「30-DELUX×KoRocK 『スペースウォーズ2023 feat. BOYS AND MEN』」開幕 ありえないトリプルブッキングでさあ、どうする?!

殺陣を極めた演劇ユニット「30-DELUX」。そして、表現力豊かなダンスで高い 評価を得ているダンスチーム「KoRocK」がタッグを組み、ゲストに名古屋のエンターテインメント集団「BOYS AND MEN」、さらに「BMK」も参戦、「30-DELUX×KoRocK 『スペースウォーズ2023 feat. BOYS AND MEN』」が開幕。

観にきてね。

出演は30-DELUXより、村瀬文宣、寺田遥平、髙木俊輔、田沼ジョージ、谷口敏也、田中精、清水順ニ。そして、KoRocKの泰智、いっとん、J。BOYS AND MENより、本田剛文(休演)、勇翔、平松賢人。BMKより、佐藤匠、米谷恭輔、松岡拳紀介。さらに、藤田奈那、矢島舞美、我善導(WAHAHA本舗)ほか。
殺陣やダンス、歌がミックスされたエンターテインメント作品の決定版が、12年の時を経て甦る。
開演前にゆるくも楽しい前説、ちょっと早めに席に着いておきたい。そして始まる。かっこよく、難易度の高いダンス、ダンスユニット”SunRock”が踊る、いいところで、刀を振り回す人たちが乱入、踊っていた3人、驚愕、「え、なんで?」と言った表情。殺陣集団”誠”、なんと、どちらもここで稽古する契約をしていた。お互いに契約書を出した、そこでダブルブッキングと判明。

契約書を見ると…。

ただでさえ、困っているのに、そこへ、笑顔全開のアイドル集団” HAPPY BOYS”が歌って踊って。もうてんやわんやな状況。彼らも契約書を持っていた、そこでトリプルブッキング、しかも皆、ここでどうしても稽古せねばならない事情、コンテストへの出場、負けられない、だから稽古場必須。ここの支配人・軽石(ちゅうえい/日替わりゲスト)がやってくるが、妙に落ち着いてる、彼のいうことには「よくあること」、いやいやいや、しょっちゅうあっちゃだめでしょ、と思わず突っ込みたくなる(笑)。

3枚の契約書を確認する支配人・軽石。

しかし、もう時間がない、どうにかこうにかそれぞれ、順番に使うことになり、というのがだいたいの流れ。

トリプルブッキングが判明するまでが、あっという間、ジョットコースターのような速さ。支配人・軽石の軽いこと(笑)。それぞれが稽古する様子は、”劇中稽古”であるのだが、カウントに合わせて振り付けを覚えたりしているシーンなどは、ちょっとリアル感もあり。

やたらテンション高い。

殺陣集団”誠”の稽古時にやたらテンションの高い『エンタメ・コンサル』の舞華(矢島舞美)がやってきて、ここのやりとりは面白く、可笑しく。HAPPY BOYS”たちの稽古シーンはちょっとコントっぽく(歌い踊りコントも出来る、という設定なので)。一巡して再び”SunRock”の稽古シーン、ここへ謎の男・道尾進(清水順ニ)と名乗る男が現れ土下座してダンスを教えてくれと頼み込む。

さらに彼の劇団員『道尾ドリームズ』もやってきて、いきなり賑やかに(笑)、”SunRock”の面々の困惑ぶりがこれも笑える。
とにかく細かく、ちょこちょこと笑いを挟み込み、進行、途中で勘の良い観客はオチがわかってしまうかもしれないが、それでも面白くて目が離せない。かなりのミニマムな『スペースウォーズ』ぶりが可愛らしく、そしてどこか温かい。ラスト近くで道尾進と舞華は実は…が明かされる。

壮大な物語でもなく、びっくりするような事件も起こらず、わちゃわちゃと楽しく、新年早々、気軽に楽しめるコメディ。30-DELUXらしくダンス、殺陣、アクション、ダンスチーム「KoRocK」と「BOYS AND MEN」も彼らの持ち味を十分に生かしつつ30-DELUXのエンタメに馴染んでいて、それが新しい空気感を創造する。

一瞬だけ(笑)。

最後のフィナーレは、とにかくひたすら楽しく!娯楽の王道、ライブエンタメ。「好きなことをがむしゃらに」「全ての経験が新しいことを…」など刺さる台詞も散りばめられている。公演は22日まで。初笑いがまだの人は新国立劇場へ!

