相手に自分の過去を語り出
すジョン。どれだけ自分がダメな男だったのかを・・・。そんな午後、ジョンの娘・メアリ
ー(山下リオ)が10年ぶりにジョンを訪ねてくる。母親、つまりジョンの妻が癌で入院し
ており、ジョンに会いたいと言っているという。さらにジョンはメアリーの突然の来訪によ
って、蓋をしたはずの自分の過去と対峙することになってしまった。
果たしてジョンは妻に会いに行くのか・・・。
<概要>
日程・会場:2021年12月3日〜12月9日 東演バラータ
作:コナー・マクファーソン
翻訳:常田景子
演出:荒井遼
出演:首藤康之 山下リオ 小日向星一
主催・製作 幻都
企画制作 TSP
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
公式HP:https://theatertheater.wixsite.com/dublin2021