「Act Against Anything VOL.2『THE VARIETY 28』」 4 年ぶり有観客で開催

岸谷五朗・寺脇康文と豪華出演者によるエンターテインメントショー、チャリティプロジェ クト「Act Against Anything VOL.2『THE VARIETY 28』」、2022年11月26日、神奈川・ パシフィコ横浜 国立大ホールで開催した。
この「Act Against Anything『THE VARIETY』」は、1993 年に岸谷五朗の呼びかけでスタ ートした「Act Against AIDS『THE VARIETY』」の流れを汲むチャリティプロジェクト。 岸谷五朗・寺脇康文、そして 2007 年から一緒に取り組んできた三浦春馬の想いと共に「Act Against Anything」と名称を改め、“一人でも多くの子供たちとその未来を守りたい”と、貧 困、難病、教育問題など多くの困難に立ち向かう世界中の子供たちを支援するチャリティイ ベントとして 2020 年 12 月から新たなスタートを切った。本プロジェクトの利益は、その 時々に支援を必要としている子供たちのために充てられる。約 30 年間続けてきたこのチャ リティコンサートだったが、2020 年の「Act Against Anything VOL.1『THE VARIETY 27』」 は、コロナ禍により無観客の日本武道館からのインターネット生配信での開催となった。今回は4年ぶりの有観客公演となり、“4 年ぶりブリ生舞台!全身全霊!心を込めて歌って踊って皆でチャリティ全員集合!”というサブタイトルがつけられた。映画・ドラマ・舞台を 中心に活躍中の俳優陣や、実力派アーティストたち、バラエティに富んだ総勢 32 名の豪華 メンバーが、その名の通り全身全霊のパフォーマンスで一夜限りのエンターテインメント ショーを盛り上げた。
ショーの冒頭、場内の BGM が途切れ暗転するとこの「Act Against Anything VOL.2『THE VARIETY 28』」開催に向けた想いと感謝を伝える岸谷五朗のメッセージがステージの左右 に設置されたスクリーンに流れた。「1993 年に始めた頃、30 年先の未来にはもっと豊かな 社会が、世界が広がっていると思っていました」「愛すべき後輩、三浦春馬と共に考えてい たチャリティプロジェクトでもあります。彼の志を胸に頑張らせていただきます」。真摯な 言葉に大きな拍手が寄せられる中、スクリーンには歴代のハイライトシーンが流れ、AAA の歴史を振り返った。

オープニングを飾ったのは岸谷五朗、寺脇康文が黒い上下の衣装と触角をつけアリに扮装 し、アリスの「チャンピオン」のカヴァーをアリスならぬ「アリっす」として披露。アコー スティックギターを抱えた 2 人が本家のモノマネとコントを交えながら歌い、会場の笑い を誘う。「アリ、がとう!」とステージを捌けた二人に続いて登場したのは Skoop On Somebody。

TAKE の歌と KO-ICHIRO のキーボード、KO-HEYのカホンのアコースティックスタイルで、3人のハーモニーが美しい「sha la la」と、「このチャリティが一人でも多 くの笑顔に繋がるように」と「祈り」の2曲を届けた。

J-POP コーナーのトップバッターを飾ったのは、郷ひろみの「2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」をカヴァーした加藤和樹。魅惑の低音ヴォイスで会場を魅了していると、 岸谷五朗と大村俊介(SHUN)による“初代 G-ShunBrothers”が現れ、手にした小型のサー キュレーターを使って加藤に風を浴びせたり、バックダンサーになって歌を盛り上げるシ ーンも。猪塚健太、新原泰佑、水田航生、溝口琢矢による後輩チームは、お揃いのダンスで ももいろクローバーZ の「Z 女戦争」を、パワフルな歌声を聴かせた大野拓朗はウルフルズの「ガッツだぜ!!」を熱唱した。

「皆様をお花畑にご招待します」という紹介を受けて登場したのは声優の花澤香菜。 「Moonlight Magic」と「SHINOBI-NAI」の 2 曲を透明感のあるスイートヴォイスで届けた。

その後は、“DREAM OF MUSICAL PART1”へ。甲斐翔真、小池徹平が緊迫感のあるツ インヴォーカルで聴かせた『デスノート THE MUSICAL』の「ヤツの中へ」、『ライオン・ キング』の「愛を感じて」では門山葉子新原泰佑が柔らかなハーモニーを、加藤和樹は『デ ィア・エヴァン・ハンセン』の「Waving Through A Window」を歌い上げた。