ゲネプロを終えて会見が行われた。
まずは挨拶。
村瀬文宣「自分達の特技を最大限に活かしました…最高の作品が出来ました」
泰智「チャレンジ、貴重な機会。いいキャッチボールしながらゲネプロが出来ました」
矢島舞美「年明け1発目なので気合入っています。私自身が背中を押されたり…この楽しさが伝われば。毎日進化し続けたい」
勇翔「4団体、試行錯誤しながら…互いの良さを、作品を通して成長できる、僕自身も成長できる」
寺田遥平「稽古は11月から2ヶ月、経験したことのないこと、すごく不安だったけど、やっと初日。誰1人欠けることなく」
いっとん「バージョンアップ公演でメンバーが集まった、進化したステージ、稽古場から”スペースウォーズ”。模索して作り上げた舞台です。熱意、熱を笑いを通して!楽しい1年に」
松岡拳紀介「” HAPPY BOYS”はAチームとBチームに分かれています。一つ、一つ、後悔のないように」
J「振り付けと音楽をやらせていただいて、一番深く関わっている気がします。スタッフと演者、両方やれる、2023年1発目にふさわしいです」
髙木俊輔「この作品で30-DELUXの方々に会えて、稽古場からいい意味で競い合っていました。熱量は高いし。楽しんでもらえたら、いろんな顔を見せられるように」
平松賢人「本当はここにいるのは本田だったのですが(インフルエンザで休演)、12年間同じメンバーで同じ空気を吸ってまして。この作品で皆様に元気を与えられたら、HAPPYになれる、一番ピッタリの作品です」
藤田奈那「殺陣、ダンス、歌、プロフェッショナルな方々が集まって…光栄です。すごくパワーもらえました」
清水順ニ「新しい挑戦を常に、またどうしたらいいかを考えています。名古屋、大阪、47都道府県でやろうと、そして海外にも、究極のエンタメ。創立20周年、僕も50歳、いろんな挑戦があります」
それから質疑応答。いつもの公演とは違うところということで
村瀬文宣「いつもの殺陣は当たり前なので、新しいのに挑戦したいと。見たことのないのって何だろうと。みんなから意見をもらって(泰智「ジタバタしてたね」)、結構笑いながらもワイワイと作れた、新しい殺陣を見せられるかなと。全員が出てるシーンでは誰かが転がってたら、誰かが側転してるとか…一個間違ったら死にます(笑)」
難易度の高い殺陣(もはやアクロバットに近い)、それから刀をパンに置き換えた場面は必見。
ダンスについては
J「最後のパフォーマンスはみんなでやってくれるだろうと、で実現した、目指すところは一緒、足りないところは補い合って」
ラストの全員パフォーマンスは圧巻なので、しっかり見たいポイント。
また名古屋出身者が多いので、
泰智「初めまして感がない(笑)。馴染みがある現場として始まった」といえば、勇翔「話の内容が名古屋」、泰智「名古屋じゃなくって岡崎なんだ、とか盛り上がった」とローカルな話題で楽しそう(笑)。
そこへお決まりの「芸能」な質問が矢島舞美(11月に結婚を発表)へ
「一緒にまだ住んでなくって(笑)。ホントにこれからなんです。いろいろ作品が落ち着いてからにしようかと(この話を感慨深く聞いている平松賢人)」
そして最後に村瀬文宣が改めて
「改めて、ありがとうございます。16ステージ、Aチーム、Bチームもあって、さらに日替わりゲストも。最後まで応援お願いいたします」としめて会見は終了した。

観にきてね。

あらすじ
劇場でありながら立食パーティや練習の場としても貸し出している「ドリーム・ホール」。
ステージ上でダンスユニット” SunRocK”が華麗なダンスを踊る中、突然、刀を振り回し乱入してくる殺陣集団”誠”! 「ここは今日から俺たちが使う場所だ!勝手な真似は断じて許さん!」と、”誠”の喧嘩番長、トシが叫ぶ。 そして、互いに使用契約書を出しあう。しかしながら、それはまさかの劇場のダブルブッキングと判明! そこに歌い踊りコントも出来るアイドル集団” HAPPY BOYS”も現れ、さらにトリプルブッキングが発覚…! 彼らにとって、聖域ともいえるこのスペースを奪い合う壮絶な戦いが始まることになるが… 。

概要
日程・会場:2023年1月11日(水)~22日(日) 新国立劇場 小劇場
演出: 斎藤美七海
脚本: 小野真一(小野プロデュース)
出演: 村瀬文宣(30-DELUX) 寺田遥平(30-DELUX) 髙木俊輔(30-DELUX)
田沼ジョージ(30-DELUX) 谷口敏也(30-DELUX)
泰智(KoRocK) いっとん(KoRocK) J(KoRocK)
本田剛文(BOYS AND MEN)<Aチーム> 勇翔(BOYS AND MEN)<Aチーム> 平松賢人(BOYS AND MEN) <Bチーム>     ※本田剛文休演
佐藤匠(BMK)<Bチーム> 米谷恭輔(BMK)<Bチーム> 松岡拳紀介(BMK)<Aチーム>
藤田奈那 矢島舞美
田中精(30-DELUX) 我善導(WAHAHA本舗)
清水順ニ(30-DELUX) 他

主催・企画・製作:ジェイズプロデュース

公演公式サイト:https://30-delux.net/spacewars2023/