有名江戸前寿司店、築地玉寿司が来年で創業100年を迎える。主人公のことは夫の栄蔵亡き後に自ら板場に立って店を切り盛りし、間も無く創業100年を迎える築地玉寿司の基礎を築いた女性。しかも日本初の女性寿司店主、戦中戦後を明るく、たくましく生き抜いた女性だ。
実は今年でこの舞台は４回目。
第1作(平成29年/江頭美智留脚本)、続編(平成30年/柏原寛司脚本監修/園田英樹脚本)、完全版 (平成31年/秦建日子脚本監修/きむらゆうか脚本)と公演された人気シリーズ舞台【こと~築地寿司物語 ~】、NHKスペシャルでも伝説の女板前と紹介され話題に。
“中野里こと”をモデルにした物語の令和最新作、令和4年5月11日~15日に築地ブディストホールにて公演。
≪ナースのお仕事≫≪ごくせん≫など数々の大ヒットドラマを世に送り出し、また劇場来場者記録を打ち立てた第1作も担当した江頭美智留が脚本、主人公の“こと”を演じる2002準ミスインターナショナル日本代表であり、つかこうへい門下の鳳恵弥が演出、同じく1作目から全作品に出演をするIKKANが演出補佐としてシリーズ最新作を創る。
また、主題歌&劇中音楽はTMNETWORKの木根尚登が第1作目より引き続き担い、メインビジュアルは同じく第1作目より担当する『Dr.コトー診療所』の山田貴敏と共に今年の日本アカデミー賞アニメ部門において優秀作品賞にノミネートされた『アイの歌声を聴かせて』の作画監督なども務めた郷津春奈が共同制作。
築地玉寿司晴海通り店で制作発表会が行われた。登壇したのは、俳優陣のみならず、築地玉寿司４代目である中野里陽平も参加。
主演であり、演出を務める鳳恵弥は「今回で４回目、江頭先生の書き下ろしです。公演ができること、涙が出るぐらい喜びました。IKKANさんのサポート、心強いメンバーに支えられて。みやでらみほさん、小桧山美樹さん、廣田琴美さん、佐藤茜さんから新たな風を！来年は築地玉寿司100年です」と語る。IKKANは「出演は運命です。最高の作品に」とコメント。ヒデは「ある番組のロケが中止になり、帰りに（ちょっと贅沢に）築地玉寿司のお寿司を買って帰りまして。その買った夜に、出演のお話をいただきました。ご縁を感じております」と出演のエピソードを披露。
武田知大は「初参加です。池袋のお店でお寿司、いただきました、めちゃくちゃ美味しかったです」とコメント。みやでらみほ、小桧山美樹、廣田琴美、佐藤茜は今回、オーデションで選ばれてキャスティング。廣田琴美は「『こと』という名前で（琴美なので）。作品の支えになれたら」と言い、みやでらみほは「オーデションは緊張しました。合格は奇跡に近い！歴史ある作品、力になれるように」と語る。佐藤茜は「海鮮ものに囲まれて生きてきました！大切にしたいです」と。小桧山美樹は「オーデションで盆踊りを踊りました（笑）。物語に惹かれまして、家族の一員として舞台に立ちたい」と意気込む。亀吉は「初演から参加、人として成長させていただいた作品です」と語った。脚本の江頭美智留は「４年ぶりです。100年乗り越えてきた築地玉寿司さんの物語」とコメント。４代目の中野里陽平は「厳しい状況です。今まで逆境を乗り越えてきましたが、私の代ではコロナ。実はたまたま関口さんと話をしたら舞台になりまして。鳳さんにはことがのり移っています。前回公演では５代目（学生）は『あれ？俺？』と（笑）。今回は、もっと未来の話かも（笑）」と前回公演のエピソードを。
鳳は「ことさんは日本で初めての女性板前。お寿司は世界に認められた日本食です。この物語、いろいろな人に観ていただきたい」とアピール。
そして4月25日〜5月22日は公演を記念した特別メニューが用意されている。『栄蔵握り』と『こと御膳』。築地玉寿司総本店、
築地玉寿司晴海通り店、築地きたろうにて楽しめる。
『栄蔵握り』は江戸前寿司の本来の味。特に煮穴子、酢で締めた小肌、づけ鮪。江戸前寿司は握り寿司を中心とした、江戸の郷土料理、古くは「江戸ずし」「東京ずし」と言い、江戸前の新鮮な魚介類を材料としている。築地玉寿司が創業した頃は大正、冷蔵庫はまだない時代。酢締めしたもの、煮るや茹でるなど火を通すのが主流。そして、こういった寿司は味わい深く、奥が深い。小肌は、酢でしめているが、酢特有の酸味がまろやかで、全体として柔らかい味わい。好みにもよるが醤油をつけない方が小肌をじっくり味わえるかも。づけ鮪は、秘伝のつけだれの旨味と鮪本来の旨味が融合、複雑だが、優しい味に仕上げており、ゆっくりと味わいたい一品。煮穴子、活穴子を店でさばき、弱火で20分煮込んでいる。仕上げに煮詰めたツメだれをつけているのだが、食感も軽く、口の中で溶けていくような柔らかさ、そして上品な甘さが口一杯に広がる。また、しゃりはコシヒカリ、握り方もふんわり、職人技。色が薄めの赤酢を使用、アミノ酸が豊富な酢、ご飯だけでも十分にいけそうな。他にゴージャスなウニ、イクラ、大トロなど人気のネタも（インスタ映え！！）。味噌汁はあおさ、磯の香りが食欲をそそる。具はあおさとネギのみ。茶碗蒸しは蟹のあんかけが上にかかっており、蟹の旨味をシンプルに味わえる。滑らかな舌触りがとろけるよう。温かいうちに。
『こと御膳』は、賑やかで女性らしい御膳。タコの煮物、江戸前にぎり寿司、海鮮チラシ寿司、サラダ、食後の白玉と見た目も華やか。あれこれ食べてみたいなら『こと御膳』を。
築地玉寿司の寿司に対する取り組みと寿司を愛する心意気、実際に食べてみると、ほんの小さなところでも職人の仕事ぶりが伝わる、舞台の内容とシンクロしていくので、ぜひ、舞台とセットで堪能したい（築地玉寿司公式HP：https://www.tamasushi.co.jp）。
概要
日程・会場：2022年5月11日(水)~15日(日) 築地ブディストホール
脚本：江頭美智留
演出・主演：鳳恵弥
演出補佐・出演：IKKAN
出演：
鳳恵弥、IKKAN、武田知大、 ヒデ(ペナルティ)、 みやでらみほ、小桧山美樹、廣田琴美、佐藤茜、亀吉ほか
主催：舞台【こと~築地寿司物語~】製作委員会