清水くるみ水田航生による『The Last 5 Years』の「The Next 10 Minutes」では、ステージの上を移 動する階段を使い、ドラマチックなシーンを作り上げた。そして、鬼気迫るパフォーマンスで魅せたのは、『エリザベート』の「闇が広がる」を歌った劇中でトート役を演じる古川雄大とルドルフ役の甲斐翔真

体調不良のために出演を見合わせた城田優に代わり、このため に急遽会場に駆けつけた古川と、二人の特別なステージに会場からは大きな拍手が贈られた。

チャリティ活動報告を行なう「AAA 報告」のコーナーでは、2020 年に開催した日本武道館 での無観客インターネット生配信による“AAA2020”で得た寄付金額と、その使い道につい 報告。“AAA2020”での寄付金の総額は 919 万 7496 円。そのうち、739 万 7496 円は「公益 社団法人セーブ・ザ・チルドレン」を通じてウガンダの南スーダン難民・コンゴ民主主義人 民共和国難民の子供たちへ向けた支援に、残りの 180 万円は「ChotoBela Foundation」を通 じてバングラデシュのチッタゴン丘陵地帯の少数民族の子供たちへ向けた支援に充てられ た。今回の「Act Against Anything VOL.2『THE VARIETY 28』」の寄付金は、収支と寄付先が決まり次第、特設サイト内で報告する。

中盤に登場した藤原さくらは、「まばたき」と「mother」をアコースティックギターとキー ボードとのアンサンブルでしっとりと聴かせた。その後、ステージに再び登場した岸谷五朗 と寺脇康文が今回のステージを支える THE VARIETY BAND のメンバー、エンペラー福 田、高木茂治、五十嵐公太、会田敏樹、原田達也、高橋結子、中村百花、杉山真梨佳を呼び 込むと、“地球ゴージャス”のコーナーがスタート。『海盗セブン』の「海盗セブン」で地球 ゴージャスを彩る役者陣がステージに集結。『星の大地に降る涙』から「今宵の宴」、『クザ リアーナの翼』からは「ジャメーリアよ!蜂起せよ」「クザリアーナの翼」、桑田佳祐の楽曲 による音楽劇『クラウディア』からは「真夏の果実」「匂艶 THENIGHTCLUB」「Oh!ク ラウディア」「闘う戦士たちへ愛を込めて」の 4 曲をピックアップ。スクリーンにはそれぞ れの演目の本番シーンが映し出され、過去と今がクロスする演出が感動を呼んだ。さらに 『星の大地に降る涙』より「愛すべき未来へ」と、総勢 13 名による迫力のステージが展開 された。

続いて 2021 年に地球ゴージャスプロデュースとして公演したブロードウェイミュ ージカル『The PROM』から、アリッサ役を演じた三吉彩花が加わり、清水くるみとの「Dance with You」と、TAKE も加わった「It’s Time to Dance」の 2 曲を披露。凛としたパフォー マンスが印象に残った。そして門山葉子と田村芽実が圧倒的な歌声を聴かせた『クラウディ ア』の「FRIENDS」で “地球ゴージャス”コーナーを締めくくった。

終盤の幕開けは、サンプラザ中野くんパッパラー河合による「Runner」が盛り上げ、曲 に合わせて大きなクラップが沸き上がった。そして「コロナ禍で過ごしてきたみなさん、そ して我々みんなに応援歌をお届けしたいと思います」と「旅人よ〜The Longest Journey」 を歌唱。続く“DREAM OF MUSICAL PART2”でも有名なミュージカルの中から名曲が 続々と登場。甲斐翔真田村芽実が『ウエスト・サイド・ストーリー』より「Tonight」を、 小池徹平は『キンキーブーツ』より「Soul of a Man」を熱唱。

大野拓朗清水くるみが『ロ ミオ&ジュリエット』より「バルコニー(愛の誓い)」を、田村芽実は来年上演が予定され ている『MEAN GIRLS』の「I’d Rather Be Me」を初披露し、パワフルに歌い上げた。

『キ ンキーブーツ』の「Raise You Up/Just Be」では、小池徹平、杉山真梨佳、中村百花とエン ジェルス役の穴沢裕介、森雄基、風間由次郎、佐久間雄生、浅川文也、シュート・チェンが、 実際の舞台でも使用された豪華な“キンキーブーツ”を履いたパフォーマンスで、ステージを 華やかに彩った。

