キエフ・バレエ団によるチャイコフスキー「夢の3大バレエ」は、バレエ界の最高傑作から 名場面だけを切り取った豪華ガラ公演。 “くるみ割り人形” “白鳥の湖” “眠れる森の美女”の作品より 最高のキャストと共に東京文化会館ほか、各都市にて 公演中。
今回、最も権威あるコンクール「ローザンヌ国際バレエコンクール」 で2014年に第1位を獲得し世界から注目を集めた「二山治雄」と 2017年に第3位を受賞した「中尾太亮」のゲスト出演が決定。
二山治雄は同コンクールにおける日本人出場者では、1989年の熊川哲也、2012年の菅井円加に続く3人目の1位獲得者。中尾太亮は2016年のコンクールでは怪我のため途中棄権、2017年に再びチャレンジし、3位を獲得した。
キエフ・バレエ団は世界屈指の名門、レジェンド・ダンサーであるニジンスキーを始め、ザハロワ、コジョカルなど、キラ星のごとくの名ダンサーを輩出している。このチャイコフスキー「夢の3大バレエ」は好評につき日本でこのシーズンに開催、ダンサーたちもすっかり日本贔屓。7月23日は東京文化会館での公演、猛暑にもかかわらず、大勢のバレエファンが詰めかけ、また、夏休みシーズンとあって子供達の姿も多く見られた。
最初は「くるみ割り人形」(第2幕)から。よく知っているメロディー、おとぎの国の場面、背景の絵がなんとも可愛らしく、難しいことは一切考えずに楽しく観られる。続いて「白鳥の湖」(第1幕 第2場)、成人した王子が白鳥の住む湖に狩りに行くが、そこは悪魔の支配する森。夜だけ人間の姿になれる白鳥たち。そこで王子は美しい姫に出会い、恋に落ちる幻想的で美しい場面。それから休憩を挟んで「眠れる森の美女」、ここで王子に扮した二山治雄と青い鳥に扮した中尾太亮が登場。高いジャンプに将来性を感じさせるパフォーマンス、まだまだ発展途上ではあるが、世界的なコンクールで結果を出している2名、ダンスが決まった瞬間に会場から大きな拍手と「ブラボー」の声援、2人とも現在は海外で研鑽を積んでいる身であるが、故郷である日本の観客からの温かい拍手は励みになったことであろう。
それから、別場所にて会見が行われた。まずは、なんと、ここでパフォーマンス披露!しかも衣装のまま!まずは“王子様”の二山治雄、舞台上でソロで踊ったところを1分ほど披露。それから“青い鳥”の中尾太亮、近くで見ると改めて、そのレベルの高いパフォーマンスに圧倒される。それからフォトセッションで会見が執り行われた。
現在は世界最高峰のパリ・オペラ座バレエ団と3度目の短期契約を結んだ二山治雄、来年の外部入団試験に向けて現在、奮闘中。この公演には昨年から参加、二度目となるが「去年も出させていただき、今年も出演できて幸せです」と語る。「フランスから帰ってきてからの公演、お客様が温かい。感謝しています」と故郷・日本をしみじみ感じる発言。中尾太亮も現在はロンドンにて勉強中。「ロンドンから帰ってきて最初の舞台。プロの方々と同じ舞台に・・・・・・光栄です。緊張しましたが、お客様が温かくて、これからも頑張っていきたい」と語る。また二山治雄は「向こう(パリ)の舞台は斜めですが、こちらは平な所が多くて踊りやすい」とコメント。中尾太亮は「海外のお客様は厳しい目線もありますが、暖かさも。日本と外国の華客の反応は違いますが、どちらも大切」としみじみ。実は昨年、この公演に参加して知り合いになった2人、ここで出会って仲良くなったそう。二山治雄は「一緒の舞台に立ってお客様が感動する舞台を」とコメント。一方の中尾太亮は「二山治雄さんがローザンヌで1位を取ったのはニュースで見まして『こんな人、いるんだ』って・・・・・・今、こうして同じ舞台にいる・・・・・・当時は思ってもみなかった」と語る。公演の見どころに関しては二山治雄は「初めてのお客様にとって見やすい、分かりやすい内容。これに関われるのは光栄です」と言い、中尾太亮は「バレエの中のバレエ!ハイライトシーンなのでストーリーを伝えるところが難しい、すごい大変!表情をしっかり作って・・・・・僕の中では大変」といいとこどりのハイライトシーンならではの難しさを口にした。役について二山治雄は「普段、王子の役はやったことがなくて、長身の人がやるイメージ。エレガントな部分もあって難しい。また普段はフランスにいるので、それ以外の海外の違いはよくわかりませんが、キエフ・バレエ団と共演して新鮮味もあり、刺激になります」とこの公演に参加すること自体が糧となっている様子。中尾太亮も「メゾッドが違うので、新しいですね」とコメント。
また海外を拠点にして活動している二人、やはり家族や恩師の電話は心の支え、それだけに日本での公演は嬉しいこと。二山治雄は「楽しんでもらえるように!プロのダンサーとしても成長した姿を見せられるように!」と言い、中尾太亮はシンプルに「頑張ります!」
夏休みこそ、バレエを!
<出演情報>
二山治雄:25日新宿文化センター、8月11日練馬文化センター、8/14たましんRISURUホール出演
中尾太亮:25日新宿文化センター、28日アクトシティ浜松、8/14たましんRISURUホール出演
<ローザンヌ国際バレエコンクールとは>
スイスのローザンヌで毎年行われる、15歳から18歳までの バレエダンサーを対象としたコンクール。主たる賞である ローザンヌ賞で無償で留学・研修することのできる権利を 生活支援金とともに授与している。 歴代の受賞者の多くがプロとして活躍していることから、 若手バレエダンサーの登竜門の一つと考えられてきた。
【公演概要】
キエフ・クラシック・バレエ
現在全国公演中!詳細はHPにて
公式HP:https://www.impres-tokyo.com/event/キエフ・クラシック・バレエ-2/
文:Hiromi Koh