菊池修司 & 竹中凌平 出演「佐々木と宮野」稽古場取材会レポ

「ジーンピクシブ」にて連載中の春園ショウ・原作の『佐々木と宮野』は、シリーズ累計発行部数は140万部を超える男子高校生の日常を描いた作品。2022年にTVアニメ化、アニメキャストにより朗読劇化etc_
この7月にタイトル初となる舞台化となる。

佐々木秀鳴役を演じるのは舞台「東京リベンジャーズ」シリーズの半間修二や舞台「紅葉鬼」シリーズなど幅広い作品に出演してきた菊池修司。宮野由美役には「家庭教師ヒットマンREBORN! the STAGE」の沢田綱吉や「あんさんぶるスターズ!THE STAGE」の明星スバルを演じている竹中凌平がキャスティング。
その他の登場人物では、宮野の所属する風紀委員の先輩で、佐々木の友人でもある平野大河役に上田堪大、同じく佐々木の友人で“腐女子”の彼女がいる小笠原次郎役には川隅美慎、佐々木のクラスメイトの半澤雅人役には北村健人。また、宮野の友人で、自他ともに認める彼女厨・暮沢丞を阿部快征が演じ、同じく宮野のクラスメイトで、明るい性格の田代権三郎役には伊崎龍次郎ら実力派メンバーがキャスティング。
この話題作、稽古場にていくつかのシーンが公開された。

舞台セットは至ってシンプル。まずは、佐々木が宮野の気持ちになんとなく気がつくところ。それから2人の間柄がちょっと接近するところ、と順を追って公開された。初日が23日、かなり快調な様子。もちろんマスク着用だが、それがかえって目の演技などがブラッシュアップ、微妙な間合い、言葉と言葉の間の感情の揺らぎ、周囲の反応、佐々木はちょっと不良っぽいが、その態度がかえって微笑ましく映る。

対する宮野はちょっとおっとり、だが、好きなこととなると立板に水のごとくのマシンガントーク、佐々木のちょっと驚く顔。また、電車でのシーン、宮野がうたた寝、その隣の佐々木の表情がなんとも優しげ。携帯で話すシーンや風邪気味でぐたっとしている宮野におそるおそる手を伸ばす仕草、もちろん派手なアクションはないが、じんわりと心に響く。音楽もキャラクターの気持ちに寄り添うような、静かで優しい楽曲になっている。

公開稽古終了後に登壇したのは、菊池修司 竹中凌平 上田堪大 川隅美慎 北村健人 阿部快征 伊崎龍次郎。

菊池「ボーイズライフということで、言葉ひとつひとつが温かい。佐々木と宮野の関係性を濃く出していければ。本番楽しみにしてください」

竹中「上演は7月後半、夏にぴったりなキュンキュンした作品をお届けできればいいなと思います」

上田「こうして稽古場にお越しいただくという機会もなかなかないので、貴重な経験できたなと。昨日、荒通しをやって、少人数でできる演劇、まだまだブラッシュアップして、劇場で素敵なものをお届けできるようにやっていきたいと思います」

川隅「カップル萌えみたいなのができるのではないかと思います。他の作品にはなかなかないような気がしています。ここまでしっかり高校生活を描くのはなかなか…非日常的なものを描いている作品が多い中、本当にこの世界で起きているような作品ですので、こういうふうに悩んでいる子たちもいると思いますので、そういう人たちに向けて僕たちもしっかりと、“腐男子”“腐女子”がいる世界、みなさんに届けられたら、ぜひ劇場にご来場していただければ」

北村「情報解禁時からネットとかで皆様の反応を見させていただいておりますが、舞台を観たことがないという方も多い作品なのかな?と。これを機会に舞台観に行きますっていう方にも『舞台ってこんなに面白いんだ』っていうように思っていただけれるような作品にしたいですし、初日から千秋楽に向けて口コミで『いいらしいよ』って広がっていくような、そんな作品にしていきたいと思います。こだわって頑張っていきたいと思います」