6 名のダンサーを従え登場したのは DEAN FUJIOKA。真っ赤な照明の中でスリリングなロ ックナンバー「Apple」を聴かせた後、2 曲目の「History Maker」では途中でスペシャルゲ ストにアーティスト・MIYAVI を呼び込んだ。黒いスーツ姿の DEAN と、対照的な白いス ーツ姿の MIYAVI との熱いセッションに、着席していた観客も思わず立ち上がる。DEANがステージを去った後も、熱気そのままに MIYAVI が自身の楽曲「STRONG」を披露。ス ラップ奏法による骨太なギターサウンドに合わせて観客のボルテージが上がったところで 観客は総立ちに。「子供たちの未来のために。一つになりましょう」と渾身のパフォーマン スで「The Others」を演奏し、まるでライブハウスにいるかのような一体感を作り上げた。
UNHCR の親善大使として難民キャンプで世界各国に行くたびに無力感を感じていたと言 う MIYAVI は、岸谷五朗の熱い想いに共鳴して今回の出演を決めたと語った。DEAN FUJIOKA は 15 年前からフィランソロピーというチャリティ活動を続けていると言う。彼 らの社会貢献活動を紹介したところでステージに全出演者が集結。

「THE VARIETY」で歌 い継がれている「一人じゃないから」を全員で合唱し、3 時間のステージは大団円を迎えた。 エンディングで岸谷五朗は「4 年ぶりの有観客の AAA、みなさんの顔を見ながら、この歌 を歌いながら、感動しております」と語り、「感謝でいっぱいです。ありがとうございまし た」と、感謝の想いを会場に届けた。
終演後には、Act Against Anything として初の有観客イベントを終えた岸谷五朗、寺脇康文 そして、DEAN FUJIOKA、MIYAVI の 4 人が集まり、それぞれ感想を語った。 岸谷は「2020 年のコロナ禍より多くの演劇が中止になってきたことから、今回無事に終え られたことを奇跡のように感じ、本当に感動した」と率直に胸の内を明かし、チャリティを する上でいつも勇気づけてくれるのはお客様だと感謝を述べ、寺脇も「会場全体からあたた かい空気が感じられて、非常に嬉しかった」と頬をゆるめた。

 


また、今回初参加となった DEAN と MIYAVI に対し、二人の圧巻のパフォーマンスに岸谷 と寺脇も、これまでにない盛り上がりを見せてもらったと賞賛を贈った。DEAN は、自ら のチャリティ活動と Act Against Anything の目的が自然と合致したと言い、「同じ目標のた めにみんなが集まって、一緒に前に進めていくこと、自分もその一部になれたことが嬉しか った」と感想を述べた。一方、UNHCR の親善大使として活動する MIYAVI も「未来をど う作っていけるのだろう。自分たちに何ができるのだろう」と考える中で、「今回の Act Against Anything のような場があることは有意義だ」と強調し、「アーティストだけでなく、 お客様みんなと一緒に発信できることを嬉しく思う」と語った。


最後に次回の Act Against Anything に向けて、岸谷五朗と寺脇康文はチャリティを継続し ていく大変さに触れながらも、今後も「自分たちが出来ることを出来る限り、出来る範囲で、 一生懸命チャリティに貢献していきたい」と今後も変わらない活動に意欲をみせ、また一歩 未来へ歩み出した。

Act Against Anything VOL.2「THE VARIETY 28」<セットリスト>
M1.「チャンピオン」(アリス)
アリっす(岸谷五朗/寺脇康文)
M2.「sha la la」
Skoop On Somebody
M3.「祈り」
Skoop On Somebody
M4.「2 億 4 千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」(郷ひろみ)
加藤和樹/初代 G-Shun Brothers(岸谷五朗/SHUN)
M5.「Z 女戦争」(ももいろクローバーZ)
猪塚健太/新原泰佑/水田航生/溝口琢矢
M6.「ガッツだぜ!!」(ウルフルズ)
大野拓朗/2 代目 G-Shun Brothers(岸谷五朗/SHUN)
M7.「Moonlight Magic」
花澤香菜
M8.「SHINOBI-NAI」
花澤香菜
M9.「ヤツの中へ」(『デスノート THE MUSICAL』)
甲斐翔真/小池徹平
M10.「愛を感じて」(『ライオン・キング』)
門山葉子/新原泰佑
M11.「Waving Through A Window」(『ディア・エヴァン・ハンセン』)
加藤和樹
M12.「The Next 10 Minutes」(『The Last 5 Years』)
清水くるみ/水田航生
M13.「闇が広がる」(『エリザベート』)
甲斐翔真/古川雄大
M14.「まばたき」
藤原さくら
M15.「mother」
藤原さくら
M16.「海盗セブン」(『海盗セブン』)
岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大野拓朗/甲斐翔真/門山葉子/SHUN/
田村芽実/新原泰佑/藤林美沙/水田航生/中村百花/杉山真梨佳
M17.「今宵の宴」(『星の大地に降る涙』)

岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/SHUN/新原泰佑/藤林美沙/水田航生/
中村百花/杉山真梨佳
M18.「ジャメーリアよ!蜂起せよ」(『クザリアーナの翼』)
岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/SHUN/新原泰佑/藤林美沙/水田航生/
中村百花/杉山真梨佳
M19.「クザリアーナの翼」(『クザリアーナの翼』)
岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/SHUN/新原泰佑/藤林美沙/水田航生/
中村百花/杉山真梨佳
M20.「真夏の果実」(『クラウディア』)
甲斐翔真/門山葉子
M21.「匂艶 THE NIGHT CLUB」(『クラウディア』)
田村芽実/中村百花/杉山真梨佳
M22.「Oh!クラウディア」(『クラウディア』)
岸谷五朗/寺脇康文/大野拓朗
M23.「闘う戦士たちへ愛を込めて」(『クラウディア』)
岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大野拓朗/SHUN/新原泰佑/藤林美沙/
水田航生/中村百花/杉山真梨佳
M24.「愛すべき未来へ」(『星の大地に降る涙』)
岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大野拓朗/甲斐翔真/門山葉子/
SHUN/田村芽実/新原泰佑/藤林美沙/水田航生/中村百花/杉山真梨佳
M25.「Dance with You」(『The PROM』)
清水くるみ/三吉彩花
M26.「It’s Time to Dance」(『The PROM』)
TAKE/三吉彩花/岸谷五朗/寺脇康文/藤林美沙/中村百花/杉山真梨佳
M27.「FRIENDS」(『クラウディア』)
岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大野拓朗/甲斐翔真/門山葉子/
SHUN/田村芽実/新原泰佑/藤林美沙/水田航生/中村百花/杉山真梨佳
M28.「Runner」
サンプラザ中野くん/パッパラー河合
M29.「旅人よ〜The Longest Journey」
サンプラザ中野くん/パッパラー河合
M30.「Tonight」(『ウエスト・サイド・ストーリー』)
甲斐翔真/田村芽実
M31.「Soul of a Man」(『キンキーブーツ』)
小池徹平
M32.「バルコニー(愛の誓い)」(『ロミオ&ジュリエット』)

大野拓朗/清水くるみ
M33.「I’d Rather Be Me」(『MEAN GIRLS』)
田村芽実
M34.「Raise You Up/Just Be」(『キンキーブーツ』)
小池徹平/杉山真梨佳/中村百花/チームエンジェルス(穴沢裕介/森雄基/
風間由次郎/佐久間雄生/浅川文也/シュート・チェン)
M35.「Apple」
DEAN FUJIOKA
M36.「History Maker」
DEAN FUJIOKA/MIYAVI
M37.「STRONG」
MIYAVI
M38.「The Others」
MIYAVI
M39.「一人じゃないから」
ALL CAST

公演概要
タイトル
Act Against Anything VOL.2 「THE VARIETY 28」
4 年ぶりブリ生舞台!全身全霊!心を込めて歌って踊って皆でチャリティ全員集合!
日時:2022 年 11 月 26 日(土) 15:00 開場/16:00 開演
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
出演
岸谷五朗 寺脇康文
猪塚健太 / 大野拓朗 / 大村俊介(SHUN) / 甲斐翔真 / 加藤和樹 / 門山葉子 / 小池徹平 / サンプラザ中野くん・パッパラー河合 / 清水くるみ / Skoop On Somebody / 田村芽実 / チームエンジェルス from Kinky Boots(穴沢裕介/森雄基/風間由次郎/佐久間雄生/浅川 文也/シュート・チェン) / DEAN FUJIOKA / 新原泰佑 / 花澤香菜 / 藤林美沙 / 藤原さ くら / 古川雄大 /水田航生 / 溝口琢矢 / MIYAVI / 三吉彩花 ※岸谷五朗、寺脇康文以降の出演者クレジットは五十音順となります。

THE VARIETY BAND
エンペラー福田 / 高木茂治 / 五十嵐公太 / 会田敏樹 / 原田達也 / 高橋結子 / 中村百 花 / 杉山真梨佳

▽Act Against Anything オフィシャルサイト https://actagainstanything.com/
オフィシャル Twitter:https://twitter.com/AAA_variety