阿部「恋って難しいですよね。いろんな形があります。これをみたらその答えのひとつがわかると思います。悩んでいる方、ぜひこの舞台を観にきて、答えを見つけてみてはいかがでしょうか?恋を学びにきてください」

伊崎「漫画から展開してアニメ、朗読があって、舞台ならではの表現を『佐々木と宮野』のファンの方、そして演劇を観たことがない方、演劇を愛している方、みなさんに舞台ならではの空気感を劇場で、生で、体験していただければ、と思います。男子高校生ならではのわちゃわちゃした感じや、2人の言葉のやりとりとか距離とか、そういったものにひとつひとつ息を呑んだり、笑ったりキュンキュンしていただければ、舞台でやる意味があると思いますので、ぜひ劇場で体験しにいらしてください」

それから質問タイム。
Q:アクションや殺陣がない芝居、演じがいがある点、難しい点
菊池「そういうのは全くない作品、キャラクターの気持ちを想像して楽しんでもらう舞台が多いと思いますが、全キャラ、特に佐々木と宮野は心の声、心の言葉っていうのを丁寧にひとつひとつ出していく作業が今までにない観点でお芝居してるなっていう、とてもやりがいがあります。だからこそ、ひとつひとつの言葉を嘘のないように丁寧に届けるようにしていきたいです」

竹中「ダンスとか殺陣とか、身体的なアクションはないんですけど、繊細な心理描写とか、心のアクションはすごくある作品なので、お客さまに伝わるように、繊細に描いていきたいと思います」

上田「アクションとかダンスとか歌っていうのは、目を奪いやすいというんでしょうか、後ろに流れている音や照明とか、プラス、春夏秋冬を描いているので、衣装もそうですし、ひとつひとつのシンプルに僕たちが芝居で届ける以外にも、各セクションの方々とのコミュニケーションをとった上で作り上げるもの、いつも以上に意識してるかなと」

川隅「とてもリアルなお芝居ですが、原作があってアニメがあり、今回シアター1010という大きな劇場でお芝居をするので、小さな劇場でお芝居するのとはちょっと違う、もっとリアルにやりたいけど、リアルにやりすぎるとお客さまに伝わらない部分が出てくる、でもいつものエンタメほどにやるとちょっとっていう…その塩梅、中間にあるような感じがしていて、その辺を試行錯誤してて、どこまで大袈裟にやると伝わるのか、本当に近い距離の中で、佐々木と宮野が触れ合う瞬間っていうのが、とても大事だと思うんです。それがどこまでお客さまに伝わるのか、みんなで考えながらやっている最中です。そこに注目していただきたいですし、そこが特に難しいと思っている部分であります」

北村「普段の舞台は、たとえば大きな事件があったり、問題があったり非日常的なことに対して感情が揺れ動く、それが色々発展していってっていう形が多いと思うんですけど、この作品は大きな問題とか、絶大な事件があるわけではなくって、日常的な作品だと思うんです。その日常の中に彼らなりの事件があって、彼らなりの問題に発展する要素はあるなと。そこから掬い出していく作業が大切な作品だろうなと。いつもとは違う逆転の発想で台本に取り組んでいかなければならない作品なのだなと思っています」

阿部「役者として伝わるとすごく気持ちいいんで、セリフで空気感をどんどん作っていって、劇場も広いので、僕たちもセリフに想いをもっともっと込めて、お客さまに伝わればいいなって思います、心のアクション」

伊崎「派手なアクションもダンスも歌もない、だからこそ、原作のみずみずしい言葉と感情と舞台で作る間みたいなものを丁寧により集中して楽しんでいけるのではないかなと。原作がリアルな分、間だったり、お客さまと共有できる、丁寧に、楽しんでいただけると嬉しいなと」

Q:好きなシーンを。

北村「中盤ぐらいに文化祭のシーンがあるんですけど、そこがちょっとみんなと違う、それぞれのイベントごとに対してちょっと一枚違う姿が見えるシーンが。僕はいいなと思います」

川隅「宮野が佐々木のことを『かっこいい』っていうシーンがあって、僕(小笠原)と佐々木が喋ってて『何がBLかわかんねえよ』『BLって面白いよ』って言ってるのを聞いてた宮野が『かっこいい』って言ってる…鳥肌たった、昨日。宮野が聞いてるからカッコつけていってるんじゃない感じ?それを友達に対しても否定させない、何か…そういうのがすごい見えた、『佐々木かっけえな』と、そこです!」

阿部「今日やったところ、シーン6になるんですが、宮野の佐々木に対する好意が、携帯かしたりするんですけど、携帯渡して『電話しろよ』っていう、周りの人たちが佐々木と宮野の恋に対して手を差し伸べるシーン、僕はそこが『推し』かなと思うんです」

上田「僕が保健室で『15分ぐらい見といて』っていうのを、佐々木が宮野に対して、あれはまさに”心のアクション”だと思うんです。音楽、そういったいろんなものの中で、歌もなにもない中で、あの間で表現するっていうものが、この佐々木と宮野のすごいキーポイントになってる場じゃないかなと僕は見ててすごく、中盤ぐらいですが、そこからの前後で、あそこが結構でかい(場面)のかな?と。恋って難しいよねっていう…」

竹中「観ていただいたところ、電車のシーン、2人の何も喋らない無言の時間、空気感。音響さんがちょっと『カチカチカチ』って時計の音を鳴らしてる、そういう言葉のないシーンがすごくいい作品になってるなと思ってるので、そこは『推し』です」

伊崎「終盤で、佐々木先輩のことが好きっていうことに気づいて、色々話しかけにいくんですけど、タイミングが合わなくって…最初は佐々木先輩がガツガツきてくれて、徐々に佐々木先輩が…すごいかわいいなと思って、『推し』です」。

菊池「僕も最後の方ですけど、佐々木と宮野の好きという気持ちが明確になっていって、佐々木が我慢できずにキスしそうになるシーン、気持ちはお互いに合ってるのに、ひとつの小さな動きやひとつの動きですれ違いが生まれる、そのすれ違いで、2人の気持ちを確かめ合う、すごくドギマギして、自分で演じてても、言葉ひとつ発するにも時間がかかるっていうか、それがドギマギしたなっていうのはありますね」

待ってます!!!

ここで時間となり、取材会は終了した。いよいよ初日に向けて稽古ラストスパート!!

概要
タイトル:舞台「佐々木と宮野」
原作:春園ショウ『佐々木と宮野』(MFCジーンピクシブシリーズ/KADOKAWA刊)
日程 会場:2022年7月23日(土)~7月31日(日) 東京 シアター1010
アフタートーク情報
7/25(月)14時公演 竹中凌平(宮野)/阿部快征(暮沢)/伊崎龍次郎(田代)
7/27(水)18時公演 菊池修司(佐々木)/上田堪大(平野)/川隅美慎(小笠原)
7/28(木)14時公演 菊池修司(佐々木)/上田堪大(平野)/川隅美慎(小笠原)/北村健人(半澤)
7/28(木)18時公演 竹中凌平(宮野)/北村健人(半澤)/伊崎龍次郎(田代)
7/29(金)14時公演 菊池修司(佐々木)/竹中凌平(宮野)/阿部快征(暮沢)
脚本・演出:伊勢直弘
キャスト
佐々木秀鳴:菊池修司/宮野由美:竹中凌平/
平野大河:上田堪大/小笠原次郎:川隅美慎/半澤雅人:北村健人/暮沢 丞:阿部快征/田代権三郎:伊崎龍次郎
主催・企画:舞台「佐々木と宮野」製作委員会
制作:バンダイナムコミュージックライブ/Office ENDLESS
監修協力:TVアニメ「佐々木と宮野」製作委員会
問合:https://information-desk.info/